つれズレ愚抄

つれ：「紅海の船舶襲撃に業を煮やして、アメリカさんとイギリスさんがフーシ派の拠点を空爆したんだってさ」

ズレ：「米英両軍が直接介入したとなると、中東の戦雲がさらに拡大しそうだわな」

つれ：「民兵組織といいつつ、実質的にはイエメン軍と呼べるほどの武力を擁してるって話だしねぇ」

ズレ：「バックにイランさんがついてるとなりゃ露中朝枢軸にも連なるから、空襲だけじゃラチが明かないと地上軍を投入したらいよいよ第三次世界大戦になっちまうぜ」

つれ：「南アフリカさんからジェノサイド批判も出てきたところで、ぼちぼちイスラエルさんが矛を収めてくれりゃいいんだけどねぇ」

ズレ：「それがかえって依怙地にさせてるかもしれず、フーシ派空爆よりイスラエルさんに武器を置くよう説得する方が航行の安全確保に資するんじゃねぇか」

つれ：「第二次大戦後のユダヤとアラブの確執には米英が一役も二役も買ってるからには、直接介入するならそっちの方がスジっぽいよねぇ・・」

つれ：「沖縄県さんの抵抗虚しく、国は大方の見込みより早く辺野古の地盤改良工事を始めたそうだよ」

ズレ：「大規模抗議集会の先手を打った抜け駆けに、反対派は一層反発を強めてるらしいぜ」

つれ：「まだ訴訟は続くとしても、自然環境が壊れちまったらもう元には戻らないからねぇ」

ズレ：「普天間移転とのバーターが人質で沖縄が一枚岩にはなれない隙間に国が付け込んでる按配なんじゃねぇか」

つれ：「最低でも県外なんて期待を持たせた民主党政権を全否定するうえでも、辺野古に執着する猪武者になってるんじゃないかぃ」

ズレ：「一旦白紙に戻せば他の選択肢もあるだろうに、一度決めると力尽くで猛進する体質は転用技術輸出の濡れ衣を押し通そうとした大川原化工事件でも明らかになったばかりだわな」

つれ：「ひょっとしてどっちもアメリカさんの歓心を買おうてぇ忖度が働いてる訳じゃあるまいねぇ」

ズレ：「おカミの米国従属姿勢は強固な一枚岩だから、あながちなしとはしないかもなぁ・・」

つれ：「国際的な批判に沿った世論に応じて、韓国で犬食禁止法が成立したんだってさ」

ズレ：「食肉としての流通を全廃するってなぁ、禁酒法みたいな按配じゃねぇか」

つれ：「イスラムの豚やヒンズーの牛のような信仰上の禁忌じゃないとはいえ犬肉はアルコールみたいに国外に出れば簡単に手に入るってもんでもないだろうから、伝統食好みの方はショックを受けてるだろうねぇ」

ズレ：「犬食の習慣はない日本と雖も、イヌをクジラに置き換えると他人事じゃなくなるわな」

つれ：「世界から批判を浴びて久しいし、もはや伝統食として擁護されるほどの鯨食習慣もなくなってるようだからねぇ」

ズレ：「鯨肉の有難味を覚えてるのは高齢者ばかりとなると、禁鯨法を待つまでもなくクジラを食う嗜好が先に廃れそうだけどよ」

つれ：「禁犬法が必要なほど根強い人気があるってこたぁ、イヌはクジラより旨味が勝るのかねぇ・・」

つれ：「田中角栄旧宅火事にベッケンバウアーさん八代亜紀さんの訃報と、元日からこのかた日々驚いてばかりだょ」

ズレ：「サッカーの皇帝も演歌の女王もまだ７０代で、きょう日の大往生と言うにはまだまだお若いのが何とも惜しまれらぁな」

つれ：「目白御殿は泉下の角栄先生が、パー券騒動に揺れる自民党の体たらくに火を噴いちまったかねぇ」

ズレ：「自民党さんにってより、国益に構わず叩いて埃を出したがる検索さんの功名心におカンムリなのかもしれねぇぜ」

つれ：「ロッキードで躓かずに田中長期政権になってれば、ここまで経済が低迷することもなかった筈と夢想するご同輩は居そうだしねぇ」

ズレ：「コンピューター付きブルドーザーの綽名からするとポイントゲッターのセンターフォワードてぇイメージながら、真骨頂は要所を守りつつ全体のバランスをコントロールするリベロだったんじゃねぇか」

つれ：「今となってはそんなレバタラをあぶりつつ、しみじみ吞むしかないけどさ・・」

つれ：「災害に事故と続いた年明けは、篠山さんに中村メイコさんと有名人の訃報も重なったねぇ」

ズレ：「昭和世代にとっちゃNHKバラエティと言やぁ中村メイコさんてくらいの顔馴染みだけに、親類を亡くしたように感じるご同輩も少なくないんじゃねぇか」

つれ：「実に芸歴８７年で戦前の子役からラジオを経て、テレビの草創期からずっとご活躍だったからねぇ」

ズレ：「草創期のドタバタぶりは今に伝わるものの、それを実際に経験した方は少なくなってくわな」

つれ：「今となっては家庭にテレビが普及した頃は白黒放送だったなんてのも想像がつかないんじゃないかぃ」

ズレ：「普及期以来ずっとテレビにハマってる身としては、今はテレビ離れって方が想像つかないけどよ」

つれ：「ラジオからテレビの時代には中村メイコさんがいらっしゃったけど、テレビ後のヒロインをどうするかNHKさんも悩んでるかもねぇ・・」

ズレ：「稀代の傑物として数多の映画に描かれてるナポレオンをリドリー・スコット監督がいま取り上げる意図は奈辺に有りやと興味が湧くところで、同監督史劇の傾向からして特定のエピソードを深掘りするのかもと勝手に予想してたから青年将校デビュー以降セントヘレナで没するまでがジョセフィーヌとの愛憎劇を軸にしたオーソドックスな通史に仕上がってたのには意表を衝かれた感じでぃ。

　長尺でもそれだけの期間を描くとなると個々の出来事について由来や因果の説明が少なくなるのは当然ながら歴史的に著名なトピックスはほぼ時系列どおりに網羅されてて、映画を見た後に改めてフランス革命以降の歴史をおさらいしたくなるって点じゃ世界史教育作品とも言えるわな。

　とはいえやはり白眉は黒澤明監督が予算の制約なく設楽原決戦を撮ったらこんな感じになったんじゃなかろうかと感嘆する圧巻のワーテルロー大スペクタクルで、次第に題材の時代が新しくなってる風なスコット史劇の今後の展開が楽しみだぜ」

つれ：「天寿を全うなさったとはいえ、篠山紀信先生御逝去と新春は悲報が続くねぇ」

ズレ：「人物を撮って時代を画した巨匠だけに、著名人や芸能界から悼む声が多く上がってるみたいだぜ」

つれ：「フィルムカメラしかなかった往事のご活躍は、写真の黄金期を飾ったとも言えそうだよねぇ」

ズレ：「写真自体の意義は普遍的でも、デジタルが普及するほどにツールとしての意味合いや道具立ては変わってきてるしよ」

つれ：「記録としては動画の比重が上がってるし、作品としては加工の余地が拡大してるもんねぇ」

ズレ：「スマホで気軽に高品位画像が撮れるようになって、ファインダーを覗き込む際の気構えってもんも失われたんじゃねぇか」

つれ：「篠山先生は激写だったけど、今はさしずめ一億総薄写ってとこかぃ・・」

つれ：「史上初の２季連続大学駅伝３冠がかかった駒大さんを引き離して、青学さんが大会新記録で箱根駅伝を制したねぇ」

ズレ：「１００回記念全国オープン大会も、終わって見ればお馴染みの展開ってこった」

つれ：「いみじくも優勝監督が仰ったように、大震災が起きても開催できたのが何よりの１００回記念じゃないかぃ」

ズレ：「例年なら朝から盃を傾けつつのTV観戦となる筈が、震災情報を気に掛けつつの観戦となった方は少なくないだろうなぁ」

つれ：「本来が関東ローカルの大会ながら、沖縄を除く全国に放送される正月の風物詩だからねぇ」

ズレ：「二日に亘る完全中継は、長距離走好みの国民性に打ってつけのキラーコンテンツだしよ」

つれ：「お盆の甲子園で御巣鷹を追憶するように、これからは正月の箱根で能登を思い起こすようだねぇ・・」

つれ：「元日が能登震災で２日は羽田の離着陸衝突事故と、令和６年は歴史に残る多難な年明けになってるねぇ」

ズレ：「倒壊した家屋の数々から燃えさかる旅客機に続くニュース画像は、ディザスタームービーを見てるようで現実感が湧かないほどでぃ」

つれ：「着陸した乗客乗員がご無事だったのが救いながら、離陸しようよした海上保安庁機は能登救援に向かう筈だったってのも因果めいてるよねぇ」

ズレ：「地震は如何ともし難い自然現象だけど、事故は多かれ少なかれ人の為せる業だけに予防策を尽すばかりだわな」

つれ：「スケジュール通り運航する民間機と緊急即応する公用機が、過密空港を共用するってとこにもリスクはあるのかねぇ」

ズレ：「自在に離発着できるように、海上保安庁さんにこそ空母を配備したらどうでぇ」

つれ：「いつ起きるか分からないのは同じだし、離島防衛に強襲揚陸艦なら災害救援には急集救陸艇なんてのがあってもいいかもねぇ・・」

つれ：「年の瀬はキラー・カーン選手のご逝去にしみじみしてたら、大晦日には坂田利夫師匠の訃報まで飛び込んできたねぇ」

ズレ：「広く後進にも慕われてただけに、吉本興業関係者の正月は目出度さも中くらいかもなぁ」

つれ：「喪に服してる訳はないにしても、昔に比べると元日のお笑い番組も少なくなったんじゃないかぃ」

ズレ：「一時は大晦日の民放は格闘技尽しだったのが、ボクシング世界戦最多勝利に輝いた井岡選手の中継が見当たらなかったのも寂しい限りでぃ」

つれ：「趣味嗜好の多様化に合わせた番組になるのが、時の流れってことなんだろうねぇ」

ズレ：「一方でコンプライアンスだハラスメントの扱いは画一化して、坂田師匠のアホいじりてな芸もTVには向かなくなってるっぽいぜ」

つれ：「小難しい理屈抜きに笑ってられた時代にあ～りが～とさ～んだねぇ・・」