のどかなケイバ

一口馬主やってます

死神 Lovely Death 1

2017-08-31 10:38:22 | 小説
 もう12月・・・ オレはいまだに就活中。困ったものだ。そろそろ本気で就職先を決めないと!
 てなわけでいろんな会社を訪問してみたが、これがまったくのダメダメのダメ。オレのオツムじゃ一流企業はハナっからムリだとわかっていたが、中小企業も全部ダメだったなんて・・・ 完全に想定外っす。今もまた会社訪問してきたが、この会社もムリっぽいなあ・・・
 いっそうのこと大学院に進学するかな・・・ いや~ オレのオツムじゃ、そっちもとうていムリだと思う。やっぱ地道に就職先を探すか・・・

 会社訪問の帰り、ちょっと寄り道をして駅前の本屋に入ってみた。暇潰しでいつも寄ってる大きな本屋だ。中に入ってビジネス書を手にするかと思いきや、いつものコミック本のコーナーである。ま、これくらいの余裕があってもいいじゃないのか。
 ほんとうは立ち読みしたいんだが、今のコミック本はみんなビニール袋に入ってるから、読むことはとうていムリ。表紙を見て中身を想像するくらい。さ~て、どれにするかな・・・
 と、隣りにいるいる2人の男子高校生の声が聞こえてきた。どうやら1人の高校生がビニールに包まれたコミック本をもう1人に見せてるようだ。
「これ、どんな話だっけ?」
「さあ、もらっちゃえば」
「あは、そうだな」
 と言うと、なんとその男子高校生は自分のカバンの中にその本をポイっと放り込んでしまったのだ。これってもしや万引き? いや、完全に万引きだろ!
 オレは何か言おうとしたが、オレの心の中にいるもう1人のオレがそれを阻んだ。相手はふつーの高校生に見えるが、万引きを平然とやってのける高校生だ。そんなことしたら何されるのかわからんぞ!
 万引き高校生たちは外に向かって歩き出した。オレはちょっとフリーズしてたが、無意識のうちにやつらを追いかけていた。

 エントランスの自動ドアを開けると、さっきの高校生の前に1人の初老だけどガタイのいい男が立ちふさがっていた。どうやら万引きGメンのようだ。その背後には厳しい眼の20代の女性が立っていた。どうやら彼の相棒らしい。よかった、やつらの悪事は阻止されそうだ。
「君たち、カバンの中に会計してない本が入ってるようだが?」
 その質問にやつらはシラを切った。
「さあ」
「ちょっと見せてくれないか?」
 万引きGメンが高校生のカバンに手を伸ばした。その瞬間、もう1人の高校生が万引きGメンの身体に当身を喰らわした。いや、こりゃあ当身じゃないぞ、いったい何をやったんだ?・・・ と、思ったら、万引きGメンの身体がゆっくりと崩れ落ちた。高校生の手には血だらけのナイフが。なんと高校生は万引きGメンを刺したのだ。
「きゃーっ!」
 万引きGメンの相棒の女が、思いっきり悲鳴を上げた。こりゃあもう修羅場だ。とんでもないものを目撃しちまったぞ!
「来い!」
 万引きGメンを刺した高校生は、万引きした高校生の手を握って駆け出した。あたりがざわついた。オレはというと、なぜか意味もなくへたれこんでいた。情けないぞ、オレ。何もできないのかよ、オレ・・・
 オレはなんとか立ち上がると、別方向に駆けだした。別に逃げる必要はないのだが、なぜか駆けていたのだ。

 路地を曲がると、オレは立ち止まった。ひどく荒い息だ。オレは両膝に両手を載せ、荒い息を整えた。なぜか無性に悔しかった。
 ふと足下を見ると、何やらドス黒いノートが落ちていた。B5くらいの大きさのノートだ。こ、これはもしや、デ×××ト? もしデ×××トなら、さっきの男子高校生たちの名前を書き込んでやる! そうしないとオレの気持ちが晴れないのだ!
 オレは意を決すると、そのノートに手をかけた。
「ノート、返して!」
 その瞬間、ふと声が聞こえてきた。そうだ、デ×××トを拾うと、その本来の持ち主の死神を見ることができるんだ。これはきっと死神の声だ!
 オレは顔を上げた。そこに死神がいるはずだ。が、そこにいたのは9歳くらいのかわいい女の子だった。でも、何か変だ。全身真っ黒い水着のような服装、いや、ボンデージと言った方がいいかな? ともかく9歳児とは思えないきわどいファッションなのだ。
「そのノート、返してよ!」
「君は?」
「見てわからないの? 死神よ!」
「ええ・・・」
 これが死神? 今はこんな小さな女の子が死神やってんのか? うそだろ。
「ねぇ、ノート返してよ!」
 女の子、いや、死神が語気を荒げてきた。でも、こんなチャンス、二度とないはず!
「嫌だね」
「どうして?」
「オレは今どうしても殺したいヤツがいるんだ。そいつの名前を書かせろ!」
「何言ってんの?」
「これ、デ×××トだろ?」
「バカ」
 かわいい死神はプッと噴き出した。
「それは近々死ぬ人の名簿よ。それを見て私たち死神は仕事するの。あなたが持ってても全然意味がないじゃん!」
 近々死ぬ人の名簿・・・ んじゃあ、これに名前を書き込めば、やっぱそいつは死ぬってことじゃんか! やっぱこいつはデ×××トだ!
 オレはジャケットの内ポケットからボールペンを取り出した。さっきの万引き野郎の名前を書こうと思ったのだ。が、ここで大事なミスに気付いた。やつらの名前がわからないのだ。これじゃあ、ぜんぜん意味がないじゃん。
「何やってんのよ! ねぇ、ノート返してよ!」
 かわいい死神はいらついてきたようだ。
「嫌だ!」
 オレはそれしか言えなかった。が、ここでいいことを思いついた。
「じゃ、お前がやつらを殺してくれよ?」
「殺す? 誰を?」
「さっき万引きして、店員を刺し殺した男子高校生だよ」
 いや、店員が死んだかどうかまでは確認してないけど。
「知らないわよ、そんなの!」
 死神はそう言い放った。つれないやつだなぁ。ま、あの事件のことなんか、知ってるはずがないよな・・・ やつは言葉を続けた。
「だいたい私は死神よ。悪魔じゃないの。死んだ人や死ぬ間際の人から命を奪うことはできるけど、ピンピンしてる人から命を奪うことは絶対できないわよ。
 ねぇ、いい加減、そのノート、返してよ!」
 ヤツはさらにイライラしてきた。でも、オレもこのまま引き下がる気は毛頭なかった。
「じゃあ、何か代わりのものを出してくれよ!」
 かわいい死神は困ってしまったようだ。ちょっと考えると、こう言った。
「じゃ、1ついいことを教えてあげる。教えてあげるから、絶対ノート返してよ!
 私たち死神は死にそうな人の前に行くと、まずその人がどういう状況にあるのか確認するの。
 もし死ぬ間際だったら枕元に立つ。死んだら魂が抜け出すから、すぐさま回収できるように枕元に立つの。こうなったらもうおしまい。誰であろうと、死神を邪魔することは絶対できないわ。
 でも、死ぬまでにまだ余裕があると見たら、足元に立つ。足元からマイナスのエネルギーを放って、ムリに命を縮めてやるの。それに他の死神に、こいつは私の獲物だってアピールにもなるしね。
 そんな死神を見かけたら、こう呪文を唱えるの。
 クルクルバビンチョ パペッピポ ヒヤヒヤドキッチョの モーグタン!」
 おいおい、なんだよそれ? どこかで聞いたことがある呪文だぞ。だいたいなんで1文字だけひらがなが入ってるんだよ。こいつ、オレをバカにしてるんのか?
「この呪文を唱えたら死神は強制的に引き剥がされるから、その人の命は護られるはずよ」
 ほ、ほんとかよ? どう考えても眉唾もんだろ、それ。けどオレは、反射的にその呪文をつぶやいていた。
「クルクルバビンチョ パペッピポ ヒヤヒヤドキッチョの モーグタン!」
 次の瞬間、かわいい死神は消えてしまった。おいおい、なんだよ、これ? まじホンモノの呪文だったのかよ?
 でも、デ×××トはオレの手に握られたままだ。あいつ、間抜けなやつだなぁ。大事なデ×××トを回収する前に秘密の呪文を教えちまうなんて。やっぱ子どもだったんだな。
 このデ×××ト、大事に使わせてもらうぜ。オレは持ってたカバンにそのノートを仕舞い込み、意気揚々と歩き出した。

17/08/28付我がPOGの順位

2017-08-30 17:05:40 | POG17-18
文中、◎は馬トクPOGグランプリの指名馬、▲はJRA-VANの指名馬、△はnetkeibaの指名馬、▼はUMAJIN地獄モードの指名馬です。

この土日我がPOG指名馬は、新馬戦に◎▼バブリーバローズと◎▲シグナライズが登場。◎▼バブリーバローズは見事1着、◎▲シグナライズは3着。未勝利戦に出走した△トーセンアンバーは1着でした。

今週は未勝利戦に▼タマモリングが出走を予定してます。

現在の我がPOGの順位です。

馬トクPOGグランプリ(15頭指名可)4,840P/411位
①牝アントルシャ 父ノヴェリスト  母アソルータ 栗東池添学厩舎 キャロットファーム
700P
②牡ヘッドストリーム 父ダイワメジャー 母アシュレイリバー 美浦武井亮厩舎 犬塚悠治郎
0P
③牡レイエンダ 父キングカメハメハ 母ラドラーダ 美浦藤沢和雄厩舎 キャロットファーム
700P
④牝トラヴィアータ 父Shamardal 母オペラクローク 美浦藤沢和雄厩舎 HHシェイクモハメド
0P
⑤牝シーリア 父キングカメハメハ 母シーザリオ 栗東角居厩舎 キャロットファーム
⑥牡マイネルファンロン 父ステイゴールド 母マイネテレジア 美浦手塚貴久厩舎 サラブレッドクラブラフィアン
⑦牡トゥザフロンティア 父ロードカナロア 母トゥザヴィクトリー 栗東池江泰寿 キャロットファーム
700P
⑧牝ナスノシンフォニー 父ハーツクライ 母ナスノシベリウス 美浦武井亮厩舎 那須野牧場
700P
⑨牝アロハリリー 父ハーツクライ 母ハワイアンウインド 栗東高野友和厩舎 吉田勝己
⑩牝シグナライズ 父Frankel 母ワイルドココ 栗東藤原英昭厩舎 ロードホースクラブ
180P
⑪牡バブリーバローズ 父ステイゴールド 母バブリームード 栗東池江泰寿厩舎 猪熊広次
700P
⑫牡フォックスクリーク 父ディープインパクト 母クロウキャニオン 栗東中内田充正 金子真人ホールディングス
⑬牡マイスターシャーレ 父ディープインパクト 母ウィステリアアーチ 栗東松田国英 山紫水明
180P
⑭牡フラットレー 父ハーツクライ 母リッチダンサー 美浦藤沢和雄厩舎 キャロットファーム
700P
⑮牝アーモンドアイ 父ロードカナロア 母フサイチパンドラ 美浦国枝栄厩舎 シルクレーシング
280P

JRA-VAN(10頭指名可)22,800,000P/12,004位
①牡アメイジングセンス 父ハーツクライ 母ヴォルドニュイ 栗東角田晃一厩舎 ノースヒルズ
0P
②牝アロハリリー 父ハーツクライ 母ハワイアンウインド 栗東高野友和厩舎 吉田勝己
③牝アントルシャ 父ノヴェリスト 母アソルータ 栗東池添学厩舎 キャロットファーム
7,000,000P
④牝シグナライズ 父Frankel 母ワイルドココ 栗東藤原英昭厩舎 ロードホースクラブ
1,800,000P
⑤牝トラヴィアータ 父Shamardal 母オペラクローク 美浦藤沢和雄厩舎 HHシェイクモハメド
0P
⑥牡フラットレー 父ハーツクライ 母リッチダンサー 美浦藤沢和雄厩舎 キャロットファーム
7,000,000P
⑦牡レイエンダ 父キングカメハメハ 母ラドラーダ 美浦藤沢和雄厩舎 キャロットファーム
7,000,000P

netkeiba(10頭指名可)3,380P/2,058位
①牝トーセンアンバー 父ディープインパクト 母ワルツオブキャット 美浦菊沢隆徳厩舎 島川隆哉
770P
②牡ジナンボー 父ディープインパクト 母アパパネ 美浦堀宣行厩舎 金子真人ホールディングス
710P
③牡ミッキーマインド 父ディープインパクト 母マイグッドネス 栗東音無秀孝 野田みづき
710P
④牡ワグネリアン 父ディープインパクト 母ミスアンコール 栗東友道康夫 金子真人ホールディングス
710P
⑤牡ロードマドリード 父ディープインパクト 母キャサリンオブアラゴン 栗東角居勝彦 ロードホースクラブ
290P
⑥牡マイスターシャーレ 父ディープインパクト 母ウィステリアアーチ 栗東松田国英厩舎 山紫水明
190P

UMAJIN地獄モード(5~10頭指名可)7,460P/74位
①牝トロワゼトワル 父ロードカナロア 母セコンドピアット 栗東安田隆行厩舎 社台レースホース
1,400P
②牡アメイジングセンス 父ハーツクライ 母ヴォルドニュイ 栗東角田晃一厩舎 ノースヒルズ
0P
③牡タワーオブロンドン 父Raven's Pass 母スノーパイン 美浦藤沢和雄厩舎 HHシェイクモハメド
1,720P
④牡ロードマドリード 父ディープインパクト 母キャサリンオブアラゴン 栗東角居勝彦厩舎 ロードホースクラブ
280P
⑤牝アントルシャ 父ノヴェリスト  母アソルータ 栗東池添学厩舎 キャロットファーム
700P
⑥牡バブリーバローズ 父ステイゴールド 母バブリームード 栗東池江泰寿 猪熊広次
700P
⑦牡ロードイグニス 父ハービンジャー 母テツユックン 美浦木村哲也厩舎 ロードホースクラブ
220P
⑧牝デルマキセキ 父Scat Daddy 母Tashawak 栗東友道康夫厩舎 浅沼廣幸
2,440P
⑨牡タマモリング 父ブラックタイド  母タマモピアス 栗東池添学厩舎 タマモ
0P

死神 Lovely Death 序章

2017-08-29 10:44:42 | 小説
長い間当ブログに上げ続けたSF小説「女神」 現在文章化してある「女神」は昨日ですべて上げてしまいました。ま、その後も添削を続けていて、特に5話「神の国を侵略した龍」は、ちょっと違う話になってます。
以前6話はプロットさえ作ってないと書きましたが、今はプロットはできてます。でも、それに肉付けして文章化する気は今のところないので、たぶん3ヶ月は発表はないと思います。
となると、明日からしばらく挙げるネタはなくなります。当ブログは立ちあげてからずーっと毎日何かを書いてきましたが、それもお終い。それだと面白くないので、他の小説を上げようと思います。
以前旧ブログに上げた小説「死神」 これもかなり添削してまして、その後も他のHPで1度上げたのですが、その後もさらに大幅に添削してあります。明後日からしばらくは、その小説を上げようと思います。
「死神」とは明治時代に書かれたスタンダードな落語のタイトルです。それを現代風に大幅に改変しました。タイトルも「死神 Lovely Death」としてます。

明日は競馬の話を上げるので、明後日から話を始めます。

女神「神の国を侵略した龍」7

2017-08-28 17:38:49 | 小説
 ヘロン号がミサイルを発射。そのミサイルが怪獣から見て、左斜め上から飛んできます。怪獣が軽く火焔を吐くと、ミサイルは四散しました。怪獣は心の中で叫びました。
「ふふ、1対1じゃ、真後ろを取られなければ絶対勝負になる!」
 ヘロン号のコックピットの橋本隊員。
「ちっ、こっちの動きは完全に読まれてるなぁ・・・ じゃ、これはどうだ?」
 ヘロン号が怪獣に向かって急降下して行きます。怪獣はそれを見上げました。
「今度はなにをする気?」
 橋本隊員が叫びました。
「ガトリング砲発射!」
 ヘロン号がガトリング砲発射。それに対し、怪獣も火焔を吐きました。
「甘いんだよ!」
 すると、なんと火焔がガトリング砲の20mm銃弾を消し去ってしまいました。ヘロン号が旋回。コックピットの橋本隊員が横目で怪獣を追いながら
「くそーっ! ガトリング砲も効かないのかよ!」
 そのヘロン号を怪獣が眼で追ってます。
「よーく狙って撃てば、絶対当たるはず!」
 怪獣がまたもや火焔を吐きました。それをきりもみ回転で逃げるヘロン号。その瞬間橋本隊員が得意顔を見せました。
「おっとーっ!」
「そこだ!」
 怪獣は火焔を吐いたまま、首を少し振りました。ヘロン号の目の前に火焔が。
「うわっ!」
 ヘロン号が空中で大爆発。その直後、2つの落下傘が降りてきました。橋本隊員と倉見隊員です。橋本隊員は悔しがってます。
「くそ・・・」
 怪獣は振り向き、ストーク号を見ました。それに気づいて、寒川隊員と上溝隊員は焦りました。
「ええ~!」
 怪獣はニヤっとしました。
「次はお前だ」
 寒川隊員は叫びました。と言っても、かなりうわずった叫びです。
「に、認識ステルス機能発動!」
 するとストーク号は消滅しました。
「ふっ、またへんちくりんな魔法を使いやがって! これでどーだ!」
 怪獣は火焔を吐きながら、360度回転。途中火焔が何かにヒットし、爆発。そこからストーク号が現れ、火を噴きながら墜落していきます。コックピットでは寒川隊員も上溝隊員も気を失ってます。その光景を橋本隊員が見ています。その橋本隊員は針葉樹のかなり高いところに落下傘が引っかかってしまい、ぶら下がっている状態になってました。
「や、やばい・・・」
 が、ここで1つの大きな人影が現れました。その人影が燃え盛るストーク号を両手でキャッチ。その人影は巨大化した女神隊員でした。橋本隊員は喜びました。
「よし!」
 女神隊員はそのまま湖まで走り、ストーク号を湖面につけ、ストーク号を消火。女神隊員がここでつぶやきました。
「ふーっ、間に合った・・・」
 女神隊員がストーク号を湖畔に置くと、横からの視線を感じました。女神隊員が振り向くと、怪獣が自分をにらんでました。
「ふふ、ついに来たか。
 私はお前を殺す。神に殺された仲間の恨みを晴らしてやる!」
 女神隊員も怪獣をにらみます。
「あいつには光線技は一切効かない。となると、残る手は・・・」
 怪獣が軽く火焔を吐きました。女神隊員はそれを軽く交わしました。怪獣は再び火焔を吐き、女神隊員は再び交わしました。怪獣は思いました。
「ふふ、ここじゃ、ブレスは有効打にはならないか・・・ ま、自分で選んだ場所だ。できる範囲でお前を倒してやる!」
 怪獣は翼をはためかせました。そして浮上し、女神隊員に突っ込んでいきます。女神隊員はぶつかる寸前、さっと横に避けました。通り過ぎた怪獣は、直後口の中で炎を溜めます。
「ここで決める!」
 怪獣は振り向きざま火焔を吐きました。
「死ねーっ!」
 が、そこには女神はいません。怪獣は焦りました。
「ええ?・・・」
 女神隊員は怪獣の上で大きくジャンプしてました。その手には剣が握られています。女神隊員は剣を下にして墜ちてきました。そして・・・
 女神隊員の剣は怪獣の左側の翼の付け根にぐさりと刺さりました。そのまま2つの身体は絡み合って地面に激突。その瞬間剣はさらに深く刺さり、怪獣は悲鳴をあげました。
「うぎゃーっ!」
 一方女神隊員の身体は山肌を転がり、ダム湖に落ちてしまいました。怪獣は消え消えの意識の中で、湖畔の道路に手をかけ、陸に上がろうとしている女神隊員を見ました。
「あは・・・ やっぱり女神だ、とっても強いや・・・」
 怪獣は最後の力を振り絞って、翼をはためかせ、浮上しました。と、怪獣の目の前に巨大な魔法円が現れました。
「ここには何もなかった。あったのは私の敗北だけだった・・・」
 怪獣は魔法円の中に入っていきました。そして魔法円は消えました。女神隊員はそれを見上げてました。

 それから数時間後、大病院の1人部屋の病室のベッドに上溝隊員が寝かされてます。その左足には骨折治療用のコルセットがあります。顔面右半分は包帯で覆われてます。上溝隊員はつぶやきました。
「ああ、もう・・・」
 別の1人用の病室のベッドに寒川隊員が寝かされてます。その左腕には骨折治療用のコルセットがあります。寒川隊員はつぶやきました。
「くそーっ・・・」
 別の1人用の病室のベッドに倉見隊員が寝かされてます。その右脚には骨折治療用のコルセットがあります。倉見隊員はつぶやきました。
「参ったなあ・・・」
 別の1人用の病室のベッドに橋本隊員が寝かされてます。その右腕には骨折治療用のコルセットがあります。橋本隊員が申し訳なさそうに発言しました。
「すみません・・・」
 その橋本隊員を香川隊長が見てます。隊長は車いすに乗ってました。
「まったくお前ら、揃いも揃って・・・ おまえらのせいでオレは今日退院になったよ。まだ1週間は寝てなくっちゃいけないのにさ・・・」
「女神がいるじゃないですか」
「あは、あいつはストーク号の免許もヘロン号の免許も持ってないし、それ以前にクルマの免許も持ってないんだぞ。そーいや、さっき警察から抗議の電話が来たなあ。あいつ、バイクを盗んだうえに、そのバイクを無免許で乗り回したんだそうだ」
「バイクを? それで現場に来たんですか?」
「ああ、その通り。正当な理由でバイクを盗んで、無免許で乗ったんだ。いくらなんでもこれは問題ないだろ。この抗議は無視することにしたよ」
 隊長は車いすを回転させました。
「じゃ、今から退院の手続きをしてくるよ」

 すでにあたりは暗くなってます。ここは病院の玄関の前です。今自動ドアが開き、白いワンピース・白い帽子姿の女性と、杖(ロフストランドクラッチ)をついた私服姿の隊長が出てきました。それを遠くから見ている報道カメラマンたちが色めき立ちました。
「お、おい、あれはテレストリアルガードの隊長じゃなのいか?」
「じゃ、隣りにいる女はヘルメットレディ?」
 カメラマンたちは慌ててシャッターをバシャバシャと切り始めました。
「よーし、特ダネだ!」
 2人の前にタクシーが停まりました。白い帽子の女は、タクシーのトランクに持っていたかばんを入れました。女がトランクを閉めると、隊長はその女に会釈しました。女も帽子を取って会釈しました。するとその女の眼はふつーに2つありました。それを見てカメラマンたちはがっくしです。
「ちっ、なんだよ。ふつーに眼が2つあるじゃないか」
 隊長が後部座席に座りました。タクシーが走り始めました。

 そのタクシーの車内です。今隊長の横に頭が1つすーっと現れました。それはウィッグをかぶった女神隊員です。実は女神隊員は始めっからタクシーに乗ってたのです。ずーっと頭を下げてて、ここでようやくふつーの姿勢になったようです。隊長はその女神隊員を見て、
「あんたも大変だなあ」
 女神隊員は白い帽子をかぶりながら、
「あは、もう慣れてきました」
 隊長はタクシーの運転士に話しかけました。
「あ、運転士さん。下溝通りと片倉通りの交差点に行ってくれないか」
 タクシーの運転士さんはテレストリアルガードの基地に行くつもりだったので、ちょっとびっくりです。
「ええ? あ、はい、わかりました」
 隊長は女神隊員の白い帽子に注目しました。
「ん? 今日はク○リの帽子じゃないのか?」
「私は精神崩壊したくないし、蜂の巣にもなりたくないし、自爆もしたくないし・・・」
「あは、そっか。でも、実はク○リは生きてたんだぞ」
「そうなんですか?」
「ま、次のシーンでは遺影になってたが」
「やっぱり死んでたじゃないですか」
 タクシーは快調に走ってます。隊長と女神隊員の会話は続いてます。女神隊員の質問です。
「あの怪獣はなんだったんでしょう?」
「さあな、オレもわからんよ。ま、これはオレの推測だが・・・
 あの怪獣はどこか別の次元からやってきたんじゃないかな? そしてまた別の次元に行った。たぶんあの怪獣は、次元の壁を平気で乗り越える能力を有してたんだろう」
「あの怪獣は死んだんでしょうか?」
「あは、さすがにそれはわからんなあ。どちらかと言えば、あの怪獣に剣をぶっ刺したあんたの方がわかるんじゃないのか?」
「あは、私にもわかりませんよ。でも、剣で刺したとき、意外と手応えはなかったんですよ」
「そっか。じゃ生きてんかもな」
 タクシーの運転士さんが隊長に呼びかけました。
「そろそろ言われた場所に着きますが?」
「ああ、そっか。じゃ、その信号の手前の駐車場に入ってくれないか」
 タクシーが言われた通り、駐車場に入りました。なんとそこは牛丼屋でした。それを見て女神隊員は唖然としてしまいました。
「あ、あの、隊長?・・・」
 隊長の側のドアが開きました。隊長はそこから降りる体勢です。
「塩分か? お前も上溝と同じこと言うのか?」
 女神隊員は呆れてしまいました。隊長はタクシーから降りました。
「塩分が濃いみそ汁さえ飲まなきゃ、別に問題はないだろ。先にテレストリアルガードの基地に帰っててくれ」
 タクシーが走り出しました。隊長は杖をつきながら店舗に向かいました。
「まったくどいつもこいつも、塩分を取るな、塩分を取るなって、うるさいんだよ! オレは1週間に1回牛丼を喰わないと、身体中にじんましんが出る体質なんだ!」
 隊長、そんな体質は聞いたことがないですよ。
 隊長は店舗に入りました。
「いらっしゃーい!」
 さっそく店員の威勢のいい声が響いてきました。隊長はイスに座りながら注文です。
「大盛1つ」
「はい、大盛1つ!」
 すぐに隊長の目の前に大盛の牛丼が運ばれてきました。隊長はさっそく箸を取りました。
「あは、ようやく好きなものが食えるぞ!」
 さっそく1口目。しかし、その瞬間隊長の顔色は変わりました。
「しょっぱい。なんてしょっばいんだ?・・・ オレは今までこんな塩の塊のようなものを喰ってたのか?・・・」
 隊長は1ケ月程度減塩料理を食べてきたせいか、減塩料理に身体が慣れてしまったのです。日本の外食産業は異様なほど料理に食塩を混ぜてます。減塩料理に慣れてしまった人からみたら、外食産業の料理のすべては食塩の塊なのです。
 隊長は残念な顔で箸を置きました。そして店員に話しかけました。
「すまないが、勘定してくれないか?」
「あ、はい・・・」
 店員は不思議な顔で隊長を見ました。
 隊長が店舗から出てきました。隊長はつぶやきながら杖をついて歩いて行きます。
「ひどい味だなあ・・・ ここはジェノサイド企業なのか?・・・」

2016年産募集馬、2頭目はどれにする?

2017-08-27 23:06:51 | 競馬
先日話した通り、キャロットクラブ2016年産馬募集で私はディアデラノビア2016に申し込むことにしました。私が今用意できる出資金は250,000円。ディアデラノビア2016は1口175,000円。となると、出資できる馬はあと1頭てところ。そこで私は3頭候補をピックアップしました。アナアメリカーナ2016・アマルフィターナ2016・ライツェント2016の3頭。しかし、いざ厩舎が発表されると、3頭ともイマイチな厩舎でした。ちょっと、いや、かなりがっくしです。
昨日キャロットさまからカタログが届きました。そこで、更な気持ちでもう1度全馬チェックしてみました。すると下記の6頭が浮かび上がりました。一部前述の3頭と重複しています。
募集番号・母の馬名・父の馬名・調教師・1口の金額の順で書いてます。
7アディクティド ハーツクライ 木村厩舎 75,000円
13スカーレットベル ロードカナロア 国枝厩舎 70,000円
28フォルテピアノ ディーププリランテ 萩原厩舎 50,000円
39ライツェント エンパイアメーカー 鹿戸厩舎 50,000円
48アナアメリカーナ ハーツクライ 斉藤崇史厩舎 70,000円
59ヒカルアモーレ ダイワメジャー 安田厩舎 55,000円

全頭牝馬です。この中で特にフォルテピアノ2016とヒカルアモーレ2016が気になってます。

フォルテピアノ2016の予想厩舎は萩原厩舎。我が一口愛馬では、アルファホールが萩原厩舎でした。アルファホールは父ディープインパクト、母の姉がディアデラノビアという超良血馬でしたが、箸にも棒にも掛からない駄馬でした。この馬でもっとも覚えてることと言えば、JRA最後のレースとなった3歳500万下。実はこの日アルファホールは最後の3歳未勝利戦に出走する予定でした。が、萩原師の目論見ミスで未勝利戦に出られず、古馬500万下のレースに。結果は散々。それをきっかけに私は、萩原師が信じられなくなりました。
ま、アルファホールはその後地方競馬に移籍しましたが、そこでもひどいありさまでした。それを考えたら、今は萩原師を許してもいいのかもしれませんね。
ただ、この馬の現在の体重は402kg。これはちょっと気になりますねぇ。ま、ディアデラノビア2016だって現在の体重は407kg、それを考えれば気にならないと言えば気にならないのですが。

ヒカルアモーレ2016の予想厩舎は安田隆厩舎。私は安田師は信じられる調教師だと思ってます。ただ、どうも私との相性が悪いようです。我が一口愛馬にフランベルジェという馬がいましたが、この馬もひどい駄馬でした。この馬を管理してた調教師は安田隆師。この馬に関してもは、安田師は何も悪くありませんでした。だから安田師にわだかまりはありません。
安田隆厩舎に入った我が一口愛馬と言えば、マーレーヒルもいましたねぇ。マーレーヒルが3歳の時にあの大震災がありました。そのせいでマーレーヒルのローテーションが組めず、安田師はかなり苦労してました。マーレーヒルに関しても安田師は何も悪くありません。
以上のように、私と安田師の相性は、どこか悪いようです。はたして私は今安田師に乗ってもいいのでしょうか?
この馬の体重は460kg。馬体重は申し分なし。キャロットさまの最新情報だと骨折したようですが、人間で言えば野球肘のようなもの。この時期に見つかったことを考えれば、デビューには何も差しさわりがないと思います。
ちょっと気になるのは、今私は、この馬の父ダイワメジャーに何も興味がないってところ。ま、この馬に出資する際は、再びダイワメジャーに興味を持つことにしますか。

フォルテピアノ2016にするのか、ヒカルアモーレ2016にするのか、それともほかの4頭にするのか、もうちょっと考えることにします。