日々感ずることを、徒然に書いています。ご笑覧あれかし。

言葉というもの、非常に興味があります。

Hさんのこと

2021-10-03 08:40:02 | 日記

我が家の「その部屋」に入るたびに、思い出す人がありました。

Hさん 日本人男性。年恰好は、そうですね、65歳くらいではないでしょうか。

まだ働いておられます。非常に勤勉。仕事もよくおできになると思います。

完全に「良い方」です。嘘をつかれませんし、十分信頼に足る方なんです。

というわけで、私、Hさんとお付き合い願っています。もう、かれこれ5年近くになりましょうか。

ただ、ここで、問題が一つあります。

Hさん、面白くない。魅力がないんですね。

一緒にいて、楽しいというわけではないのです。だいたい「冗談」というものを口にされませんし、我々の会話は、大体私の主導。

これで、お酒でも飲まれれば、話は違ってくるんでしょうが、「一滴もダメ」と来ています。ご一緒していると、なんとも時の経つのが遅いこと。ああ、退屈。さあどうしましょうか?

我が家の、「その部屋」とは、台所のことです。

機能の側面だけから言えば、全く問題はありません。そこに置いてあるもの、全てきちんと作動しますし、それに文句を言ってはいけません。

ただ、そこにいて、私、楽しいなどと思ったことは一度もありません。用事が終われば、さっさと出て行く。心をウキウキさせるものがないんですね。なんだか、事務所みたい。

一方、私の家の他の部分では、どこにいても、心が落ち着きます。結構楽しいんです。

私の今住んでいる家は、21年前に新築で買った建売住宅です。8戸連棟の一つ。立地条件も、家そのものも気に入っています。

尤も、比較的安いものでしたので、内装がなんともお粗末。嫌でしたが、そんな贅沢は言っておられません。とにかく、家を持たなくては、というわけで、友人と共同で買ったのです。

爾後16年、経済的な見通しがある程度ついたところで、いそいそと改装に取り掛かりました。

第一に手掛けたのは、勿論、一番嫌だった台所です。台所は、どんな家においても、しょっちゅう使われるところですしね。

しかし、困ったことがありました。その時点で、自分に、どれほどの経済的余裕があるのか、的確な予測がつかなかったのです。

したがって、それほど多額の金は出せませんでした。

結果的に、それがいけなかった。出来上がりは、機能的だけれど、味もシャシャリもない事務所みたいな台所という始末です。

でも、文句は言っておられません。そんな事務所台所でも、使っていかなければ、。

台所の場合、その壁に貼るタイルで、結構オシャレができるんですが、この事務所のは、大きなベージュ色の正方形が、何枚か貼り付けてあるだけ。

あれは、改装を手がけた職人が、手を抜くために、そんなのを使ったのだとしか思われません。なんとも殺風景です。

それと、調理台に当る部分(working surface)は、分の厚い木材。本当は、全面、石にしたかったのですが、。

そういう事務所台所も、できてから、もう4歳半になりました。

この時点で、家の他の部分の改装は、もうほとんど全て終っています。

というわけで、ホッと一息吐いたところ。
しかし、同時に、事務所台所に対する鬱憤が再勃発してきました。

明日、台所の壁の大きなタイルを取り壊しに、職人さんが来られます。
そこには、石みたいな小さな、しゃれたタイルを貼り詰めます。おっしゃれ〜 。

調理台は、いうまでもなく、黒い石のピカピカするものを。

こういうのが、出来上がると、料理していても、楽しいでしょうよ。台所ばかりにいるかもしれません。

この改装が終ると、一度Hさんをお呼びしようと思っています。

でも、ご招待しても、期待とは裏腹に、何もおっしゃらないかもしれませんよ。

もっと極端に、改装に気づかれない可能性すらあります。

そういう人なんですわ、Hさんって。



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