滋賀県が進める特別史跡・安土城址(東近江市、近江八幡市)の「令和の大調査」(2023~2042年)で、今年度の事業として昨秋から実施している天主台東面と本丸取付台中央部の発掘調査の成果が1月12日、発表された。
↑写真:滋賀報知新聞より
今回の調査は、安土城の最も中心部となる付近で、調査面積は315㎡。
天主台東面からは、信長から天下統一事業を引き継いだ秀吉が、天下人の城だった安土城を意図的に壊す「破城」を行った痕跡が見つかった。政権確立をアピールするのが狙いだったとみられる。
破城と判断した根拠は、残存する築石(表面に見える大きな石)の高さが水平にほぼそろって残っていることから、自然倒壊ではないとみた。
時期としては、八幡山城(近江八幡市)の築城に伴って廃城となった天正13年(1585年)の可能性が高い。
↑滋賀報知新聞より
また、本丸取付台からは建物の礎石や礎石跡が見つかり、このエリアの構造や機能を考える手がかりをつかむことができた。礎石は熱のために赤く変色し、建物は天主炎上の際に焼失したとみられる。今後、規模を確定する。
尚、調査では天主の金具や金箔瓦の出土が期待されたが、過去に火事場整理が行われたためか出土はなかった。
<滋賀報知新聞より>