新潟久紀ブログ版retrospective

新潟暮らし推進課29「組織統廃合でレームダックを知る(その1)」

●組織統廃合でレームダックを知る(その1)

 新潟暮らし推進課。人口減少問題の深刻化が顕著となり、国が地方創生ビジョンを掲げて東京一極集中の是正と全国的な少子化対策に本腰を入れ始めたのと呼応して、平成27年度に新潟県庁の県民生活・環境部の一部署として独立設置されたこの課は、人口減少問題というハードな課題に臨むのではあるが、平仮名が入る珍しさの上に平易な名称があまり堅苦しさや力みを和らげて、概ね好感度を得てスタートしたという印象が他部局に所属していた私にはあった。
 そんな砕けた感じの標榜の一方で、運営する事業アイテムは中々のものであり、UIターンコンシェルジュの配置や大小の規模と内容を効果的に変えながら都心で展開する新潟暮らし促進セミナーなど、移住対策の先進県といわれる他県と比較しても遜色の無い展開ラインナップを早々から推進していた。それらの内容は、これまで掲載してきたとおりだ。
 ※私が着任前から展開されていた取組例
 ・「UIターンコンシェルジュ」についてはこちら
 ・「新潟暮らしセミナー」についてはこちら
 ・「潟コンin東京」についてはこちら
 部署の新設時には立ち上げと業務の定着化に大いに苦労するものであるが、初代課長は頭脳明晰で知見も幅広く優秀な人なので仕事の実績はしっかりと積み上がっていたし、私のかつての職場の先輩同僚であり気心も知れていたので、3年を経て業務が安定化していた状態で二代目の課長を引き継ぐ私は、いくつかの懸案があっても不安は少なかった。ただ、人口減少問題対策の取りまとめとUIターンの促進施策の推進という大きくかつ深刻さの加速する課題を請け負うことを考えると、取組の何もかもが新しく少なからず成果を得られてそれが評価される初度の段階よりも、それらを一通りやりきって更なる展開やより高い成果が求められる段階の方が、むしろ内外から厳しく見られるだろうということは、これまで長く組織での仕事を重ねてくると想像に難くなかった。
 なので、私は、所管する各種の事業の継続的充実ということの一方で、その先や上を行き、移住者数など定量的な指標が目に見えて上がるような施策や取組、仕掛けを講じたいと引き継いだ直後から意識して業務に当たっていた。課長職くらいの職位になると、2年程度で異動というのが多いのだが、初代課長は3年務めたし、ミッションの重さを踏まえ、私も3年の任期を見据えていた。2年目に若者座談会で議論したUIターン促進につながる仕掛けのアイデアを、事業企画に落とし込んで実装する仕組みを3年目で展開しようと本気で考えていた。
 そんな勢いで来年度予算の調整業務などを詰めていた課長として2年目の令和元年12月。我が新潟暮らし推進課は今年度限りで廃課となることが発表された。良くも悪くも職員個人の視点や思いなどとは全く別のところで巨大な組織というものは動いていくものだ。様々な情勢変化を踏まえ、県庁の施策展開がより効果的で効率的に進むよう俯瞰的に見る中で、新潟暮らし推進課は労政雇用課に吸収統合され、廃止されることになったのだ。

(「新潟暮らし推進課29「組織統廃合でレームダックを知る(その1)」」終わり。県職員として11箇所目の職場となる新潟暮らし推進課の回顧録「新潟暮らし推進課30「組織統廃合でレームダックを知る(その2)」」に続きます。)
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