新潟久紀ブログ版retrospective

新潟暮らし推進課30「組織統廃合でレームダックを知る(その2)」

▼新潟暮らし推進課20「組織統廃合でレームダックを知る(その2)」
 ~「新潟久紀ブログ版」開始に至る~

 退陣を表明したり選挙で負けた後に残る任期の日々を送る政治家について、「レームダック」とよく言われる。要するに「この先役に立たず」といった意味合いで、モチベーションが下がるなんとも嫌なワードであり、小役人の私には無縁の言葉と思っていたが、廃課の発表以来この言葉がどうしても脳裏に浮かんできてしまう。
 残された3か月ほどの日々に全力で当たる意識は損なわれていないと考えたいのであるか、取り組む物事というのはすべからく反省を次へ反映するというサイクルを持つので、どうしも次期や来年ということを考えてしまい、そこには自分は居ないということもまた考えてしまう。他者から言われるのでなくレームダックというのは自らの中に出ずるものと知る。
 それでも、我が課が5年の間に蓄積してきた知見やノウハウ等を、統合先の課に具体的にしっかりと引き継がれるよう、残りの課存続期間において課員らを通じて実務レベルで統合先の職員へときめ細かな伝承作業に努めた。
 さて、こうした組織的な引継はどうしても事務的な事実関係が殆どとならざるを得ないもの。ならば、課長としてのマインドというかモノの考え方というか、非常に大事だと思ってやってきた正に核心的な思いというのはどう引き継いで行けば良いのだろうか。若干情緒的になるかもしれないので、別人格の後任者に押しつけるようにする訳にもいかないだろう。仮に自分が引き受ける立場を考えても独善的な押し売りは大きなお世話であり、「独自に好きにやらせてよ」というだろう。
 そこでハタと気付いた。新潟暮らし推進課長に就任した平成30年の8月から始めた「ツイッター」があるではないかと。人口減少問題はマクロで語られがちだが、UIターンなどは個々人の生き様に関わる事柄であり、移住促進施策を担う我々公務員も、私的意見やネットワークによる知見を活かす必要があると痛感したことから始めたツイッター。これをアーカイブスとして、私の後任者であろうが、市町村役場のUIターン促進担当職員であろうが、人口減少問題や対策等に関心があったり関与する人などで、見たいと思う人誰でもに何時でも見てもらえるではないか。
 それても、ツイッターというのは、古い投稿まで遡って閲覧するのは大変なものだ。場合によっては何らかの事情で公開が停止したり不能になったりするかもしれない。それに、時系列の早い順から見ないと前後の脈略がおかしくなる記事もあるというもの。そこで、書籍化も検討してみた。サイトのデータを紙媒体冊子にするサービスもあるようだが、上手く使えそうなサービスが無い。そこで、市内の製本業者と相談を始めたのだが…。コンテンツは大方整理がついたものの、新型コロナ感染症禍などで慌ただしくしていて間が空いた後に内容を見返してみるとなんとも物足りない。やはり140字のつぶやきでは思うところを不足無く記述することが出来ていないのだ。もう少しアーカイブとして読める内容を…。ということで、新潟久紀ブログ版の開始に至ったというわけだ。

(「新潟暮らし推進課30「組織統廃合でレームダックを知る(その2)」」終わり。県職員として11箇所目の職場となる新潟暮らし推進課の回顧録「新潟暮らし推進課31「解散。終わる新潟暮らし推進課」」に続きます。)
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