最近、朝7時過ぎには起き、イヤートレーニングをやった後、軽い筋トレ、そして散歩を日課にしています。なるべく1万歩目指してます。散歩の時は、課題フレーズのシラブル(ドレミ)を歌いながら指を動かして12Keyの練習をしています。この練習を「エア・サックス」と呼び、生徒さんにも勧めてます。
こういう練習をしながらも、今のこの練習は果たして役に立つのか?という確認作業もしています。例えば、曲のコード進行を最初から思い浮かべて、今練習中のフレーズがとっさに出るか?という様なもの。ここで、暫く練習すれば出る可能性の有るものとそうでないものの差は割と明確です。で、いくら練習しても出なさそうなモノってのは、その練習システムに何らかの問題が有るわけで、それを盲目的に続ける事に何の意味も有りません。実践で使えなければ練習の為の練習でしかないので。
そういう練習は思い切って断捨離しましょう。
「有名プレイヤーが練習法として挙げていた。」「先輩(先生)に教わった練習法だから。」など様々な理由で今貴方がやってる練習法が一日の数時間を占領している事でしょう。しかし、そこに明確な目的が有るかどうかが最重要なのです。漠然と「あの有名プレイヤーみたいな演奏がしたい!」とかでは駄目です。その演奏をじっくり聴いて、何が自分に足りないか?を理解する必要が有ります。基本的な事でも構いません。いや、寧ろその方が重要です。
例えば僕の場合、ジョー・ヘンダーソンを聴いて、彼の様なアルペジオのアプローチが少ないと感じて、練習に取り入れて来ました。しかし、何年もの間、時間を費やす割には実践では出て来ず、無駄だと感じ、やり方を変えました。効果は覿面です。
何年も同じ練習をする事は、ある種の安堵感を生みます。これさえやっとけば…的な。しかし、効果が無いものはやはり無駄なのです。手っ取り早く効果が出る練習法を模索するべきです。長年やって来た練習法を捨てる事はかなり勇気が要る事ですが、50も過ぎると人生の残り時間を意識するし、今迄の無駄も経験上十分知り尽くしています。だから断捨離なのです。
無駄な練習を削ぎ落として、その分、重要な練習に変えるべきです。一日なんて短く練習時間には限りが有ります。散歩してると、様々なアイデアがどんどん湧いて来ます。「あ、この練習、良いのでは?」などと思ったら、増やすのではなく、意味のないと考えられる練習を削って、新しい練習にあてます。
ウォームアップと言われる練習も思考が停止している状態ではやる意味が有りません。ウォームアップにも目的意識がかなり重要です。
例えばロング・トーン。理想としている音色をイメージしてますか?呼吸法は正しく出来てますか?音程や音色は最後まで安定してますか?ビブラートや最後の音処理は計算通りでしょうか?スケール練習に移っても、ロング・トーンで培った音色は出ていますか?スケール練習では脳内でシラブルが歌えてますか?
特にシラブルを歌いながらスケール練習をする事は、後々「エア・サックス」で練習する上でとても重要になって来ます。
僕がバークリーやジェリー・バーガンジの元で学んだ事は「コンセプト・プレイ」、つまり、コピーしたフレーズをそのまま使うのではなく、レジェンド達が何故ここでこういう音使いをしたのかを分析して、そのコンセプトを用いてオリジナルのメロディーを編み出す…という手法でした。だからと言って、コピーしなくて良いという意味ではなく、それを上手く吹く以上に、分析と練習法の開拓が大切だという事です。
僕は一日に何枚ものレコードを聴きます。そして、自分にないものを発見するのが楽しくて仕方有りません。これも練習の一部だという事を肝に銘じて下さい。新しい効果的な練習法を発見するためにとても重要な事です。
それでも練習の良いアイデアが浮かばない…という方の為にレッスンが有ります。「こんな感じで吹きたい!」というのが明確に有れば、そのショートカットをお教えするのが僕の仕事です。
先日、「反復練習は種悪の根源」的なツイートを読みました。理由は考える事を放棄するから…と。よく分かりますが、僕は反復練習は必要だと思っています。ただ、やるからには、きっちりとシラブルを歌う事という条件がつきます。反復練習をしないとクリアにならない難しいキーやフレーズって有るものです。完全否定してしまうと、繰り返して練習すると駄目なんだ…とサボる生徒が増えるのが人情というもの。(笑)
こんな感じで、自分の演奏スキルアップを目指すと同時に、生徒さんに効果的なトレーニングを教えられる様、レッスンに於いてもスキルアップを目指してます。しかも生徒によってケースは千差万別。レベルや性格を見極めながら、何が効果的かを常に研究しております。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます