年の瀬に思う(2).
今日は 浅草年末恒例の羽子板市を見物に行く予定でしたが 東京はあいにくの雨模様。羽子板市の見物は明日以降でかけることにしました。
振り返ってみると今年は、後半も遠出の旅や、近場の小旅行で例年以上に外へ出てよく歩きました。 七月、夏の花火大会は立川の昭和の森公園へと出かけています。 八月、夏休みの旅行では九州を、九月には琵琶湖を周遊しました。
** 水を科学し、水を知る **
八月の九州の旅では白川水源へも立ち寄りました。白川では 今まで気にもしていなかった「日本の水」について多くを学ぶことになりました。若い頃、東南アジアの国々へ出張した折に 水に馴染めず苦労した理由も少しだけ解りました。
日本名水百選のひとつ、白川水源は、熊本県阿蘇山のカルデラ内の南麓に位置する南阿蘇村(旧白水村)にあります。阿蘇山に降り注いだ雨が数十年の歳月をかけて自然にろ過され、湧き出してくるのです。
水温14℃の清冽な清水が、地底の砂を舞い上げながら、一緒に毎分60トンの勢いで湧き出しています。 冬は温かく夏は冷たく、あくまで透明で、豊かな湧水量を誇っています。そして何よりも白川水源水の硬度は近隣住民の生活用に最適であるということです。
この道の専門家である猿渡氏のホームページ「雑学Η2O」によれば 白川水源の湧水にはカルシウム分68ppm マグネシウム分30ppm が含まれており、軟水であると報告されています。(採水日:’07.3.14)これが数十年の歳月をかけて自然にろ過された結果です。
この水に溶け込んだミネラル分の含有量を表したものを硬度といいます。 詳しく言うと水がカルシウムイオンやマグネシウムイオンをどのくらい含んでいるかを表したものが硬度なのです。
もともと雨水は軟水ですが、大地の地層に浸透する過程で、大地のミネラル分が雨水に溶け込むことによって、硬度が変化します。一般的に硬度が低い「軟水」は、軽いすっきりとした味わいが特徴です。
反対に硬度が高い「硬水」は、重くコクがある味わいが特徴です。「軟水」は、泡立ちやすく「硬水」は、泡が立ちにくいのも特徴のひとつです。「軟水」は、酒造りに適し、「硬水」の多い欧米ではワイン造りが盛んです。ワインは水を使わないからです。
ミネラルウォーターは当初、地下水などの硬度が高過ぎて飲用とし難い欧州を中心に、味の良い地下水のある地域の物を瓶詰めにして飲料水として販売したことに始まります。
一般的に、日本国内で産出されるミネラルウォーターは軟水のものが多く、欧州で産出されるものには硬水が多いようです。 WHOの基準では、これらの塩類の量を炭酸カルシウムに換算したアメリカ硬度(mg/L)において、0~60のものを軟水、120~180のものを硬水、180以上のものを非常な硬水というように決められています。
特に欧米では飲用に適する上水道と排水を流す下水道の他に、入浴や洗濯などに用いられる生活用水(飲用には適さない)を供給する中水道が存在している地域もあり、上水道であっても硬度が高いために味の悪い水しか出ない地域もあります。
イギリスのロンドンでは上水道を沸かすやかんや、湯を沸かすボイラーの内側にもカルシウムやマグネシウムの結晶が大量に付着するとさえ伝えられています。 軟水に慣れ親しんだ日本人が 海外の旅先で土地の水に馴染めず苦労する背景がここにあります。
世界的にも愛飲者が増え続けるミネラルウォーターですが、有害な不純物を含まない利点以外にも目を向ける必要があります。
ミネラルの含有度合いを知り、硬度を知る。ここがポイントなのです。硬度には大別してドイツ硬度とアメリカ硬度の2つがあります。アメリカ硬度ではカルシウム、マグネシウムの量を(炭酸カルシウムCaCO3に換算し)mg/l又はppmで表します。
そして この数値が70 ppm以下、あるいは カルシウム含有量が70mg/l以下にあれば 国内でいつも飲用している平均的レベルです。 ドイツ硬度は アメリカ硬度17.8mg/l≡1度に換算し、通常、20度以上の水を硬水、10度以下の水を軟水といいます。
ミネラルウォーターとの名称から、ミネラル(無機物)を多く含んだ飲料水のことと思っている人も多いようですが、ミネラルウォーターにはミネラル成分の品質規定があるわけではありません。
もうお解かりですね。ミネラル(無機物)を多く含んだ飲料水がけっして身体に良いわけでもないということを。過度のミネラル含有がお腹を壊す原因にすらなりますのでご注意を。
水は奥が深く、水を科学し、水を知ることは とても興味深いことですが 少しのスペースでは言い尽せるわけでもありません。
水を学んで 思うのですが 欧米人の体格のよさは 食生活が肉食とミルクやチーズが主体なのに加え、カルシウム満タンの硬水を長い間飲み続けていたからなのかなあ・・・と。
明日 もし天候が回復したら 浅草まで出かけようと思っています。
注)ブログ記事のうちミネラルウォーターについてはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から抜粋・加筆したものです。
江戸っ子にとり浅草はキット憧れの所では
なかったでしょうか。
やはり、東南アジアの出張では水に苦労された
のですね~
白川は熊本県阿蘇山からの水源ですね、これは
富士山の忍野八海と似ていますね。
硬度はカルシウム、マグネシウムイオンの含有量。
「硬水」は泡が立ちにくい。
欧米は「硬水」が多い。
硬度(mg/L)0~60を軟水、120~180を硬水。
独硬度は米硬度17.8mg/l≡1度に換算。
20度以上を硬水、10度以下軟水。
ミネラル飲料水が身体に良いわけでもない。
上記、大切な事を学びました。
ありがとうございます。
若い頃はかなり 頑健だったのですが、
香港で二度、マニラで一度 真水を飲んで
大変な思いをしました。
今回の調査で わかったのですが欧米人の体格のよさは ただ単に食生活が肉食とミルクやチーズが主体であることばかりでなく 歴史的にカルシウム満タンの硬水を長い間飲み続けていたからに違いない。 と確信を持つようになりました。
「丼」