ここはサブオペレーションルームです。今自動ドアが開いて、身長140cm未満の隊員服を着たおかっぱ頭の女の子が入ってきました。彼女が海老名隊員です。
「ただいま帰りました」
隊長はテレビモニターでアニメを見てましたが、海老名隊員を見て柔和な顔を見せました。
「お帰り」
海老名隊員はイスに座るなり、
「宇宙人、来ましたか?」
「ああ、来たよ」
海老名隊員は興味が湧いたようです。
「どんな宇宙人ですか?」
隊長は左手の親指と人差し指で○を造り、それを自分の眉間に置いて、
「眼が一つ」
「ええ?」
「巨大化するし、光線技は使えるし」
「うわっ、すっごーい!」
「ほんとうにすごい人材をゲットしたかもしれないな。ふふっ、さっそく試してみるかな」
隊長は立ち上がると、隣室のオペレーションルームに入り、コンピューターの前に座りました。海老名隊員もその横に座りました。隊長はキーボードをタンタンタンと指で叩きました。
「シークレットコードを入れてと・・・」
隊長はコンピューターとコードでつながった小さな機械を海老名隊員の前に置きました。
「指紋頼む」
どうやら指紋認証システムのようです。
「はい」
海老名隊員はその機械に左手薬指の腹を置きました。するとピッと音がし、コンピューターのモニターに表が現れました。
「さーて、どれにするか」
海老名隊員はディスプレイの一点を指さして、
「これがいいんじゃないですか?」
「OK」
館内に放送が鳴り響きました。隊長の声です。
「緊急招集! 緊急招集! テレストリアルガードの隊員はサブオペレーションルームに集合せよ!」
それを聞いて自室で寛いでいた倉見隊員と寒川隊員は顔を挙げました。女神も慌ててヘルメットを被りました。無菌室の女神はそのまま廊下に出て走り、サブオペレーションルームに入りました。中にはすでに5人の隊員が集まってました。女神はその中の海老名隊員に注目しました。女神と海老名隊員はここで初対面です。海老名隊員はなぜか喜んでるようです。
「あなたが今度うちの隊員になった宇宙人でしょ!」
「ええ、あなたが海老名隊員?」
「はい。あの~、顔を見せてくれませんか?」
女神はそのセリフにびっくりです。さすがにここで隊長が横槍を入れました。
「おい、今は仕事中だぞ」
「は~い」
テレストリアルガードの隊員とは思えないキャビキャビとした女の子です。ただ、女神は感じました。この女の子が放ってるオーラを。そのオーラは自分たち神や女神が持ってるオーラと同じだったのです。
ここから本題です。
「エイリアンの残党が見つかったと、たった今警察経由で通報があった。身柄を確保しに行くぞ!」
「はい!」
と、隊長は女神を見ました。
「行けるか?」
「はい」
「今日はいろいろあってすまないな」
「いいえ」
と言っても、一つ眼の宇宙人は今断ることができません。断ればテレストリアルガードをクビになる可能性があります。クビになればその後どんなひどい目に遭うのかわかりません。自分の命を考えたら、従うしかないのです。
上溝隊員が部屋の隅にある造り付けの金庫の扉を開けました。そこには38口径くらいの大きさの光線銃が収納してあります。
「みなさん、レーザーガンです」
まず隊長がレーザーガンを受け取りました。
「ありがと」
次に倉見隊員、次に寒川隊員が受け取り、その次の海老名隊員は一回り小さいレーザーガンを受け取りました。最後に女神がレーザーガンを受け取ろうとしましたが、倉見隊員が、
「ちょっと待ってくれよ。たった今加入したやつに、そんな危険なものを渡す気か?」
女神はレーザーガンを受け取る手を止めました。隊長はそれを見て、
「仕方がないなあ。すまないが、今日は丸腰で頼む」
「大丈夫です」
「うん、よし、出動だ!」
ここはテレストリアルガードの基地です。と言っても、巨大な滑走路の傍らにある3階建てのふつーの建物です。でも、地下には巨大な施設があるようです。滑走路と反対側には玄関があります。玄関の横には格納庫のような駐車場があり、数台のクルマが駐まってます。今セダンタイプのクルマに隊長と海老名隊員と女神が乗車し、その横のオフロードタイプの4WDには倉見隊員と寒川隊員が乗車しました。セダンも4WDもストーク号やヘロン号と同じカラーリングが施されてます。
今セダンの屋根の小さなハッチが開き、パトロールランプが出現。サイレンを鳴らしながらセダンが発進しました。それに続いて4WDも発進。こちらもパトロールランプが現れ、サイレンを鳴らしてます。
セダンの中です。運転席には隊長、助手席には海老名隊員、後部座席には女神が座ってます。女神の発言です。
「すみません。エイリアンの残党てなんですか?」
隊長はハンドルを握りながら、
「5年前この星はユミル星人に総攻撃を喰らったことがあったんだ」
「ええ、それは先ほど聞きました」
「実はそのとき、我が国はヴィーヴルという軍隊と密かに交渉してたんだ。ヴィーヴルというのは、宇宙の傭兵軍団みたいなものだな。
ユミル星人第二次襲来で我が国は急きょヴィーヴルと契約し、彼らは地球にやってきたんだ。ヴィーヴルの軍事技術はユミル星人をはるかに超えていて、ユミル星人は蜘蛛の子を散らすように逃げて行ったんだ。そのせいか、ユミル星人の兵隊がたくさん地球に取り残されたんだ。そいつらを見つけて逮捕する、または処分することをテレストリアルガードでは残党狩りと言ってるんだよ」
「5年も経ってるのに、まだ残党がいるんですか?」
「ユミル星人が攻めてきたと言っても、実際攻めてきた連中はユミル星人の植民地となった星の住民ばかり。ご丁寧にこの地球の住民と姿形が酷似した人種ばかり選んできたんだ。万が一があった場合は、地球人に化けてやりすごすつもりだったんだろうな。そのせいでいまだに残党がいるんだよ」
女神はちょっと考えてしまいました。自分はあまりにもこの星の住民と顔が違うからです。
ここで海老名隊員が発言です。
「あの~、宇宙人さん、お願いです。ヘルメット脱いでくれませんか?」
隊長はちょっと呆れてるようです。
「おいおい、この星の空気に宇宙人をさらしたら、最初に襲来したユミル星人みたいにあっとゆー間に病気になって死んじゃうかもしれないんだぞ。それに女神隊員のもってるばい菌だって、地球人にどんな災いを起こすのかわからないし」
「ちぇっ。でも、報告書読んだら、一度顔を晒したことになってますよ」
「それは山奥での話。町でやっちゃだめだろ。もしどうしても見たいのなら、今女神隊員が住んでいる無菌室でやれ。そんときはお前がヘルメットを被るんだぞ」
「はーい」
で、女神ですが、フルフェイスのヘルメットが邪魔で、どんな表情でこの会話を聞いていたのか、てんでわかりませんでした。
「ただいま帰りました」
隊長はテレビモニターでアニメを見てましたが、海老名隊員を見て柔和な顔を見せました。
「お帰り」
海老名隊員はイスに座るなり、
「宇宙人、来ましたか?」
「ああ、来たよ」
海老名隊員は興味が湧いたようです。
「どんな宇宙人ですか?」
隊長は左手の親指と人差し指で○を造り、それを自分の眉間に置いて、
「眼が一つ」
「ええ?」
「巨大化するし、光線技は使えるし」
「うわっ、すっごーい!」
「ほんとうにすごい人材をゲットしたかもしれないな。ふふっ、さっそく試してみるかな」
隊長は立ち上がると、隣室のオペレーションルームに入り、コンピューターの前に座りました。海老名隊員もその横に座りました。隊長はキーボードをタンタンタンと指で叩きました。
「シークレットコードを入れてと・・・」
隊長はコンピューターとコードでつながった小さな機械を海老名隊員の前に置きました。
「指紋頼む」
どうやら指紋認証システムのようです。
「はい」
海老名隊員はその機械に左手薬指の腹を置きました。するとピッと音がし、コンピューターのモニターに表が現れました。
「さーて、どれにするか」
海老名隊員はディスプレイの一点を指さして、
「これがいいんじゃないですか?」
「OK」
館内に放送が鳴り響きました。隊長の声です。
「緊急招集! 緊急招集! テレストリアルガードの隊員はサブオペレーションルームに集合せよ!」
それを聞いて自室で寛いでいた倉見隊員と寒川隊員は顔を挙げました。女神も慌ててヘルメットを被りました。無菌室の女神はそのまま廊下に出て走り、サブオペレーションルームに入りました。中にはすでに5人の隊員が集まってました。女神はその中の海老名隊員に注目しました。女神と海老名隊員はここで初対面です。海老名隊員はなぜか喜んでるようです。
「あなたが今度うちの隊員になった宇宙人でしょ!」
「ええ、あなたが海老名隊員?」
「はい。あの~、顔を見せてくれませんか?」
女神はそのセリフにびっくりです。さすがにここで隊長が横槍を入れました。
「おい、今は仕事中だぞ」
「は~い」
テレストリアルガードの隊員とは思えないキャビキャビとした女の子です。ただ、女神は感じました。この女の子が放ってるオーラを。そのオーラは自分たち神や女神が持ってるオーラと同じだったのです。
ここから本題です。
「エイリアンの残党が見つかったと、たった今警察経由で通報があった。身柄を確保しに行くぞ!」
「はい!」
と、隊長は女神を見ました。
「行けるか?」
「はい」
「今日はいろいろあってすまないな」
「いいえ」
と言っても、一つ眼の宇宙人は今断ることができません。断ればテレストリアルガードをクビになる可能性があります。クビになればその後どんなひどい目に遭うのかわかりません。自分の命を考えたら、従うしかないのです。
上溝隊員が部屋の隅にある造り付けの金庫の扉を開けました。そこには38口径くらいの大きさの光線銃が収納してあります。
「みなさん、レーザーガンです」
まず隊長がレーザーガンを受け取りました。
「ありがと」
次に倉見隊員、次に寒川隊員が受け取り、その次の海老名隊員は一回り小さいレーザーガンを受け取りました。最後に女神がレーザーガンを受け取ろうとしましたが、倉見隊員が、
「ちょっと待ってくれよ。たった今加入したやつに、そんな危険なものを渡す気か?」
女神はレーザーガンを受け取る手を止めました。隊長はそれを見て、
「仕方がないなあ。すまないが、今日は丸腰で頼む」
「大丈夫です」
「うん、よし、出動だ!」
ここはテレストリアルガードの基地です。と言っても、巨大な滑走路の傍らにある3階建てのふつーの建物です。でも、地下には巨大な施設があるようです。滑走路と反対側には玄関があります。玄関の横には格納庫のような駐車場があり、数台のクルマが駐まってます。今セダンタイプのクルマに隊長と海老名隊員と女神が乗車し、その横のオフロードタイプの4WDには倉見隊員と寒川隊員が乗車しました。セダンも4WDもストーク号やヘロン号と同じカラーリングが施されてます。
今セダンの屋根の小さなハッチが開き、パトロールランプが出現。サイレンを鳴らしながらセダンが発進しました。それに続いて4WDも発進。こちらもパトロールランプが現れ、サイレンを鳴らしてます。
セダンの中です。運転席には隊長、助手席には海老名隊員、後部座席には女神が座ってます。女神の発言です。
「すみません。エイリアンの残党てなんですか?」
隊長はハンドルを握りながら、
「5年前この星はユミル星人に総攻撃を喰らったことがあったんだ」
「ええ、それは先ほど聞きました」
「実はそのとき、我が国はヴィーヴルという軍隊と密かに交渉してたんだ。ヴィーヴルというのは、宇宙の傭兵軍団みたいなものだな。
ユミル星人第二次襲来で我が国は急きょヴィーヴルと契約し、彼らは地球にやってきたんだ。ヴィーヴルの軍事技術はユミル星人をはるかに超えていて、ユミル星人は蜘蛛の子を散らすように逃げて行ったんだ。そのせいか、ユミル星人の兵隊がたくさん地球に取り残されたんだ。そいつらを見つけて逮捕する、または処分することをテレストリアルガードでは残党狩りと言ってるんだよ」
「5年も経ってるのに、まだ残党がいるんですか?」
「ユミル星人が攻めてきたと言っても、実際攻めてきた連中はユミル星人の植民地となった星の住民ばかり。ご丁寧にこの地球の住民と姿形が酷似した人種ばかり選んできたんだ。万が一があった場合は、地球人に化けてやりすごすつもりだったんだろうな。そのせいでいまだに残党がいるんだよ」
女神はちょっと考えてしまいました。自分はあまりにもこの星の住民と顔が違うからです。
ここで海老名隊員が発言です。
「あの~、宇宙人さん、お願いです。ヘルメット脱いでくれませんか?」
隊長はちょっと呆れてるようです。
「おいおい、この星の空気に宇宙人をさらしたら、最初に襲来したユミル星人みたいにあっとゆー間に病気になって死んじゃうかもしれないんだぞ。それに女神隊員のもってるばい菌だって、地球人にどんな災いを起こすのかわからないし」
「ちぇっ。でも、報告書読んだら、一度顔を晒したことになってますよ」
「それは山奥での話。町でやっちゃだめだろ。もしどうしても見たいのなら、今女神隊員が住んでいる無菌室でやれ。そんときはお前がヘルメットを被るんだぞ」
「はーい」
で、女神ですが、フルフェイスのヘルメットが邪魔で、どんな表情でこの会話を聞いていたのか、てんでわかりませんでした。