11月のある日 横浜港大桟橋に日本籍では最大の客船「飛鳥II」(あすかII)が停泊していました。
「飛鳥II」は総トン数50,142t、全長・全幅241m×29.6m、販売客室数400室/乗客数800名の外航クルーズ客船です。 何しろでかいのです。 全長241mというのはちょうど高層ビル「池袋サンシャイン60」を倒して横に寝かせたときの長さに匹敵します。
日本郵船の子会社、郵船クルーズが所有・運航しています。 2006年2月に売却された「飛鳥」の後継船でもあります。
すでに 発表されている2010年世界一周クルーズ 横浜~横浜/神戸~神戸:103日間の船旅は 豪華な船旅で 費用は部屋サイズごとにお一人様435万円から2500万円まで7つのランクがあります。
乗組員だけでも470名が乗船し、最大でも800名の船客をお相手するのですから陸上のホテルは逆立ちしても太刀打ちできない 手厚いサービスが提供されます。
庶民には縁遠い優雅でゴージャスな船旅ですが、ちょっとだけ味わいたい好奇心旺盛な方向けには2泊3日の「飛鳥II」相模湾クルーズというのもあります。 費用は部屋サイズごとにお一人様 定価11万円から40万円まで。
実は 飛鳥IIは1990年6月、バハマ船籍の「クリスタル・ハーモニー」として三菱重工業長崎造船所で竣工・就航したものです。クリスタルクルーズ社3艘目の客船でしたが、3艘全ての客室を埋める募集に同社は大きな困難を伴うことになってしまいました。
ところが 翌年就航した 初代「飛鳥」(約2万9千トン・296室/592名)は予約がいっぱいの満船状態が続き、日本郵船はビジネスチャンスを逃さぬために、同じグループのクリスタルクルーズ社が運航する「クリスタル・ハーモニー」を2006年1月に買い取りました。
日本市場向けの改装を施して、2月末よりの習熟航海を兼ねた日本各地でのお披露目を経て、2006年3月17日に正式デビューしました。 この日から飛鳥IIは日本籍最大の客船となりました。
若い頃、もし人生で成功して、使い切れないほどの財を残せたら「豪華客船で世界一周の船旅もいいなあ」なんて 夢を持った時期もありましたが、 幸か不幸か使い切れないほどの財は残りませんでした。
あるとき 落語家の柳家権太楼師が 豪華客船による世界一周旅行ツアーに同行した時のことです。 もちろん旅ではなく夜の高座の仕事で乗船していたのですが。
船で師匠が寝泊りしている部屋のツアー価格が五百万円と聞いて驚き、目を丸くして言いました。
「エーッ! 部屋代500万。そんな金あったら、うちなんか冷蔵庫買うよ。」
私は彼の話を高座で3回聞き、妙に感心してしまいました。 それから我が家の冷蔵庫を買い換えようと決心し、すぐに実行しました。
3ヶ月余りの航海に500万円から2500万円のお金が惜しげもなく投じられる世界がそこにあるのです。 でも しょせん庶民の私には まるで縁が無かったようです。
豪華客船で世界一周の船旅は 夢幻(ゆめ・まぼろし)と消えた瞬間でもありました。
時節柄皆様ご自愛いただきますように。 横浜ブラ歩きはしばらく続きます。
注)ブログ記事のうち飛鳥Ⅱの詳細はフリー百科事典『ウィキペディア』および日本郵船の公式サイトから抜粋・加筆したものです。
435万円から2500万円の船旅一度は話の種に
乗ってみたいものです。
横浜は、バスや人力車などみんなお洒落な
色合いをしています。
国内の全都道府県を旅しても費用の総額は二人で100万円にも届きませんでした。
豪華客船での世界一周の船旅は 夢幻(ゆめ・まぼろし)と消えましたが もしお金がいっぱいあっても 果たして 数百万円数千万円単位の旅をできるかどうか?
比較すること自体が貧乏性なのでしょうね。
世界一周の船旅 私には到底 無理ですね。
「丼」