つれズレ愚抄

つれ：「2010年重大ニュースてぇことになると、どれも民主党さんの失政絡みてな案配だねぇ」

ズレ：「尖閣の不手際を筆頭にどれも目を覆いて余りある体たらくだからなぁ」

つれ：「八ツ場・普天間の迷走もさることながら、暮れも押し詰まって予算が財務省に丸投げだったり次官会議を復活させたりと政治主導の看板までメッキが剥がれてるからねぇ」

ズレ：「その割にゃ未だに高速無料化や高校無償に拘ってて、言行支離滅裂内閣の綽名を差し上げたいようでぃ」

つれ：「あまりの危機的状況にさしもの小沢さんも出渋ってた政倫審で一肌脱ぐ気になったのかもよ」

ズレ：「出たところで私が悪うござんしたと懺悔する訳じゃなし、切り札も切ったが最後でもう後がないんじゃねぇか」

つれ：「2011年の重大ニュースには民主党政権崩壊なんてのが入るのかねぇ」

ズレ：「当然の帰結すぎてニュースバリューもなさそうだぜ・・」

 

 

つれ：「どちらの奥様も大掃除やらで大わらわだろうけど、今年は平成５年に家庭動向調査を始めて以来初めて既婚女性の専業主婦への賛成が増加したんだってさ」

ズレ：「実際に専業主婦が増えてるのか或いは専業への憧れが強まってるのかって辺りが興味津々だわな」

つれ：「７割近い主婦が８割以上の家事をこなしてらっしゃるそうだから、どのみち家事負担を免れないなら専業の方がいいってことかねぇ」

ズレ：「逆に労働環境が過酷になってるんで、銭金の目鼻がつくなら専業の方がいいってこともありそうだぜ」

つれ：「官民問わず人減らしに熱心なご時勢じゃ、主婦層もヘビーなリストラ圧力に晒されてるのかもねぇ」

ズレ：「職業女性拡大や少子化対策を言うならまずリストラのような御身大切の効率化を以て善とする風潮を改めるべきで、公務員半減なんてのもそれで浮く目先の人件費より長く尾を引く波及効果の減退に意を用いるべきだろうによ」

つれ：「議員さんなら半減しても同じくらい立候補して選挙に金を使うから影響ないんじゃないかぃ」

ズレ：「議員さんこそ金策との二足の草鞋はほどほどに専業政治家になって貰いたいもんさな・・」

 

つれ：「伊勢物語にも所縁の業平橋駅をとうきょうスカイツリー駅に改称するんだねぇ」

ズレ：「かつて杉戸駅を東武動物公園駅に改めた東武鉄道さん肝煎りの世紀のビックプロジェクトで動物園どころじゃない膨大な集客が確実となりゃ、この機を見逃す筈もねぇやな」

つれ：「またお江戸のローカルカラーが消えてくようで一抹の寂しさはあるけどさ」

ズレ：「そんな郷愁に浸るのはよそ者故で、地元は千載一遇の地域発展の好機と沸いてるんだろうよ」

つれ：「この不景気の中最後の東京新名所としも目されて久しく廃れることはなかろうけど、高度成長以来の栄枯盛衰を眺めてきた分ついメランコリックにもなっちまうよ」

ズレ：「万物は流転するってことで、栄華を極めるかと思いきやモーレツ路線を反省しだすと今度はゆとり路線でとことん低迷してるし、げに中庸の民鮮きことさらに久しだからなぁ」

つれ：「万物が進展する中で人は論語の頃から全く変わってないとすると、それこそ既に中庸ってことなのかぃ・・」

つれ：「次兄は防衛に長兄は三階級制覇で、暮れのボクシングはすっかり亀田祭りだったねぇ」

ズレ：「バッシング以前ならメディアも手放しの大騒ぎだったろうに、相手に恵まれただの階級細分化で価値が低いだの辛口コメントの方が目につくわな」

つれ：「まだまだ先はあるんだから、実績を重ねてそんな批判はＫＯしちまえばいいんだよ」

ズレ：「持ち上げるだけ持ち上げといてから落とすだけ落とすマスコミの猛ラッシュをかわしてる辺りは既に大チャンプの風格が備わってるじゃねぇか」

つれ：「お祭り騒ぎに浮かれてたのも束の間、甘いガードにハードパンチを叩き込まれて朦朧としてる民主政権は爪の垢でも煎じて飲ませて貰ったらいいのにねぇ」

ズレ：「満足に財源も掘り出せないのに税収を上回る国債頼みでむざむざ予算を膨らませるなんざ、早くもパンチドランカーになってるようだぜ」

つれ：「運営苦から防衛戦を待たずにタイトル返上とでもなりゃ、政権奪取も後の祭りだねぇ・・」

つれ：「伝説のヒーローとして色々な取り上げられ方をされてる中で、“グラディエーター”や“エリザベス”で大いに存在感を示したいわば時代劇俳優の大御所を配してるだけに、この作品はさしずめロビン・フッド誕生正史ともいうべき骨太の歴史ドラマに仕上がってるねぇ。
　本邦で言うなら石川五右衛門のような役どころながらロビン・フッドの方は諸般の出来事から庶民の義賊願望が産み出した人物像で実在は確認されてないってことだから、主人公自体のエピソードはフィクションとしても周辺の出来事は史実を敷衍してて中世英国史のいい勉強になったよ。
　石川五右衛門の伝説も多分に後付けで真偽の程は定かでないのに思いを至すと、権力者の悪政に力で抗し得ない大衆は想像上の産物に仮託して憂さを晴らす以外に手がないのは洋の東西を問わないようで、となると近頃とみに悪政の目立つ当世本邦にもそろそろ鼠小僧次郎吉以来の伝説の義賊が誕生するかもしれないねぇ」

つれ：「陛下のご生誕を寿ぐ日だってのに、半島緊張だの駐露大使更迭だの目出度くないニュースが目についたねぇ」

ズレ：「そのロシアさんも半島情勢には危機感を示してるようだけど、どうにもロシアさんが出張ってくると領土的野心が仄見えていけねぇぜ」

つれ：「大使の首が飛んだのも大統領北方領土訪問での既成事実化が発端だからねぇ」

ズレ：「それを予見できなかった大使の更迭理由がロシアに詳しくないからってのがまた噴飯だわな」

つれ：「もしご本人の資質に問題があるのなら、むしろ微妙な対ロ関係にそういう人物を起用した任命責任の方が問題なんじゃないかぃ」

ズレ：「ロシア畑の出自じゃないってだけのことなら、ほとんど行政経験のない政権幹部もこぞって更迭するようじゃねぇか」

つれ：「二つ覚えの答弁で大臣をこなせたり首相にも仮免があるくらいだから、微妙な政策には無知蒙昧で務まるのが日本の政治家ってことらしいよ・・」

ズレ：「生身の人間を使ったデス・ゲームってプロット自体は既にポピュラーではあるものの、近年とみにPCネットや生命科学の進展が著しいだけにあながち所詮はフィクションとタカを括っていられないくらいに現実味を感じるようになってきたわな。
PCゲームの門外漢ですらこのシーンはあの手のゲームのパターンでこっちのシーンはこの手のゲームのパロディと見当がつくくらいに電子ゲームに関する情報が世に氾濫してるからにはいかに多くの衆がゲームにハマッてるかも自明の理で、ゲームが原因で現世の事件も起きてるとなれば既にバーチャルのリアリティ化は始まってるってことかもしれねぇぜ。
この映画じゃシステムを操る人間と操られる人間が登場する分むしろ人間尊重のゲーム批判的トーンがあるものの、現実はシステムを操ってるようで実はシステムに操られてる人間だけが存在するてな人間疎外になりそうな気配には慄然とするようでぃ」

 

つれ：「出る杭は打たれるってことか、ウィキリークス創設者の包囲網が着々と強まってるみたいだねぇ」

ズレ：「細々とやってるうちはともかく、これだけ大規模になれば万国共通の脅威だから協調介入もすんなり成り立つわな」

つれ：「日頃は反権力の方がウケるってスタンスのマスコミも、この件についちゃ規制やむなしてぇトーンだしねぇ」

ズレ：「マスコミにだって曝かれたくない暗部はあるうえに強力な商売仇にもなるからには本音とすりゃ笠にかかってバッシングしたいところなれど、常々知る権利を盾に横車を押しまくってるだけにそうもいかず、大いに忸怩たるものがあるんじゃねぇか」

つれ：「といって幾ら創設者を締め上げようと、このネット社会じゃ単に別のシステムに置き換わるだけの話じゃないのかねぇ」

ズレ：「知らぬが仏てぇこともあるものを、知りたがることを隠し果せる世の中じゃなくなった以上は知ることの責任をどう分担させるかに意を用いるしかなさそうだぜ」

つれ：「おカミの繰り言尽きるとも世に野次馬の種は尽きまじだからねぇ・・」

つれ：「もはやグダグダ過ぎてネタの値打ちもない体たらくながら、民主党さんは小沢さんの首に鈴をつけるのにバタバタしてるねぇ」

ズレ：「小沢さんさえ切れば何とかなると本気で思ってるなら、正月にはまだ間があるってのに相当お目出度い話よ」

つれ：「伝助人形のようにユラユラしてるだけの首相はともかく、幹事長の方は名古屋市長にもスジが違うと苦言を呈するくらいだからそれなりの信念はお持ちのようだよ」

ズレ：「確かに市議会リコールが成立したのに市長も辞職して選挙に持ち込むってなぁさながらナチ勃興を敷衍するような一大キャンペーンではあるわな」

つれ：「民主党さんに限らず、どうも近頃の政治はパフォーマンスとスローガンばかりはご立派だけど中味はお寒い限りじゃないかぃ」

ズレ：「平成維新だ奇兵隊内閣だに続いて埼玉じゃ改援隊てな地域政党も出来るそうで、やたら幕末づいてる割には一向に政変には至らないところが笑かしてくれるじゃねぇか」

つれ：「ここまできたからには民主党さんが大政奉還で野に下るなんてパフォーマンスも面白そうだねぇ・・」

つれ：「実在する江戸末期の武家の帳簿から膨らませた物語だからエピソード自体はほとんどフィクションだろうけど、既に戦国武士の面影はなくすっかり経理担当サラリーマンと化した日常を格別の事件性もなく淡々と描きつつ親子３代にわたる大河ドラマになってる時間の流れが独特の風情を醸し出してるんじゃないかぃ。
　思えば戦国乱世から江戸末期までは２６０年経ってるのに対して明治維新から現在まではまだ１４０年と、同じ武士とはいえ戦国期から江戸末期の間の変化より身分こそなくなっても明治初期から現在までの変化の方が少ないかもしれず、武家社会というと遠い昔のようでいて実のところ今の官僚社会は武家社会をそのまま引き継いでるとも言えそうだよ。
　太平洋戦争てぇ大きな変化はあったもののお役所には民主の衣の下におカミ意識がチラついてるし、内閣総理大臣が将軍なら閣僚が老中・与党の旗本に野党の外様・官公庁は雄藩小藩てな感じで、さしずめ国難が迫った今は官房長官が大老てな按配だけど、永田町門外の変なんてのは起きないだろうね」