📌
未開であろうがあるまいが どの社会にも原図として、
指標、指針というものが必須だ。
それは食料確保と安全確保という大前提である。
そうでないなら、その社会は無秩序に彷徨うばかりであろう。
社会の運営は、大前提を巡って発生する多くの課題に対応するものだ。
共同社会が求める原図の第一は食料確保である。
同時に生活の安全である。
天変地異からの安全、害獣からの安全。
共同体内の犯罪からの安全。
他の共同社会の脅威からの安全。
独自の文化形成や科学知識の蓄積は、その過程で醸成されてくる。
為政者は、これらの必須条件を見据えた上で、
進む時代に対する先見性を持っていなければ、
強靭な柔軟な社会の未来を築くことができない。
会社の運営に例えれば、
単年度の収支決算の管理ばかりに気をとられているようでは、
その会社の未来に活力が産まれないのである。
国の安全を保つ上で、同盟や軍事力について議論は多い。
だが、それよりも声高に論じなければならないのは、
国の経営の前提となる、食料や資源や技術などの自立力である。
にもかかわらず、自給・自立力の政策論争が表立った議論として出てこない。
貿易で補ってるという長年の油断が、社会全体に漫然とある。
国際分業、国際協調という時流とはいえ、頻発する紛争、国家間の思惑、
異常気象などで、世界の調達状況は常に脅かされている。
今日の安定は明日の安定と安心できる状況ではない。
そうした事態をひとまず耐え抜くには、
一定の自給率、自立力を維持しておくことが国家の第一義である。
熱源や鉱物資源は言うに及ばず、食料さえ日本国の自給率はとても低い。
小学生でも知っている日本の事実である。
それを、ひたすら国際状況に大きく影響される貿易で補ってきている。
状況の変化で、もし供給側のイジワルに見舞われたでもしたら、もろい。
軍事力以前の混乱である。
貿易の方策にチエを使う片方では、
営々として国内自給率を高める長期の施策が必須である。
もっと政策の俎上に上げなければいけないはずだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます