ズレ:「題名からはつい西部劇調のアクションを連想しちまうけど、リアリティ溢れるドキュメンタリータッチの実録路線でガンマン列伝の中でもトップクラスの有名人を殺害した人物を軸にした心理劇の雰囲気もあり、当時のアウトローてぇ稼業の緊張感がヒタヒタと伝わってくるぜ。
お名前だけは存じ上げてたものの凄腕のガンマンとかロビンフッドばりの義賊ってな作り上げられたイメージを漏れ聞くばかりでその実像はほとんど承知してなかっただけに、元は南軍のゲリラだったとか表向きは普通の所帯を構えていたとかの話は新鮮で、日本で言えば明治の頃で捜査技法が今ほど進んでない時代とはいえ伝説としてはロマン漂うアウトローも実際のところは容易な渡世じゃなかったってのが実感されらぁな。
翻って昨今の情勢を鑑みるに、今でも紛争をきっかけとして最初は職務として忠実に執行していた破壊工作をそのまま自主的な非合法活動として継続しているような例は随所で見受けられるし、世界レベルで均せば捜査の水準は当時よりさらに後れてるとも言えそうだし、何だかジェシー・ジェイムズさんとビンラディンさんがオーバーラップするようじゃねぇか」