東近江市など湖東地域の博物館などでつくる任意団体「鈴鹿山麓混成博物館」は、日野町と多賀町にちなんだランチメニュー「風土を味わう」を開発した。10月13、14日に関係者にお披露目した。団体は歴史文化遺産で観光振興を目指している。
団体は観光客により長く滞在してもらおうと、地域性を織り交ぜた食の提供に取り組んでいる。昨年度は東近江市内で3つのメニューを考えた。
日野町では、2022年の聖徳太子没後1400年に合わせ「綿向(わたむき)の郷御膳」を商品化。日野町内の桜谷地区は、聖徳太子が四天王寺(大阪市)を建立する際に木材を調達した地で、当時のきこりが杉や杣(そま)といった集落を形成したとされる。
「日野の伝統料理を継承する会」の代表外池よし子さんが中心となり、お年寄りらに聞き取り調査を実施して試作を重ねた。桜谷で祭礼時に食される「山みそ」や、日野祭の風物詩「鯛(たい)そうめん」、間引きした日野菜を一本使った「日野菜ずし」など計13品を作り、日野町伝統の漆器「日野椀(わん)」に盛り付けた。
↑写真:中日新聞より
11月27、28日に近江日野商人ふるさと館で、限定20食ずつを3500円で提供する。外池さんは「お年寄りには昔を思い出してもらい、若い人には山みその他の食べ方も提案したい」と語った。
多賀町では、メニューの14品全てに町産食材を使った「多賀奥山の癒し御膳」を披露。多賀町河内で手打ちそばや天ぷらが絶品の「奥山の癒(いや)し処 風緑(かざみどり)」の藤本君子店主が考案、調理した。「自分の足で食材を探して、多賀の食材をどうアレンジしていくか考えた」と工夫を凝らした。
町産そば粉で手打ちした多賀そばを稲荷に詰めた「多賀そば稲荷」、桃原地区で採れる桃原ごぼうのハンバーグやクルミあえなど、多賀の風土を存分に感じられる。
↑写真:中日新聞より
11月24〜30日(28日を除く)に「奥山の癒し処 風緑」、3000円で提供する。要予約。その時採れた物を使用するため食材が変わる可能性がある。飲み物は別料金。
日野の伝統料理を継承する会: 090(8456)1809
奥山の癒し処 風緑: 090(8932)1390
<中日新聞より>