つれズレ愚抄

つれ：「第１０波も取り沙汰されてる中、４月からはコロナの公費負担を全面撤廃するらしいよ」

ズレ：「５類にしたからには当然の帰結とはいえ、いささかタイミングが悪い観は否めねぇやな」

つれ：「政治家はキックバックのお手盛り三昧なのに、平民がコロナに罹っても知らん振りかと怨嗟の声が聞こえてきそうだよねぇ」

ズレ：「大臣答弁で税務署員を労うほど、確定申告の窓口でも方々で恨み節が炸裂してるんじゃねぇか」

つれ：「税務署に文句を言っても始まらないのは分かってても、領収書の要らない金を使い放題の雲上人をやっかまずには居られまいねぇ」

ズレ：「そんな不平から国民の目を逸らすべく、岸田さんはまた何か新たなバラ撒きを模索してるかもしれねぇぜ」

つれ：「その原資が税金やコロナ負担撤廃分じゃ、キックバックと思っても有難味なんぞあるもんかね・・」

つれ：「粗暴を働いた関取御本人の引退はともかく、親方の処分は随分と厳しい感じじゃないかぃ」

ズレ：「見て見ぬふりの上に隠蔽工作にも及んだとなると、部屋の責任者としての資質を問われるのも無理からぬとこでぃ」

つれ：「横綱白鵬時代の後半は協会さんとの軋轢があっただけに、その意趣返しじゃなかろうかとつい勘繰っちまうけどさ」

ズレ：「親方御自身は神妙に受け止めてるご様子ながら、為にしたい衆ならレイシズムかと騒ぎ立てるとこかもなぁ」

つれ：「今となってはイジメのうちでも、昔はどこもムリ偏にゲンコツってくらいのカワイガリは当たり前の世界だったようだしねぇ」

ズレ：「それをバネにして強くなるてな時代じゃなくなったとなりゃ事あるごとに処分を繰り返しても一件落着といはいかず、相撲部屋制度の見直しまで必要になるんじゃねぇか」

つれ：「力士の国際化も進んだことだし、名は体を表すでまずは堅苦しい部屋って漢字をソフトなクラブとかサロンてぇカタカナに換えてみる手はあるかもよ・・」

つれ：「天皇誕生日の前日に東証史上最高値を更新するたぁ、陛下を寿ぐような按配だねぇ」

ズレ：「つい先日GDPが世界４位に転落と報じられたのとチグハグで、目出度さは中くらいだろうけどよ」

つれ：「ニュースの扱いも３４年前の最高値との比較にウェイトを置いて、手放しで嬉々とするってノリじゃないしねぇ」

ズレ：「前回は世の中丸ごとイケイケドンドンだったけど、数値はともかく今回はどこを見渡しても好況てぇ肌感覚は薄そうだぜ」

つれ：「未だバブル崩壊のクスリが効き過ぎてるとこにコロナ自粛もあって、なかなか浮かれ気分にはなれないんじゃないかぃ」

ズレ：「玉石混交たる資本主義本来の姿として実体経済への投資の結果てぇ色合いがまだ残ってた前回から３４年を経るうちにコンプライアンスとかは整う一方で実体経済とは関わりない利ザヤ目的での投機が主流になった結果だとすりゃ、資本主義そのものは危機に瀕してるとも言えそうだわな」

つれ：「コンプラの清きに魚も棲みかねて元の濁りのバブル恋しきてなとこかねぇ・・」

つれ：「止むに止まれぬ現地の事情があるとはいえ、千年続いた蘇民祭が今年で最後ってニュースには縁も所縁もない方まで寂寥感を覚えたんじゃないかぃ」

ズレ：「千年にはほど遠くとも、時を同じくして参院速記が１３４年の幕を閉じるてぇ話が聞こえてきたのも寂しい限りだぜ」

つれ：「蘇民祭の関係者は復活を志してるそうだけど、参院速記が復活するこたぁないだろうからねぇ」

ズレ：「衆院は今後も速記を続けるってことなら、速記自体にはアナログレコードみたいに根強い人気が集まらないとも限らないかもなぁ」

つれ：「参院が廃止したとなれば、いずれは衆院でも廃止されそうだけどさ」

ズレ：「お行儀が良くて機械化に馴染みやすい参院と違って、荒ぶる衆院は末永く人力に頼る方が確かなんじゃねぇか」

つれ：「蘇民祭みたいに湯気が立つほど揉み合うお祭り騒ぎも起きるしねぇ・・」

つれ：「支持率が下がる一方だけに、ウクライナさんとの経済復興推進会議であちらの首相に持ち上げられて岸田さんは束の間ご満悦だったろうねぇ」

ズレ：「軍事支援には自ずと制約がある本邦にとっちゃ、経済で支援するのは湾岸戦争以来のお家芸だからなぁ」

つれ：「第二次世界大戦からの復興が称賛されるのは、あながち外交辞令のお世辞でもなかろうしねぇ」

ズレ：「東日本大震災まで引き合いに出されると、復旧も道半ばでいささか面映ゆいようだぜ」

つれ：「能登震災の復旧もままならないのに、外国の戦災には手を差し伸べるのかてぇ疑義も呈されてるらしいよ」

ズレ：「地域防災は自治体の範疇とはいえ大規模災害じゃ自治体も疲弊してるんだから、国がもっと直接復興に乗り出す体制があっても良さそうだわな」

つれ：「被害は戦災並みだし、震災復興なら軍事支援みたいな制約はないもんねぇ・・」

つれ：「ロシア当局は当然否定してるものの、反体制派の口封じは旧ソ連時代から変わってないようだねぇ」

ズレ：「ナワリヌイさんの追悼集会を弾圧するのが、いかにもやましさの表れに映るわな」

つれ：「つくづく住まじきものは物申すのが命懸けの専制国家だよねぇ」

ズレ：「暗殺こそされないものの、SNSの炎上から死亡者が出る渡世も随分と住み辛くなってるんじゃねぇか」

つれ：「言論の自由とはいえ人を傷付ける言説まで野放しじゃ、過ぎたるは猶及ばざるが如しってもんかもねぇ」

ズレ：「格別の決意や覚悟もなく手軽に発信し放題てなぁ、うっかりすると反体制派以上の危険分子にもなりかねないしよ」

つれ：「統制にせよ放任にせよ、旧ソ連以来伝統の小咄みたいに笑える範囲に留まりゃいいんだけどさ・・」

つれ：「天候による延期で気を揉んだものの、H３ロケット打上に成功して目出度し目出度しだねぇ」

ズレ：「一度失敗した分、すんなり成功する以上に関係各位の感激は一入だろうよ」

つれ：「ちょうど１年で課題を克服したご苦労は、筆舌に尽くし難いものがあったろうしねぇ」

ズレ：「二度目も失敗だったら、月面着陸の成果も霞んで日本の技術力に疑問符が付いちまうからなぁ」

つれ：「宇宙ビジネス競争力の危機を救った皆さんには、国民栄誉賞を差し上げてもいいくらいじゃないかぃ」

ズレ：「ロケット技術と原子力技術があればいつでも核武装可能てぇ抑止力になると思えば、安全保障の危機を救ったとも言えるわな」

つれ：「反撃能力でアメリカさんの武器を買い込む費用を国産技術支援に回しゃ、経済安保にも資するかもねぇ・・」

つれ：「久々に雪が積もった後はいきなり春も盛りの陽気で春一番まで吹き荒れるたぁ、予報の印象を上回る暖冬ぶりじゃないかぃ」

ズレ：「なんて油断してると、お江戸に二波三波の大雪があるかもしれねぇぜ」

つれ：「桜が咲いてからその枝をへし折る大雪が降ったのは、昭和の終わり頃だったっけ」

ズレ：「暖冬だと里の雪はすぐ融けて助かるけど、山の雪まで早く融けるのはちと心配じゃねぇか」

つれ：「この冬は関東の水瓶エリアに雪が少ないみたいだし、降った先からすぐ融けて流れちゃ梅雨を待たずに渇水になっちまうかねぇ」

ズレ：「そのうえ空梅雨で台風も来なかったら、水に窮すること能登震災の如しになりかねないしよ」

つれ：「その前にまずは震災に窮すること能登の如しとならないよう祈るばかりだけどさ・・」

つれ：「サンフランシスコで群衆が無人タクシーを壊したってなぁ、産業革命の打ち壊しみたいな話だねぇ」

ズレ：「事故続発に業を煮やしたと報じられてるものの、ラッダイト運動と同じく職を奪われる怨嗟もあったんじゃねぇか」

つれ：「そんな不安を覚えるくらい、急速に無人化技術が進んでるからねぇ」

ズレ：「先進性アピールと人件費削減が相俟って、いささか実用化が性急な観はあらぁな」

つれ：「通常時は問題なくとも災害とかの非常時を思うと、やっぱりその場に人知が介在してる方が安心なんじゃないかぃ」

ズレ：「自律自動化を突き詰めるほど人口は縮小再生産に向かいそうだから、当世は人手の掛かる社会に戻る方が産業革命になるかもなぁ」

つれ：「無用の用てのはあるけれど、無人じゃ人が無用になりそうだしねぇ・・」

つれ：「日本の暴言王が麻生さんなら、世界の暴言王トランプさんはさすがにスケールがデカいねぇ」

ズレ：「売り言葉に買い言葉のノリながら、ロシアにNATOを攻めさせるたぁ言いも言ったりでぃ」

つれ：「トランプさんに唆されたからって、はいそうですかとロシアさんが事に及ぶこたぁあるまいけどさ」

ズレ：「とはいえトランプさんが大統領に返り咲いたら何をしでかすか分からないと、NATO諸国はもしトラに戦々恐々だろうよ」

つれ：「軍事費を上納しなけりゃならず者を差し向けると脅すなんざ、まるでヤクザのみかじめ料だよねぇ」

ズレ：「前回はドナルド・シンゾーの兄弟盃で誼を通じてたけど、安倍親分亡き今となっては本邦だってもしトラの備えが要りそうだぜ」

つれ：「暴対法でみかじめ料を封じ込めたみたいに、トランプ対策法を用意しとくようかぃ・・」