●出向の事前準備
平成28年4月から燕市企画財政課への出向の内示を受けのたが、県から初めて出向を受け入れるポストということで、県職員の前任者から詳しい実情や事前に準備すべき事などの助言を受けることができない。前任の市職員からの引継は3月中に設定してくれるということだし、当該職員は市役所内に残るので4月以降も必要により教えを請うことができるということなのだが、まったく何もせずにそれを待っていてもいいものか。
ある部署のスタッフの一員であるとか特定専門分野の部門長などであれば、様子を見ながら環境に馴染みながら…ということも考えられるのたが、なんといっても政策調整の筆頭課長となる企画財政課長職である。赴任すればたちまち市役所全体に関わる重い懸案などの調整や議会対応にあたることになるだろう。出だしの印象というものはとかく自他ともに印象に残るものだ。県から主要幹部職員の出向を初めて迎える市職員達に対して"県職員とはどの程度のものなのか"という基準になるのだ。そう考えると、県職員の名折れになってはならないと妙に気合いが入ったものだ。
企画財政課長という名が体を表しているとすれば、企画と財政の両面を統括するポストということになる。自治体の中には企画部門と財政部門が別立ての組織が散見されるところだし、そもそも我が県庁では政策課と財政課が別になっているのだが、その両方を一手に担えということだ。往々にして企画立案は"イケイケドンドン"の「積極拡大型」、財政は「縮小均衡型」というスタンスで、相互牽制によりバランスをとるものだが、いわばアクセルとブレーキの両方を一人の人格の中で効かせなくてはならないということた。
「財政」については県庁で財政課に7年も在職して、若手の実務担当職であるところの「主任」から管理監督職である「財政調整員」まで居成りで経験しており、地方交付税や地方債など財政制度も勉強したし、県全体の財政計画作成や事業部局の予算査定も担当した。一通りの知見は持っていると自負があった。
「企画」については、予算査定で関わったり自身が在籍したことのある分野については、それなりに勘所があると思う。農業政策、医療福祉、公営企業、公共土木、行政改革など。それらの経歴が少なからず役立つ"知見の引き出し"となろう。しかし、ふと考えるとそれらは県レベルのものであり、燕市の住民生活に密着した見識ではない。市役所への赴任と同時にその地域の臨場感を持って課題を理解して対応していけるように、赴任までの限られた短い期間の間にできる限り頭にインプットしなくてはならないと自らに課したのだ。
今は便利な時代だ。人づてに請求することなく大抵の資料はネットで手に入る。燕市の長期総合計画や近年の決算と予算の公表資料、隔週で発行されている市民向け広報誌などをダウンロードして、"予習"よろしく読み漁った。
また、そうした資料を見ていくとかつて財政課時代に習得した財政制度関係の記述も出てくるのだが、財政課を離れて8年も経ており最新の情報にはすっかり疎くなっていることに気付かされた。地方交付税や地方債、各種交付金制度などに関してネット情報のほか、いわゆる手引き本を購入して、アップデートを心がけたのだ。
一方で、実際に出向先でのやりとりが始まれば、ネットや書物から誰もが得られる情報よりも、何よりも重要になるのは地域現場の臨場感だろう。地域の特徴や情勢をより良くしかも効率的に体感できる場所を自分なりに探し、燕市産業史料館などの燕市内の観光や産業施設などを出向までの何回か週末休みを利用して見て回った。最後に寄った燕三条地場産業振興センターでは、ステンレス二重加工のマグカップで燕市のゆるキャラ「きららん」が特殊な加工技術でカラー印刷されたものを購入。金属加工の技術を世界的に誇る燕市を意識して出向に臨んでいる意識と姿勢を自分の机上で示すシンボルにしようと思ったのだ。
ある部署のスタッフの一員であるとか特定専門分野の部門長などであれば、様子を見ながら環境に馴染みながら…ということも考えられるのたが、なんといっても政策調整の筆頭課長となる企画財政課長職である。赴任すればたちまち市役所全体に関わる重い懸案などの調整や議会対応にあたることになるだろう。出だしの印象というものはとかく自他ともに印象に残るものだ。県から主要幹部職員の出向を初めて迎える市職員達に対して"県職員とはどの程度のものなのか"という基準になるのだ。そう考えると、県職員の名折れになってはならないと妙に気合いが入ったものだ。
企画財政課長という名が体を表しているとすれば、企画と財政の両面を統括するポストということになる。自治体の中には企画部門と財政部門が別立ての組織が散見されるところだし、そもそも我が県庁では政策課と財政課が別になっているのだが、その両方を一手に担えということだ。往々にして企画立案は"イケイケドンドン"の「積極拡大型」、財政は「縮小均衡型」というスタンスで、相互牽制によりバランスをとるものだが、いわばアクセルとブレーキの両方を一人の人格の中で効かせなくてはならないということた。
「財政」については県庁で財政課に7年も在職して、若手の実務担当職であるところの「主任」から管理監督職である「財政調整員」まで居成りで経験しており、地方交付税や地方債など財政制度も勉強したし、県全体の財政計画作成や事業部局の予算査定も担当した。一通りの知見は持っていると自負があった。
「企画」については、予算査定で関わったり自身が在籍したことのある分野については、それなりに勘所があると思う。農業政策、医療福祉、公営企業、公共土木、行政改革など。それらの経歴が少なからず役立つ"知見の引き出し"となろう。しかし、ふと考えるとそれらは県レベルのものであり、燕市の住民生活に密着した見識ではない。市役所への赴任と同時にその地域の臨場感を持って課題を理解して対応していけるように、赴任までの限られた短い期間の間にできる限り頭にインプットしなくてはならないと自らに課したのだ。
今は便利な時代だ。人づてに請求することなく大抵の資料はネットで手に入る。燕市の長期総合計画や近年の決算と予算の公表資料、隔週で発行されている市民向け広報誌などをダウンロードして、"予習"よろしく読み漁った。
また、そうした資料を見ていくとかつて財政課時代に習得した財政制度関係の記述も出てくるのだが、財政課を離れて8年も経ており最新の情報にはすっかり疎くなっていることに気付かされた。地方交付税や地方債、各種交付金制度などに関してネット情報のほか、いわゆる手引き本を購入して、アップデートを心がけたのだ。
一方で、実際に出向先でのやりとりが始まれば、ネットや書物から誰もが得られる情報よりも、何よりも重要になるのは地域現場の臨場感だろう。地域の特徴や情勢をより良くしかも効率的に体感できる場所を自分なりに探し、燕市産業史料館などの燕市内の観光や産業施設などを出向までの何回か週末休みを利用して見て回った。最後に寄った燕三条地場産業振興センターでは、ステンレス二重加工のマグカップで燕市のゆるキャラ「きららん」が特殊な加工技術でカラー印刷されたものを購入。金属加工の技術を世界的に誇る燕市を意識して出向に臨んでいる意識と姿勢を自分の机上で示すシンボルにしようと思ったのだ。
(「燕市企画財政課1「出向の事前準備」編」終わり。県職員としては異例の職場となる燕市役所の企画財政課長への出向の回顧録「燕市企画財政課2「一応の引き継ぎ」編」に続きます。)
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