彦根市内で栽培されている和リンゴ「平成の彦根りんご」のシードル(リンゴで造ったスパークリングワイン)が誕生した。

↑写真:中日新聞より
彦根城が世界遺産に登録された際に乾杯するため、市民らでつくる「彦根りんご保存会」と、まちづくり団体「結のまちづくり研究所」が協力して試作した。今後もシードル作りを続け、お祝いの時に備える。
彦根市内での和リンゴの生産は江戸時代に始まり、昭和30年ごろに途絶えた。2003年から市民有志が近い品種を探して平成の「彦根りんご」として「復活」させ、保存会などが今でも栽培を続けている。
「彦根りんご」を使ったシードル作りは、彦根城の世界遺産登録を期待する結のまちづくり研究所代表の柴田いづみさんが「登録されたときに彦根の特産品でお祝いしたい」と考え、保存会と協力して進めてきた。
長野県の醸造所に依頼し、330mlの瓶105本分のシードルが完成した。彦根市河原にある研究所の拠点で10月17日、関係者だけで試飲会を開催。量が少ないため1人約30mlと少量だったが、特産品で作ったお酒を楽しんだ。
和リンゴである平成の「彦根りんご」は、現在広く流通している西洋リンゴよりも酸味が強いが、柴田さんによると、試飲会では「爽やかな感じ」「すごく飲みやすい」という感想が出ていたという。
瓶のラベルは、彦根城への愛を込めたデザインにした。彦根りんごや彦根城の石垣をモチーフにした模様を描いたり、金亀山とそこに築かれた彦根城の絵を描くように「彦根」という文字を表現したりしている。
彦根城は、早ければ令和27年度に世界遺産に登録される見通し。それまでにシードルの製造量を増やすため、更に苗木を植えていくことも考えている。
柴田さんは「住民は乾杯の準備をしている。行政の方々にはなんとか頑張って欲しい」と話した。
<中日新聞より>