ズレ:「いかにもコミックベースらしいドタバタぶりも実写になってヘビーなデスメタルの大音量の中で繰り広げられると分かり易いオチやお約束的な感動もまた別の味わいで、動かない漫画なら気にならないような設定が動画だとそれもネタになるところがまた笑いを誘うんじゃねぇか。
歌まで含めた声色の使い分けもお見事な実質二役を演じてる主役の男優さんから始まって、思い切りハジけた事務所の社長さんとか得体の知れないバンドメンバーとかとぼけた味わいの女性陣とか異様にアツい聴衆とかから果ては伝説のメタルスター役には実際のロックスターの大盤振る舞いに至るまで、それぞれのキャラクターがはっきりして正に動くコミックの集大成って感じだわな。
冒頭の”こんなことがやりたかったんじゃない”ってのは存外に誰しも思うところかもしれず、本人は仮の姿と思ってもそれを真の姿としてあてにする衆もいる筈で、別に無茶な衣裳で化粧して額に”殺”と書いてる訳じゃないけれど改めて他人の目に自分がどう映るのかてな神妙なことを考えちまったぃ」