「和歌と俳句」の章。「別墅(べっしょ)の竹房」(竹林のある屋敷)「最合井(もやいのゐ)」(共同の井戸)「釣瓶縄(つるべなわ)」(井戸の水汲み縄)「掃溜」(はきだめ)など子どもの頃耳で覚えたことばが活字になって登場する。疎開先・猿投村の光景が髣髴する。いまでは「ミーハー」とよぶ「みいちゃんお花ちゃん」の新語も知る。
「嗚呼何ぞ将棋、三絃、俳句の相似て、碁、筝、歌の相類するや」の一文が目に止まる。六技の分類。「前者は下等社会に行はれ、後者は上流社会に行はる」と。えらい上下社会分析やなあ、と思いつつ読みすすむと、前者は「新し」、後者は「古し」と。さらに俚耳に入り易いのが前者で、雅客の興に乗るのが後者ともいう。いまではそんな分け隔てはしないぞ。と思いつつ読むとー“三絃(三味線)の糸は筝(琴)より少いが音は筝より多い、俳句は歌(和歌)より短いが変化は歌より多い”とか。複雑なよみ解き。そのオチは、俳句は入り難いが上達し易く、歌は入り易いが上達しがたい、と。ほんまかいな。
若い時だからこそできた大胆な分類と思う。しかし、そういうチャレンジ精神は老いも学ぶべし。写真上=津雲台の寒空。下=千里局花壇のハボタン。
ちぢみ居る葉牡丹に水そろりやる 昇龍子
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ノーやん
fm
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