この道路の終点はちょっと大きな駐車場でした。2台のクルマがこの駐車場に入ってきました。2台のクルマが停車。ライト消灯。7人が2台のクルマから降りてきました。軽自動車を運転してきた男が空を見上げました。満月に近い月が出ています。その月のせいで、あたりはそれほど暗くありません。
「ふ、ちょうどいい明るさだ」
それに軽自動車の助手席に乗っていた男が応えました。
「こりゃあ、懐中電灯はいりませんねぇ」
1.5ボックス車を所有する男が、自身のクルマのハッチバックを開けました。男はそこからハンドブレーカーを取り出し、抱え上げました。ほかの男4人はそれぞれ巨大ハンマーと巨大バールを手に取りました。女の子2人は1台の発電機を2人がかりで持ちました。2人で両端を持つという感じです。
「よし、行くぞ!」
7人が駐車場の奥にある石碑、宇宙人受難之碑に向かって歩き始めました。1.5ボックス車を運転してきた男が、隣りを歩く男を見てはっとしました。その男はムービーカメラで撮影しながら歩いてるのです。
「お、おい、まさかライブ配信してるんじゃないだろうなあ?」
男は笑いながら応えました。
「まさかあ~ オレたちゃこれから違法行為を行うんですよ。そりゃあライブ配信できないでしょ。編集で顔は消して、あとでようつべに上げるんですよ」
「あは、そっかぁ。ま、ふつーに考えたらライブ配信はしないよなあ。あははは」
7人が石碑に近づいてきました。と、そのとき謎の声が。
「ようやく来たか、ずいぶん待たせやがって!」
その声で7人の歩みが止まりました。軽自動車の後部座席に乗ってた女の子は、特にびびってます。
「な、なんなのよ、これ?」
石碑の両側からそれぞれ1つずつ人影が出てきました。先ほどの女の子は思わず発電機を落とし、悲鳴を上げました。
「きゃーっ!」
軽自動車を運転してきた男が、
「だれだ!」
月灯りが2人の顔を照らしました。それは私服姿の橋本隊員と倉見隊員でした。再び軽自動車を運転してきた男の発言です。
「お前ら、警察か?」
倉見隊員の発言です。
「いや、警察じゃないな」
橋本隊員の発言です。
「お前ら、凶器準備集合罪て知ってるか? オレたちゃ警察じゃなくても、お前らを現行犯逮捕できるんだぜ」
それに軽自動車の助手席に乗ってた男が過剰に反応しました。
「ふざけんな!」
男は持っていた大きなバールを振り上げ、橋本さんに向かって一直線に走り始めました。
「うおーっ!」
男は明らかに橋本隊員に危害を加えるつもりです。それを見て橋本隊員は不気味に笑いました。
「あは、こりゃあ正当防衛成立だな」
橋本隊員はさっとレーザーガンを取り出し、男の頭部を撃ちました。男の首から上が木端微塵に吹き飛び、走っていた男の身体はスローモーションのようになり、最後崩れ落ちました。頭がなくなってしまった男の首から、血がドクドクと流れて出てきます。それを見て軽自動車の後部座席に座ってた女の子がまたもや悲鳴を上げ、その場にへたりこんでしまいました。それ以外の5人も、かなりびびってます。軽自動車を運転してきた男の発言です。
「レ、レーザーガン? レーザーガンてテレストリアルガードしか持ってない武器だろ? お前ら、テレストリアルガードの隊員なのかよ?」
それに橋本隊員が対応しました。
「だったら、どうする?」
1.5ボックス車の男は、隣りのムービーカメラを持った男を見て、
「バカか? こっちは一部始終録画してあるんだよ! 全部ようつべに公開してやるからな!」
と、ここで謎の声が。
「おいおい、ようつべに上げるときは、編集しちゃだめだぞ。ありのままを上げろよ」
6人は驚き、その声がした方向を見ました。
「な、なんだ、今の声は?」
すると木陰からムービーカメラを持った私服の寒川隊員が現れました。
「こっちだって、録画してあるんだよ」
軽自動車の男はほぞを噛みました。
「くそーっ!」
5人はハンマーやバールなどを放棄して、2台のクルマに向かって逃げ出しました。
「覚えてろよ!」
腰砕け状態だった女の子は、慌てて立ち上がり、この5人のあとを追い駆けました。
「待って! 待ってよーっ!」
1.5ボックス車のクルマが走り出し、ワンテンポ遅れて軽自動車が走り始めました。それを橋本隊員・倉見隊員・寒川隊員が見送ってます。橋本隊員はスマホを取り出し、電話をかけました。
「あ、隊長・・・ やつらは帰りました・・・ はい、1人殺しました。大丈夫ですかねぇ?」
テレストリアルガードサブオペレーションルームです。隊長がテーブルに座って固定電話に出ています。
「ふっ、何か問題が起きたら、いろいろと手を回してやるよ。こっちは法務省や最高裁にもつてがあるんだ」
再び橋本隊員です。
「ふ、期待してますよ」
橋本隊員はスマホを切りました。
「さて、帰るとするか」
橋本隊員はリモコンを取り出して、それを右手に持って、頭上高く掲げました。すると橋本隊員の頭上にストーク号がこつ然と現れました。どうやら認識ステルス機能で隠していたようです。橋本隊員は倉見隊員と寒川隊員を見て、
「さ、帰ろっか」
2人が返事しました。
「はい」
再びテレストリアルガードサブオペレーションルームです。テーブルに座ってる隊長が巾着のような小さな布製の小袋を取り出しました。隊長はその小袋をテーブルの上でひっくり返しました。すると小さな石ころが出てきて、テーブルの上を転がりました。隊長はその小石を持つと、ニコッと笑い、その小石をぎゅっと握りました。その瞬間隊長の顔が真剣になりました。何か念を込めてるようです。
片側が深い崖の山道です。1.5ボックス車が逃げるように走ってます。その車内です。ドライバーがうだうだと文句を言ってます。
「くそーっ、テレストリアルガードてオレたち地球人を守ってくれる組織だろ? なんでそんな組織に殺されなくっちゃいけないんだよ?」
助手席に座ってる男は、さっきまで録画してたムービーカメラを見て、
「ともかくこの映像をようつべに上げるよ。テレストリアルガードの凶行を日本人全員に見てもらうんだ!」
と、このクルマの行く先に、路上に佇む人影が見えてきました。黒装束で黒いフードをかぶった男です。手には死神のような鎌が見えます。どうやらあのブサメンを殺した怪物のようです。
「な、なんだよ、ありゃ?」
黒装束の男がジャンプして、クルマに向かって飛んできました。それを見てこのクルマを運転している男が驚きました。
「ええ?」
黒装束の男のフードが風圧で飛びました。その瞬間一つ眼のドクロの顔が思いっきりあらわになりました。それを見て車内にいる4人全員が恐怖に包まれました。
「バ、バケモノだーっ!」
怪物が鎌を振り上げました。そして鎌をスイング。鎌は窓ガラスやハンドルをスルーして、運転している男を袈裟斬り。男の身体に衝撃が走ります。
「うぐっ!」
クルマはコントロールを失い、崖の方へ。助手席の男が悲鳴をあげます。
「うぎゃーっ!」
クルマがガードロープを突き破り、そのまま落下。途中崖から突き出てる岩にバウンドし、さらに下の川へ。そして川のほとりの大きな岩石に激突し、大爆発。
「ふ、ちょうどいい明るさだ」
それに軽自動車の助手席に乗っていた男が応えました。
「こりゃあ、懐中電灯はいりませんねぇ」
1.5ボックス車を所有する男が、自身のクルマのハッチバックを開けました。男はそこからハンドブレーカーを取り出し、抱え上げました。ほかの男4人はそれぞれ巨大ハンマーと巨大バールを手に取りました。女の子2人は1台の発電機を2人がかりで持ちました。2人で両端を持つという感じです。
「よし、行くぞ!」
7人が駐車場の奥にある石碑、宇宙人受難之碑に向かって歩き始めました。1.5ボックス車を運転してきた男が、隣りを歩く男を見てはっとしました。その男はムービーカメラで撮影しながら歩いてるのです。
「お、おい、まさかライブ配信してるんじゃないだろうなあ?」
男は笑いながら応えました。
「まさかあ~ オレたちゃこれから違法行為を行うんですよ。そりゃあライブ配信できないでしょ。編集で顔は消して、あとでようつべに上げるんですよ」
「あは、そっかぁ。ま、ふつーに考えたらライブ配信はしないよなあ。あははは」
7人が石碑に近づいてきました。と、そのとき謎の声が。
「ようやく来たか、ずいぶん待たせやがって!」
その声で7人の歩みが止まりました。軽自動車の後部座席に乗ってた女の子は、特にびびってます。
「な、なんなのよ、これ?」
石碑の両側からそれぞれ1つずつ人影が出てきました。先ほどの女の子は思わず発電機を落とし、悲鳴を上げました。
「きゃーっ!」
軽自動車を運転してきた男が、
「だれだ!」
月灯りが2人の顔を照らしました。それは私服姿の橋本隊員と倉見隊員でした。再び軽自動車を運転してきた男の発言です。
「お前ら、警察か?」
倉見隊員の発言です。
「いや、警察じゃないな」
橋本隊員の発言です。
「お前ら、凶器準備集合罪て知ってるか? オレたちゃ警察じゃなくても、お前らを現行犯逮捕できるんだぜ」
それに軽自動車の助手席に乗ってた男が過剰に反応しました。
「ふざけんな!」
男は持っていた大きなバールを振り上げ、橋本さんに向かって一直線に走り始めました。
「うおーっ!」
男は明らかに橋本隊員に危害を加えるつもりです。それを見て橋本隊員は不気味に笑いました。
「あは、こりゃあ正当防衛成立だな」
橋本隊員はさっとレーザーガンを取り出し、男の頭部を撃ちました。男の首から上が木端微塵に吹き飛び、走っていた男の身体はスローモーションのようになり、最後崩れ落ちました。頭がなくなってしまった男の首から、血がドクドクと流れて出てきます。それを見て軽自動車の後部座席に座ってた女の子がまたもや悲鳴を上げ、その場にへたりこんでしまいました。それ以外の5人も、かなりびびってます。軽自動車を運転してきた男の発言です。
「レ、レーザーガン? レーザーガンてテレストリアルガードしか持ってない武器だろ? お前ら、テレストリアルガードの隊員なのかよ?」
それに橋本隊員が対応しました。
「だったら、どうする?」
1.5ボックス車の男は、隣りのムービーカメラを持った男を見て、
「バカか? こっちは一部始終録画してあるんだよ! 全部ようつべに公開してやるからな!」
と、ここで謎の声が。
「おいおい、ようつべに上げるときは、編集しちゃだめだぞ。ありのままを上げろよ」
6人は驚き、その声がした方向を見ました。
「な、なんだ、今の声は?」
すると木陰からムービーカメラを持った私服の寒川隊員が現れました。
「こっちだって、録画してあるんだよ」
軽自動車の男はほぞを噛みました。
「くそーっ!」
5人はハンマーやバールなどを放棄して、2台のクルマに向かって逃げ出しました。
「覚えてろよ!」
腰砕け状態だった女の子は、慌てて立ち上がり、この5人のあとを追い駆けました。
「待って! 待ってよーっ!」
1.5ボックス車のクルマが走り出し、ワンテンポ遅れて軽自動車が走り始めました。それを橋本隊員・倉見隊員・寒川隊員が見送ってます。橋本隊員はスマホを取り出し、電話をかけました。
「あ、隊長・・・ やつらは帰りました・・・ はい、1人殺しました。大丈夫ですかねぇ?」
テレストリアルガードサブオペレーションルームです。隊長がテーブルに座って固定電話に出ています。
「ふっ、何か問題が起きたら、いろいろと手を回してやるよ。こっちは法務省や最高裁にもつてがあるんだ」
再び橋本隊員です。
「ふ、期待してますよ」
橋本隊員はスマホを切りました。
「さて、帰るとするか」
橋本隊員はリモコンを取り出して、それを右手に持って、頭上高く掲げました。すると橋本隊員の頭上にストーク号がこつ然と現れました。どうやら認識ステルス機能で隠していたようです。橋本隊員は倉見隊員と寒川隊員を見て、
「さ、帰ろっか」
2人が返事しました。
「はい」
再びテレストリアルガードサブオペレーションルームです。テーブルに座ってる隊長が巾着のような小さな布製の小袋を取り出しました。隊長はその小袋をテーブルの上でひっくり返しました。すると小さな石ころが出てきて、テーブルの上を転がりました。隊長はその小石を持つと、ニコッと笑い、その小石をぎゅっと握りました。その瞬間隊長の顔が真剣になりました。何か念を込めてるようです。
片側が深い崖の山道です。1.5ボックス車が逃げるように走ってます。その車内です。ドライバーがうだうだと文句を言ってます。
「くそーっ、テレストリアルガードてオレたち地球人を守ってくれる組織だろ? なんでそんな組織に殺されなくっちゃいけないんだよ?」
助手席に座ってる男は、さっきまで録画してたムービーカメラを見て、
「ともかくこの映像をようつべに上げるよ。テレストリアルガードの凶行を日本人全員に見てもらうんだ!」
と、このクルマの行く先に、路上に佇む人影が見えてきました。黒装束で黒いフードをかぶった男です。手には死神のような鎌が見えます。どうやらあのブサメンを殺した怪物のようです。
「な、なんだよ、ありゃ?」
黒装束の男がジャンプして、クルマに向かって飛んできました。それを見てこのクルマを運転している男が驚きました。
「ええ?」
黒装束の男のフードが風圧で飛びました。その瞬間一つ眼のドクロの顔が思いっきりあらわになりました。それを見て車内にいる4人全員が恐怖に包まれました。
「バ、バケモノだーっ!」
怪物が鎌を振り上げました。そして鎌をスイング。鎌は窓ガラスやハンドルをスルーして、運転している男を袈裟斬り。男の身体に衝撃が走ります。
「うぐっ!」
クルマはコントロールを失い、崖の方へ。助手席の男が悲鳴をあげます。
「うぎゃーっ!」
クルマがガードロープを突き破り、そのまま落下。途中崖から突き出てる岩にバウンドし、さらに下の川へ。そして川のほとりの大きな岩石に激突し、大爆発。