林業振興に向けて東近江市永源寺地域に受け入れる地域おこし協力隊の委嘱式が5月30日東近江市役所であり、近江八幡市から移住する綿貫慧(わたぬき・けい)さんに委嘱状が交付された。任期は6月1日から1年間、1年ごとの更新で最大3年間。
国の制度である「地域おこし協力隊」は、移住した若者が支援を受けながら起業などにより地域活性化に取り組みながら、定住をめざす。東近江市内で19人目、永源寺地域の林業では3人目。
綿貫さんは近江八幡市出身。帯広畜産大学卒業後、農業関係の企業に就職。森林への思いが強まり、昨年、滋賀県の「もりづくりアカデミー」で林業従事者としての基礎技術を学んだ。
地域おこし協力隊の委嘱を受け、永源寺地域の和南町に移住し、滋賀県森林組合東近江事務所での研修を通じて実践経験を積み、林業従事者として活躍するとともに、従来の針葉樹材の活用に加え、広葉樹材の活用に向けた調査研究を進めることにしている。
綿貫さんは委嘱式で、「広葉樹の利用には安定供給や規格化の難しさといった課題があるが、木材流通の川上から川下までをつなぎ、そのデメリットをメリットに変えていきたい」と述べ、将来的にはあまり利用されない広葉樹について伐採から製材、加工、流通までの森林と人を結ぶ仕組みづくりに意欲を語った。
また、「受け入れて下さった地域の皆さんとの交流を大切にし、貢献できるよう地域活動にも積極的に参加していきたい」と話した。
小椋東近江市長は、「林業振興は勿論、豊かな自然を活用した地域活性化の取り組みにも期待している」と述べると共に、「行政としても全力でサポートするので、一日でも早く地域に慣れ親しんで協力隊の任務遂行に向けてがんばって欲しい」と励ました。
<記事・写真: 滋賀報知新聞より>