つれズレ愚抄

つれ：「秋といえば運動会だったのが春にシフトしてるそうで、教育再生会議じゃ大学入学を９月にするてな案も出てるんだってねぇ」

 

ズレ：「国際標準に合わせるってことだとしても、桜の花で季節や生活のケジメをつけてきた美しい日本のメンタリティからするとどうもしっくりこないけどよ」

 

つれ：「大学だけの変更なら受験や就職の準備期間が出来て高等教育が充実するってメリットもありそうだよ」

 

ズレ：「それが定着するといずれは社会全般が９月から８月が年度ってことになるかもしれねぇぜ」

 

つれ：「年と年度ってのもややこしいから、その暁には９月を１月に８月を１２月に改めちゃどうだぃ」

 

ズレ：「残暑の中でおせちを食って８月に桜が咲くなんてシュールな世界には付き合っちゃいられねぇぜ」

 

つれ：「もう大分従来の美しい常識が通じないシュールな世の中になってるんだしさ・・」

つれ：「滋賀の新幹線新駅は正式に中止が決まったんだねぇ」

ズレ：「知事選の公約に基づいて中止ってぇと、今は亡き青島都知事の都市博中止が思い出されるわな」

つれ：「計画段階を過ぎて着手してからの大型公共事業の中止は初めてだそうで、それだけ後始末も大変らしいよ」

ズレ：「そのまま進めるよりご苦労は多いとしても、一旦既成事実を作ると世間の白い目や先々の負担も意に介さず強引に事を進める出来ちゃった婚のような公共事業を庶民の手で止められるって先例を作った点じゃ実に画期的だぜ」

つれ：「今の知事さんを支持した方がそっくり新駅に反対だったとも限らないんだろうけどねぇ」

ズレ：「人物で選ばれたんだか政策で選ばれたんだか分からない糞味噌一緒の選挙制度を改めて、人物は人物、政策は政策で別に投票するようにしたらどうでぇ」

つれ：「そんなことして人物も政策も見るべきところがないクソクソ選挙になったらどうすんだぃ・・」

つれ：「CIAの草創期を担った人物を主人公にした大河ドラマで、３時間近い長編の全般に亘ってデニーロさんの出世作となったゴッドファーザーを彷彿とさせる重厚感が漂ってるねぇ
　実際のところは定かならねど、名門校出身のエリート衆のつながりは親子盃のようだし非合法な手段も意に介さないのは極道渡世同然だし、様式美のド派手なスパイアクションでなくビジネスライクな実録路線で淡々とそのあたりの出来事を追う展開は本邦の名作「仁義なき戦い」のようじゃないかぃ
　去るものは日々に疎しで「冷戦」が死語になるにつれ諜報合戦も過去の記憶のような印象になりつつあるけど、当然今でも世界政治の裏では丁々発止のやりとりが続いてて、イデオロギー別国対抗って図式に比べると格段に複雑になった現在のレベルからすれば当時はまだまだ牧歌的なレベルだったのかもしれないてなことにも思いを馳せるようだよ」　

つれ：「或いはマッチポンプの前人気かもしれないけど、スカイラインＧＴＲの復活が鳴り物入りで騒がれてるようだねぇ」

ズレ：「環境だ経済性だって実用一点張りの風潮の中で、そういうマシンにロマンを掻き立てられる衆は少なからずいるってことだろうよ」

つれ：「だけど値札が７～８百万円ってんじゃ、指を咥えて眺めるだけの衆が少なからずってオチになるんじゃないかぃ」

ズレ：「乗り手を選ぶメカの高嶺の花感こそがＧＴＲの魅力なんだから、お値段の方は庶民も夢がつかめるくらいにもう一声お勉強して貰いてぇやな」

つれ：「値打ちがあるなら高くなるのは必然ながら、手頃な価格でもキラッと光る車を作るところが日本の職人芸の真骨頂の筈だしねぇ」

ズレ：「大衆化してこその技術ってもんで、高いから値打ちがあるってなバブリーな感覚を払拭する製品を世に送り出さないことには折角の技術もパトロンがいなきゃ成り立たない芸術になっちまうぜ」

つれ：「よもや日産さんはフェラーリさんの路線に転向しようってことじゃあるまいねぇ」

ズレ：「だいぶ以前にゴーンさんがベンツで事故ったって笑えるニュースがあったけど、マーチで事故って頂くようにするのが日本の技術の真骨頂なんじゃねぇか・・」

つれ：「中学の授業で武道やダンスを取り入れるってのを中教審の専門部会さんが検討してるんだってさ」

ズレ：「放っといても色気づけばいずれダンスに興じることはあっても武道は放っとくと廃れかねないから、日本の伝統の素養として一浚いしとく分には大いに結構なんじゃねぇか」

つれ：「柔道・剣道てぇポピュラーどころのほか、相撲や薙刀なんてのもバリエーションに加えるみたいだよ」

ズレ：「武道を通じて日本の文化や礼法を教えるってことなら、弓道とか空手とかだってよさそうだぜ」

つれ：「でもなまじ兵法を伝授するとイジメの手立てになるんじゃないかって心配する声もあるのが嘆かわしいよねぇ」

ズレ：「そんな小道具に頼るまでもなく、いじめる側は幾らでも材料を見付けてくるだろうによ」

つれ：「生兵法は怪我の元ってこともあるし、踊りで体を動かすなら伝統文化と礼法は茶道や華道でもいいんじゃないかぃ」

ズレ：「生芸道こそ放蕩の元ってこともあらぁな・・」

ズレ：「一部に上映拒否って反応もあったようだけど、あくまでフィクションとはいえ現役実名の大統領が暗殺されるなんて設定が堂々と罷り通るところがアメリカさんの懐の深さと感心させられるわな。
　イランが核武装すれば第三次世界大戦だなんてことをポロっと仰る御仁だけに題材になり易いのは確かで、冒頭でフィクションだって断り書きを入れた以降はエンドロールまで徹底したドキュメンタリーの構成で押し通されると、オーソン・ウェルズ先生の市民ケーンのような構成からつい火星人襲来てラジオドラマがパニックを引き起こしたなんて大昔の故事を思い出すようだぜ。
　さすがにメディアの発達した現在じゃ、この映画を見てブッシュさんが亡くなったのかぃとトボケた事を言い出す衆は出てこないだろうけど、報道スペシャル番組のようにニコリともさせない筋の運びには事実と誤認させるだけの十分な説得力があり、それがフィクションだと承知していると逆に全体が壮大なギャグやパロディにも見えてくる野心的な作品じゃねぇか」