”スローライフ滋賀” 

東近江市在住の鉄道ライター 「日本の鉄道150年史」刊行

 東近江市在住の鉄道ライター辻良樹さんが、「教養が身につく! 日本の鉄道150年史」(本体1800円税別)を徳間書店から刊行した。全国の書店で販売している。

↑写真:中日新聞より

■ 近江商人と鉄道、■ 鈴鹿貫く大手の幻の計画
 新橋~横浜間開業前夜から現代までの歩みを分かりやすく深く知ることができる一冊で、更に滋賀県内在住の鉄道ライターらしく明治時代の早い時期から鉄道が開通した滋賀県についても従来本にはない内容を含んで記述している。

 滋賀県の鉄道の歴史は、全国的にみてもかなり古く、官設では膳所駅や長浜駅などは140年以上の歴史がある。一方、近江鉄道も120年以上の歴史を持ち、明治末期に開業した阪神、阪急、京阪といった関西の大手私鉄よりも開業が早く、他の地方と比べて早期に鉄道文明が入ってきた。

 例えば、本書の「近江商人の三方よしと関西鉄道」では、官設鉄道のルートから外れた滋賀甲賀郡―三重県の旧東海道筋を結ぼうと、近江商人が奮闘した関西私鉄のルーツといえる関西鉄道(現草津線)を紹介
 現東近江市(能登川)出身の近江商人阿部市郎兵衛らが発起人となって1887年(明治20年)に政府に創立願書を出し、1889年(明治22年)には草津―三雲間が先行開業した。官設鉄道の新橋―神戸間の全通からわずか5カ月後だった。1895年(明治28年)には名古屋まで全通した。
尚、阿部家はその後近江鉄道へも出資し、同社社長に就任する。

【滋賀・近江の先人第30回】明治を生き抜いた近江商人・阿部市郎兵衛(東近江市)
https://blog.goo.ne.jp/ntt000012/e/acb60aa48e05e0e9b6402ea9945d35cb

 また、「幻に終わった名古屋急行電鉄の計画」は、新京阪線(現・阪急京都線)と直結し、高性能な都市間電車が鈴鹿山脈を貫き駆ける計画(昭和初期)。
 大阪と名古屋を結ぶルートに南八日市駅も計画されたが、親会社の京阪の不振や昭和恐慌で路線計画は頓挫した。実現していれば東近江は阪急沿線だったという。
 辻さんは「滋賀県は地の利があるのに、私鉄はそれを活かしきれなかった歴史があり、そのことも知って欲しい」と話す。

******
ブログ筆者談:
今回紹介された名古屋〜大阪間の私鉄計画があったなんて知らなかった。現在、歴史ある近江鉄道は利用客の減で経営に行き詰まっており救済の意味で今後は上下分離方式による運行継続が決まっている。
鉄道の歴史を知るうえでこの本は役立ちそうである。早速、読んでみよう。

<滋賀報知新聞より>
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