遅くなってすみませんでした
嵐ちゃんで言ってた、彼女の絵を描くおーちゃんと悟がオーバーラップして
もうたまんないなんか変態っぽい?私。
では主題歌は嵐の『Snowflake』で
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『Snowflake』 (17)
悟の腕の中の美冬は、なぜかずっと昔から知っていたような匂いがした。
自分でも意識していないころから、彼女のことを求めていた気がする。
美冬が初めて恋をした少女のように、おずおずと悟の身体に腕をまわしてきた。
それから二人は、長い間離れ離れで、やっと再会できた恋人同士のように何度も唇を重ねた。
美冬の髪に指をすべらせながら悟が言った。
「行こう!急に腹減った」
悟はフードつきのジャケットを急いではおると、美冬をうながして外に出た。
街には新年会に繰り出すのだろうか、賑やかなグループがあちらこちらで見受けられる。
ゆるやかな人の流れを足早に追い越しながら、悟は美冬とつないだ手を一度も離そうとしなかった。
ずっと黙ったまま歩き、時々優しい目で美冬に微笑みかけた。
美冬も笑顔で応える。
言葉を交わすと高揚した気持ちが口からこぼれ出て、勢いをなくしてしまいそうだった。
下北沢の駅から悟のマンションまでの途中で、ワインとテイクアウトのピザやサラダを買った。
悟は部屋に入るとエアコンのスイッチを入れ、キッチンに買ってきたものを置くと
「すっかり冷えちゃったね」
と言った。
「電子レンジであっためれば?」
美冬が言うと笑って首をふった。
「違うよ。ピザじゃなくて俺たち」
「今夜は冷え込んでるみたい。部屋が暖かくなるまでコート着たままでいい?」
悟とつないでいなかったほうの冷たくなった手に、息を吹きかけながら美冬が言った。
「おいで」
悟は美冬のコートを脱がせると、自分のインナーの付いたジャケットのファスナーを開け、
そこに美冬を包み込むように抱き寄せた。
「このほうがあったかいでしょ?」
美冬はまた激しく動揺した。
これまで自分の方がずっと大人として振舞ってきたのに、今は立場が逆転している。
悟は少しも臆することなく自分の気持ちに正直に行動し、美冬はその度におどおどしてしまう自分がいやだった。
恋愛経験だってそれなりにある。
もっと余裕をもって年下の悟に接したいのに、なぜか途方にくれてしまう。
心のままに身を任せたいという想いと、何をしているんだという罪悪感が入り乱れた。
佐和野の顔が一瞬浮かんだけれど、悟の声がそれを消した。
「部屋、もう暖まったね」
身体を離すと悟はジャケットとトレーナーを脱いでTシャツになり、
美冬の手を引くとそのままベッドに連れて行った。
「待って」
美冬はベッドに座りながら悟の手を押さえた。
「どうして?」
悟は優しく微笑むけれど美冬のブラウスのボタンを外す手を止めない。
「だから・・・待って」
「待てない」
「怒るよ」
美冬がちょっと睨んでみせても、悟はにっこり笑って穏やかに言う。
「いいよ怒っても」
美冬の唇は悟の唇で塞がれ、美冬は抵抗することをあきらめた。
それは悟に抵抗していたのではなく、正直になれない自分自身に抵抗していることに気がついていたから。
事が終わって狭いバスタブに浸かりながら、美冬は不思議な気持ちでいた。
たった今、身体を重ねていたばかりなのにもう悟が恋しかった。
ドアを開ければ悟はそこにいるのに、視界にいないだけで寂しい。
経験したことの無い感情が沸き起こっている自分を、
もうひとりのいつもの自分が眺めていた。
きっと朝になれば、一時の感情におぼれることを良しとしない大人の女に戻れると思う。
二人の関係も案外何も無かったかのように元に戻れるかもしれない。
悟の服を借りてバスルームから出ると、ベッドの前の床に買ってきたワインや
食べ物が並べてあった。
「ごめん、コップしかないんだ」
「コップで十分」
「そう?」
嬉しそうに悟が美冬を見つめた。
「やだ、そんなに見ないで」
「大丈夫。すっぴんでも可愛い」
「それはどうも」
二人はワインで乾杯し、些細なことで笑いあった。
空腹が満たされると、シングルベッドに二人でもぐりこんでいろんな話をした。
「悟くんが絵を描き始めたころのこと話して。誰かに教わったの?」
「そんなおねしょしてた頃のこと聞きたい?」
「聞きたい」
少しの沈黙の後、悟が話し始めた。
「いつも父親の隣で描いてた・・・」
「事故で亡くなったお父さんも画家だったの?」
「17の時死んだ親父はお袋の再婚相手。実の父親は食えない画家だった」
悟と血のつながった父親は中学の美術教師だったが、教員という仕事に
神経をすり減らし辞めてしまった。
悟の記憶ではいつも家に父親がいて、その父の傍で絵を描いていた。
たぶん家計を支えるために母が働いていたのだろう。
絵の指導は熱心にしてくれたが褒められたことは一度も無い。
自分の才能の限界に気づいた父は、自分に似ている悟にだけ暴力を振るうようになり、両親は離婚した。
悟は絵を描かなくなった。
学校の授業でも一枚の絵も描かなかった。
再び絵を描き始めたのは母親が再婚してからだ。
二人目の父は子供たちに精一杯の愛情を注いでくれ、そのおかげで悟は人を信頼することが出来るようになったと思う。
「こんなこと話したの美冬さんが初めてだよ」
「立ち入ったこと聞いてごめんね」
「いや、聞いてもらってスッキリした。明日からまた頑張る」
「次の作品?」
「そう。だからまた俺にパワーをくれる?」
美冬は返事のかわりに悟をそっと抱きしめた。
やがて二人は満ち足りた心で眠りについた。
-----------つづく----------
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大人の皆さん、シャワーも浴びないでことにおよぶってのはどう?
アハッ!何言ってるんでしょ私
ではまた
嵐ちゃんで言ってた、彼女の絵を描くおーちゃんと悟がオーバーラップして
もうたまんないなんか変態っぽい?私。
では主題歌は嵐の『Snowflake』で
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妄想ドラマ 『Snowflake』 (17)
悟の腕の中の美冬は、なぜかずっと昔から知っていたような匂いがした。
自分でも意識していないころから、彼女のことを求めていた気がする。
美冬が初めて恋をした少女のように、おずおずと悟の身体に腕をまわしてきた。
それから二人は、長い間離れ離れで、やっと再会できた恋人同士のように何度も唇を重ねた。
美冬の髪に指をすべらせながら悟が言った。
「行こう!急に腹減った」
悟はフードつきのジャケットを急いではおると、美冬をうながして外に出た。
街には新年会に繰り出すのだろうか、賑やかなグループがあちらこちらで見受けられる。
ゆるやかな人の流れを足早に追い越しながら、悟は美冬とつないだ手を一度も離そうとしなかった。
ずっと黙ったまま歩き、時々優しい目で美冬に微笑みかけた。
美冬も笑顔で応える。
言葉を交わすと高揚した気持ちが口からこぼれ出て、勢いをなくしてしまいそうだった。
下北沢の駅から悟のマンションまでの途中で、ワインとテイクアウトのピザやサラダを買った。
悟は部屋に入るとエアコンのスイッチを入れ、キッチンに買ってきたものを置くと
「すっかり冷えちゃったね」
と言った。
「電子レンジであっためれば?」
美冬が言うと笑って首をふった。
「違うよ。ピザじゃなくて俺たち」
「今夜は冷え込んでるみたい。部屋が暖かくなるまでコート着たままでいい?」
悟とつないでいなかったほうの冷たくなった手に、息を吹きかけながら美冬が言った。
「おいで」
悟は美冬のコートを脱がせると、自分のインナーの付いたジャケットのファスナーを開け、
そこに美冬を包み込むように抱き寄せた。
「このほうがあったかいでしょ?」
美冬はまた激しく動揺した。
これまで自分の方がずっと大人として振舞ってきたのに、今は立場が逆転している。
悟は少しも臆することなく自分の気持ちに正直に行動し、美冬はその度におどおどしてしまう自分がいやだった。
恋愛経験だってそれなりにある。
もっと余裕をもって年下の悟に接したいのに、なぜか途方にくれてしまう。
心のままに身を任せたいという想いと、何をしているんだという罪悪感が入り乱れた。
佐和野の顔が一瞬浮かんだけれど、悟の声がそれを消した。
「部屋、もう暖まったね」
身体を離すと悟はジャケットとトレーナーを脱いでTシャツになり、
美冬の手を引くとそのままベッドに連れて行った。
「待って」
美冬はベッドに座りながら悟の手を押さえた。
「どうして?」
悟は優しく微笑むけれど美冬のブラウスのボタンを外す手を止めない。
「だから・・・待って」
「待てない」
「怒るよ」
美冬がちょっと睨んでみせても、悟はにっこり笑って穏やかに言う。
「いいよ怒っても」
美冬の唇は悟の唇で塞がれ、美冬は抵抗することをあきらめた。
それは悟に抵抗していたのではなく、正直になれない自分自身に抵抗していることに気がついていたから。
事が終わって狭いバスタブに浸かりながら、美冬は不思議な気持ちでいた。
たった今、身体を重ねていたばかりなのにもう悟が恋しかった。
ドアを開ければ悟はそこにいるのに、視界にいないだけで寂しい。
経験したことの無い感情が沸き起こっている自分を、
もうひとりのいつもの自分が眺めていた。
きっと朝になれば、一時の感情におぼれることを良しとしない大人の女に戻れると思う。
二人の関係も案外何も無かったかのように元に戻れるかもしれない。
悟の服を借りてバスルームから出ると、ベッドの前の床に買ってきたワインや
食べ物が並べてあった。
「ごめん、コップしかないんだ」
「コップで十分」
「そう?」
嬉しそうに悟が美冬を見つめた。
「やだ、そんなに見ないで」
「大丈夫。すっぴんでも可愛い」
「それはどうも」
二人はワインで乾杯し、些細なことで笑いあった。
空腹が満たされると、シングルベッドに二人でもぐりこんでいろんな話をした。
「悟くんが絵を描き始めたころのこと話して。誰かに教わったの?」
「そんなおねしょしてた頃のこと聞きたい?」
「聞きたい」
少しの沈黙の後、悟が話し始めた。
「いつも父親の隣で描いてた・・・」
「事故で亡くなったお父さんも画家だったの?」
「17の時死んだ親父はお袋の再婚相手。実の父親は食えない画家だった」
悟と血のつながった父親は中学の美術教師だったが、教員という仕事に
神経をすり減らし辞めてしまった。
悟の記憶ではいつも家に父親がいて、その父の傍で絵を描いていた。
たぶん家計を支えるために母が働いていたのだろう。
絵の指導は熱心にしてくれたが褒められたことは一度も無い。
自分の才能の限界に気づいた父は、自分に似ている悟にだけ暴力を振るうようになり、両親は離婚した。
悟は絵を描かなくなった。
学校の授業でも一枚の絵も描かなかった。
再び絵を描き始めたのは母親が再婚してからだ。
二人目の父は子供たちに精一杯の愛情を注いでくれ、そのおかげで悟は人を信頼することが出来るようになったと思う。
「こんなこと話したの美冬さんが初めてだよ」
「立ち入ったこと聞いてごめんね」
「いや、聞いてもらってスッキリした。明日からまた頑張る」
「次の作品?」
「そう。だからまた俺にパワーをくれる?」
美冬は返事のかわりに悟をそっと抱きしめた。
やがて二人は満ち足りた心で眠りについた。
-----------つづく----------
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大人の皆さん、シャワーも浴びないでことにおよぶってのはどう?
アハッ!何言ってるんでしょ私
ではまた