昨日、英国では臨時休日。
故エリザベス女王のお葬式があったからである。
女王は8日(木)に亡くなった。それから、TV番組は、ほとんど女王関連のものばかり。
まあ、政府の要人とか、報道関係者には、女王の死期が近いということはわかっていた筈であるから、内々裏に、その一大事に対する準備は万端であったのだと思う。
それにしても、何という手際の良さか。
亡くなる2日前の6日(火)、女王は、英国の新首相、リズ トラス氏(女性)に謁見しておられる。
その様子をTVで観たが、杖をついておられるとはいうものの、女王、笑顔で新首相と握手を交わしておられたので、その2日後に亡くなるとは夢にも思わなかった。
しかし、実のところは、この新首相になろうというトラス氏でさえ、女王の余命幾許もないと、分っておられたのではなかろうか。
そして、そのご臨終の日時が、おそらく8日(木)の午後5時半ごろであろうことも。
そうとわかれば、BBCTVの様子が5時ごろから、何だか異様になってきたのも理解できる。
ただ、女王が亡くなったのは、ロンドンではない。スコットランドのバルモラルという別邸での話である。
女王は、この別邸で永らく静養されていた。
ご体調がすぐれないからというのが表向きの理由であった。
しかし、その実、バルモラルが、女王の終の棲家になるであろうというのは、近親者、および政府の要人全員が知っていた、というのが、今から思えば、本当の筋書きであったということか。
それはともかく。
女王のご遺体は、美しい棺に収められ、それからというもの、一般市民の静かな弔問を受けた。まずスコットランドの首都エジンバラで、丸一昼夜。
それから、空軍の飛行機でロンドンに移され、議事堂に隣接した特別室に安置された。もちろん、そこでも、国民の弔問を受ける。絶え間なく4日間。昼も夜も、絶え間なく、である。
弔問は誰でもできるが、それには、長蛇の列に加わらなくてはならない。TVでその様子を何度も見たが、実に整然としたもの。感心した。
待ち時間は、最長で20時間くらい。それでいて誰も文句を言う人はいない。女王が、皆から好かれていたと言うことの証といえるであろうか。
その行列の中に、著名人もおられる。私はTVで知っただけであるが、例えば、デイビッド ベッカム。10時間ばかり、待ったと言う。
そして、元首相のテレーサ メイ。彼女は、現職の国会議員であるから、例外的に、並ばなくてもいいはずであるが、ただご主人とご一緒であったから、あえて、お二人で行列されたのだと思う。
わたしは英国のこう言うところが、非常に好きである。規則は規則、有名人といえども、特別扱いしない。
皆さま、葬儀の模様は、ご覧になったと思うので、詳説しないが、英国人は、ああ言うことをやらせば、実にうまい。華麗で荘重。
エリザベス女王は、96歳でお亡くなりになるまで、曲がりなりにも、公務を滞りなく務められ、そして、その後、すっと逝かれた。
ああ言うのをこそ、まさに「大往生」と言うのであろうか。全てのことは、精一杯やったし、思い残すことなし、。後のことは、子供や他の人に任しておけばいいんだから、。
私も、あんな風に逝きたいとは思うが、まだだめ。今だと、思い残すことがある。少しだけだけれど、。
日本でも、近々「国葬」があるそうで、楽しみにしているが、おそらく観られないであろう、私。
ただ、その前に、この場合の国葬の「是非」が喧しく論じられているとのことである。
何でも、親分の麻生副総理が、岸田首相にこう言ったんだとか。「岸田くん、いいかい、理屈をこねている場合じゃねえんだよ。ここは、絶対、国葬でなければ、国葬で、」
岸田首相は、安倍前総理大臣国葬反対派である。(私、政治って「理屈と規則」に基づく討論だと思うんですが、。)
ちなみに、英国では、こう言う問題、起り得ません。
法律があって、国葬(State Funeral)は、王室の人にのみ、適用される、。
実に単純明快。
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