本日は、撮り鉄の話。
VR18-200mmを駆ってのテスト撮影、その3です。
鉄道写真で手ブレ補正機能が効用を発揮する場面として真っ先に思い浮かぶのは、流し撮りです。
もちろんテストメニューにも取り込み済みです。
まずは雨天下で3枚ほど。
これがなかなかどうして、侮れない結果に。
JPEG撮りでなおかつ今回はレタッチを最小に止めているので色合いが眠いのはご勘弁を。

[D300, VR18-200mmF3.5-5.6(135mm), Tv, 1/50, f11, ISO 200]
10000形HiSE車 10041F ロマンスカー『はこね』号。
自分で言うのもナンですが、たいへんよくできました。
正直いっていままで流した中で最高の1枚かもしれません(^_^;

[D300, VR18-200mmF3.5-5.6(65mm), Tv, 1/40, f18, ISO 200]
1000形1055F 急行新宿行き。
ちょっと広角側で狙ってみました。
コサイン誤差が大きいような気がします。
海側から上りを撮ったので車輪に道床がちょっとかかってしまっています。

[D300, VR18-200mmF3.5-5.6(70mm), Tv, 1/40, f18, ISO 200]
50000形VSE車 ロマンスカー『はこね』号。
ちょっと引きめで流してみました。
雨天なせいもあってややもやっていますがそれはそれで良いかナと自画自賛。
いやー。
参りましたね。
簡単に流れすぎじゃないかえ?(^_^;
雨が降っているのでいい加減に低速シャッターでレンズを振り回しただけなんですけどね。
なんでこんなに綺麗に流れるのだ?(笑)
これまでEOS-1Ds+旧型Lレンズでさんざん苦労していたののがまるでウソみたいなヒット率。
低打率の最大の原因は手ブレだったのかぁ?
いやマジメに、こんなにラクに流せるとは驚きです。
VRⅡさまさまです。
VR18-200mmは「流し撮りモード」のスイッチがなく、流しているかどうかをレンズが自動判別すると聞いていたので少々信用していなかったんですが、とんでもない!
1/50秒なら確実にブレません。
1/40秒で打率7割の感覚。
さすがに1/30秒になるとコツが要りますが、それでもVRⅡのアシストでヒット率は5割程度は届きそうです。
VR18-200mmのAFは決して速くないので、低速シャッター時のAF追従性がどうかなと思いましたが、試した範囲ではあまり問題ないようです。
通常の走行写真と同様、1コマめでいかにピントを引き込むかが肝要で、いったん追従してしまえば結構食い付いてくれます。
新幹線だとどうか分かりませんが、小田急線程度の流し撮りなら問題ないと思われます。
いやー、こりゃあ流し撮りが楽しくなりそうだ!(^-^)
これまでは“流し撮り=修行”みたいな感じでしたからねぇ。
ただ、手放しでは喜べない部分もありまして、別の角度からの問題が出て来ました。
晴天下での撮影での話なのですが、まずは実写画像を。

[D300, VR18-200mmF3.5-5.6(135mm), Tv, 1/30, f32, ISO 200]
1000形HiSE車 10001F ロマンスカー『はこね』号。
同じような場所からの撮影ですが、どうも光線条件の割に写りがあまりよろしくないのです。
リサイズ&若干レタッチ入れていますが、それでもあまりシャキッとしない感じになってしまいました。
なお、このコマを撮った日はピクスタ設定を「Vivid」で撮っていました。ちょっと色がくどいのはそのためです。
曇天と晴天で各々のオリジナル画像をアップしてみますので、ご覧になってみてください。
4288×2848ピクセルの大サイズですのでご注意ください。
曇天[D300, VR18-200mmF3.5-5.6(135mm), Tv, 1/50, f11, ISO 200]
晴天[D300, VR18-200mmF3.5-5.6(135mm), Tv, 1/30, f32, ISO 200]
ファイルサイズの関係で圧縮率はUPしていますが、感じはお分かり頂けると思います。
判然とはしませんがピントを外しているわけではなさそうなので、何かしらの光学的原因と思われます。
もしやこれが“回折ボケ”というヤツですかね?
あるいは小絞りでの解像低下?
どちらにしても、絞りすぎに起因するモヤモヤであるのは間違いなさそうです。
絞り値を具体的に見ると、曇天下のHiSEはf11、晴天下のHiSEはf32。
この違いが分かれ目のような気がします。
流し撮りは必然的に低速シャッターを要求されますから、光量十分な時は小絞りになりがちです。
ここはISO感度を下げて対応したいところですが、デジタル一眼の最大の弱点の1つ“低感度の弱さ”が災いして自由が利きません。
D300の場合も最低感度はISO 200ですので、晴天で流したい場合にはNDフィルターが必携アイテムになりそうです。
ここがEOS-1DsのようにISO 100スタートならもう少し耐力がありそうですが。
ということで、初めてD300の欠点らしいところを発見!
ちなみに、D300ではISO 200以下の設定も可能です。
どんなもんかと思って試してみたのですが、なんだか妙な風合いの写りになります。
取説によれば「硬調の画質になる」とのことです。
実写を見ると何といいますか、硬いというかコントラストが出ないというか、どっちみち実用的な画質じゃないです。
ただ、レタッチでごまかしが効かないほどの酷さではないようですので、EOS-1DsのISO 1250みたいな非常用設定として認識しておくと良さそうです。
画質が多少落ちようが、撮れるのと撮れないのではエラい違いですからね。