SPECTACLE DIARY

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知識と現実(正常眼圧緑内障)

2012年12月21日 10時25分42秒 | etc

眼という器官は非常に優れた機能を持っています。

いくら一眼レフカメラの性能が良くなったとしても、眼の機能に追いつくことは出来ません。

それだけに眼の構造は複雑で、無理な使い方をすると壊れることになります。

壊れると皆さんは眼科に行き、治療を受けることになります。

治療を受けても、眼の優れた機能が100%回復する訳ではありません。

医療とは人間の壊れた箇所を使えるように修理する事。

本来の機能を完全に修復する事は不可能なのです。

前にも述べましたが壊れない仕組みを考える事こそ最重要なのです。

  

「身体(眼)を壊れないようにする取り組みが重要ではないでしょうか?」

  

こんなアンケートを取れば、殆どの方が重要だと答えるでしょう。

しかし現実は違います。

かつてハンバーガーでお馴染みのマクドナルド社がアンケートを実施しました。

「マクドナルドでサラダを取り扱ったらあなたは注文しますか?」という内容です。

栄養バランスが良くないイメージを払拭する為に、サラダを導入しようと考えたのです。

支持率は約9割、アンケートでは殆どの方が注文するという結果でした。

マクドナルド社はハンバーガーセットにサラダが選択できるようにメニューを変更。

しかし、注文するお客様の殆どはサラダを選択しなかったのです。

知識では理解していても、人間はいとも簡単に誘惑に負けてしまいます。

サラダは体に良いという知識はあっても、殆どの方が揚げたてのポテトを選択するのです。

  

上記アンケートと身体(眼)も同じ。

身体(眼)にストレスが掛からない仕組みこそ重要なのですが、現実は違います。

医療が進化する度に、医療に甘える体質が出来上がるでしょう。

病人が増えれば増える程、喜ぶ業界もあるのです。

「良い医師とは、二度と病院に掛からなくてもよい治療と知識を患者に与える」

その逆はどうでしょうか・・・皆さんのご想像にお任せします。

  

話が反れましたが、現代社会は人間の眼にストレスが掛かり易い社会構造です。

遠方を見ている時と近方を見ている時では、眼圧(緊張)も違います。

人間の目は本来、遠くが見えるように設計されています。

目は近くを見るようには設計されていませんし、近見時には眼圧も上昇しています。

近くの物を見ようとすると眼筋(内/外)が働き、ピントを近くに合わせます。

長時間近くの物を見続けるということは、常時筋肉に負荷を掛け続け見ているのです。

この眼筋による眼球の締め付けにより眼圧が上昇します。

正常眼圧緑内障という病気があります。

この病気は緑内障の一種で、正常な眼圧にも関わらず緑内障を引き起こします。

医学的見解では、緑内障の要因は高い眼圧が原因だといわれています。

であるとすれば、正常な眼圧で緑内障になる正常眼圧緑内障はつじつまが合いません。

このタイプの緑内障の方は、デスクワークの時間か比較的長いのではないでしょうか?

遠見時の眼圧が正常でも、近見時の眼圧は違います。

まして眼圧は遠見時でも緊張状態あれば若干上昇する傾向があるといわれます。

眼圧は血圧と同じ仕組みなのかもしれません。

近くを集中して見る事、それは眼にとって緊張であり大きなストレス。

短波長カットレンズや目薬など、これら片手間の対処法では解決しない問題です。

近見時の緊張やストレスを根本的に解決する。

この事は眼にとって非常に重要ではないのでしょうか。

「トラベクレクトミーで眼圧を根本から下げればいいじゃないか!」

というのは反則技です。

  

昨今の人気の山登りとマラソン。

ストレスからの開放という観点で、何となく頷けるような気が私はします。