ある日本人男性からこう言われたことがある。
私の一つ上。生真面目、非常に親切な、いい人。
「あなたは、唯我独尊みたいな人だから、、」
私が、自分に可能な職業として、”誰かの「秘書」とかいうのだったら、できると思う” と言った時に返ってきた言葉である。
実際、私には、人の上に立つ能力はない。誰かの下で、縁の下の力持ちと言うのなら、できるかもしれない(私、いわゆる”宮仕え”というものをした経験はないが、「生活かかっている」となれば、結構できるのでは?といつも密かに思っている)。
その時返ってきたのが、この言葉である。「唯我独尊」。
誠に意外であった。でも、同時に、日本におられる日本人から見れば、私は、そんな風に見えるのかもしれないということがわかって、ある意味、面白かった。
しかし、それにしても、私、唯我独尊などではない。
もちろん、もう46年ばかり日本を離れ、英国に住んでいるのであるから、日本におられる多くの日本人よりは、ものをはっきり言うというところはあると思う。
でも、それは、「自分の考えを持っている」ということであって、むしろ、賞賛されるべきことではないのか。少なくとも、英国においては、そうである。唯我独尊ではない。
唯我独尊といえば、さしずめドナルドトランプがそうである。彼は、他の人の意見に耳を貸さない。この人こそ、まさに唯我独尊と呼ばれるにふさわしい。
この大人しい私を独尊扱いされた上記の日本人からすれば、私は、やりにくい男ということになるらしい。
何しろ、「そうですね、ごもっとも、」などとは、決して言わない、ときている。
いつも仏頂面をしているとあって、それも無理からぬところか。でも、それは、ただ、無意味に愛想を振舞う必要を感じないだけのことである。
そこで、「唯我独尊」という汚名を頂戴した。
私、そんなことは、ありませんよ、私。自分の考えより、相手の方の考えの方が正しいと思えば、訂正して謝りますよ。たとえ、相手が子供であっても。
こちらこそ、よろしくどうぞ。
こちらこそ、よろしくどうぞ。
読者登録 ありがとうござます。
よろしくお願いします。