limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
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破壊工作から内戦へ

2017年02月02日 13時14分16秒 | 日記
随分、長い事聞いていなかった言葉がある。「永田町の論理」。この言葉の意味するところを説明することは容易ではないが、おおよそ以下の解釈で間違いないと思う。

1, 既得権益を守ること。
2, 自分に降りかかる火の粉は他人に降りかかる様にすること。
3, 自己保身に徹すること。
4, 金のなる木には群がること。
5, 権力者には巻かれること。
6, 火中の栗は拾わないこと。
7, 自分の利益に成ることはには必死に行動するが、利益に成らない事には近づかない。

これらを守ることが、日本の国会議員の「生き残りへの道」なのだが、これらに関しては今もって頑なに守られている。良くも悪くも日本の政治は「永田町の論理」に則って行われている。最終的には「数の論理」で押し切ってしまうと言う悪癖はあるが、日本の政治手法は政権交代があったとしても、一貫して護られていると言える。無論、こうした手法に一貫して「反対」している勢力もないわけではない。だが、国と国民を分断してまで覆そうとする勢力は、今のところ台頭してはいない。

今、世界中がアメリカ帝国のジョーカー総統の言動に振り回されているが、総統が目下やっていることは、アメリカ帝国の「ワシントンの論理」の破壊工作である。選挙戦争中から首尾一貫して「既成勢力から国民へ権力を取り戻す!」「強い栄光あるアメリカ帝国の復活」を唱えて、簒奪に成功した総統は「あらゆる既成・既得勢力」「従来型の政治論理」に対して「戦線布告」をしてその破壊のために「強権」を行使している。はっきり言えば「内戦」を仕掛けていると言ってもいい。「特定7カ国からの入国禁止」の総統命令に対する国民の支持率が、49%に達している事実を見せ付けられて、はっきり意識したことだが、総統は「破壊工作の進行具合」に対してかなりの自信を深めたに違いない。「分断と対立」を煽ることで、総統の「専制独裁政治」は支持を固めることになり、自身の安泰に繋がるからだ。「ワシントンから国民へ」とは言っているが、実態は自分への権力集中による「帝国主義」への回帰であり「保護主義と国粋主義」の徹底・浸透による「自国への利益誘導」と「世界覇権の掌握」だ。自国へ全ての富と権力を集めて「ジョーカー総統の秩序」で世界をコントロールすると言う「野望」の実現のためには、まず自国内から「反対分子」を排除しておかねばならない。簒奪後に18項目の総統命令を電光石火で発したのは、反対派を一掃するための「布石」に他ならないが、反対派も黙って「はいはい」と退くはずがない。議会上院での閣僚人事承認の遅延、官僚組織の構築遅れと一部の抵抗は「想定外」であったかも知れない。経済・外交・軍事の3政策についても「方向性にブレがある」のは、親衛隊内部の構造的欠陥と自らの「文盲」による「認識の古さ」を露呈したと言えよう。「永田町の論理」イコール「ワシントンの論理」とはいかない部分もあると思うが、論理に則して「総統の動き」を分析して見よう。

1.既得権益を守ること。
  個人的には、アメリカ帝国の総統となり合衆国を簒奪した以上、自らの地位と親衛隊の地位とそれぞれの個人資産の保全
  は言うまでもないが、それぞれの現在の資産を増やす(私腹を肥やす)ことも当然考慮しているだろう。帝国としての既
  得権益の保全と言う意味からすれば「TPPからの永久離脱」「NAFTAの見直し」「貿易赤字国に対する攻撃」
  「ジョーカーの長城の建設」「特定7カ国からの入国禁止」「難民受入れの停止」など、矢継ぎ早に総統命令を発して、
  帝国の安全と利権の確保に手段を選ばず驀進しているが、反発・反感・憎悪も増幅している。貿易に関する認識が古過ぎ
  るが故に、日本に対する風当たりが強まっているが、国際協調より自国最優先主義を掲げる以上、一定の衝突は計算して
  いるだろうが、自身の「無知」から出る発言の波紋については意に介する努力をしなくてはならない。後は「自国を割っ
  ての内戦」を勝ち抜く自信と覚悟があるか否かだ。

2.自分に降りかかる火の粉は他人に降りかかる様にすること。
  帝国の総統である以上「火の粉」は好む好まざるに関わらず日常的に降りかかる宿命を負っている。既存メディアに対す
  る「異常なまでの憎悪と挑発と弾圧」は、批判をかわす意味と「火の粉」を避ける傘の役割も持っているのだろう。自ら
  発する「ツイッター」での発信こそが「真実」で、既存メディアは「嘘偽りばかり」と罵るのは既存メディアの瓦解と弱
  体化を意図したものであるのは疑う余地がない。国内はこうした手法で回避できるが、対外的な「火の粉」を避ける傘は
  まだ定まっていないと考える。首脳外交でどれだけ「賛同者」を得られるかが課題だ。

3.自己保身に徹すること。
  現状に措いては、自己保身などは考慮すらしているヒマもないだろう。国内外のメディアに叩かれても「悪役」に徹しな
  ければ「アメリカ帝国第一主義」の推進は覚束ないからだ。周辺国や同盟国からも「憎まれ役」でいなくては、自ら掲げ
  た公約を果せない。軋轢を力で跳ね除け、国内の反対派を押さえつけ、権力を維持するためには「身内でさえも切り捨て
  る」ぐらいの冷酷な事をやらなくてはならないのだから、暗殺者に付け狙われても仕方ない。与党共和党からも「イスラ
  ム過激派に付け入る理由を与えてしまった」と嘆かれるほどに「悪のイメージ」が付いて回っている以上、保身どころで
  はない。肝心要の総統自身は、そういった意識は欠片も抱いていないだろうし。

4.金のなる木には群がること。
  TPPを捨てて二国間の貿易協定を優先したこと、NAFTAの「帝国に有利な条件」への見直しを宣言した以上、「金
  のなる木」は無いに等しい。世界の趨勢に背を向けた瞬間から、国内産業の衰退との戦いは始まっている。経済対策や雇
  用の確保が足踏みすれば、窮地に陥るのは免れないし、富の流出の懸念すらある。これからどうやって手を捜し局面を打
  開するか?手腕しだいでは総統の椅子も危ういだろう。

5.権力者には巻かれること
  与党共和党内にも「不協和音」が聞こえて来る中、今後の議会との対立が表面化すれば、総統命令の中には「覆される」
  ものも出てくるだろう。党内に有力な後ろ盾を持たない政権が1つの躓きで崩壊するリスクは否定できない。野党の抵
  抗、親衛隊の離反、官僚達の反乱にも神経を使う必要があるだけに、連邦政府が機能するまでは「不確定要素」が常に付
  きまとうだろう。

6.火中の栗は拾わないこと
  政権を簒奪した瞬間から、あらゆる栗を拾っているので、最早引き返せないし、捨てることも現状では無理。

7.自分の利益に成ることはには必死に行動するが、利益に成らない事には近づかない
  「利益に成るか・不利益にしかならないか?」の区別をしない内に、総統命令を連発したため、現在は「不利益」しか得
  られていない。「貿易赤字国」に対しても無用心な対処しかできていないため、不均衡の是正は困難を極めるだろう。対
  日・対中二国間交渉が進展しなければ、帝国経済に与えるダメージは計り知れない。総統支持者に対しても「有効なア
  ピール」が続かなければ、反感や疑念を招き反対派の勢いを抑えるどころか、自分の足元にも火が回る怖れがある。

以上、論理に則して冷静に考えてみたが、アメリカ帝国の「舵取り」は日に日に難しくなっていると言える。諸悪の根源はやはり「総統命令」であり、総統のツイート癖にもその一端が垣間見える。このまま帝国が「国威を保てるのか?」と問われれば「内戦の危険もはらんでいる」と言える。それほどの「分断」が帝国で進行しているのだ。総統は、自信満々で己の信じる道を驀進しているが、舞台裏では既に暗闘の気配が透けて見える。共和党も、総統を積極的に支えているとは言いがたいだけに、党内の亀裂と不協和音は不気味だ。総統は、自らツイートし積極的に発信を繰り返しているが、その発言を各国のメディアが取り上げて「更に拡散」させる事を意図的に狙っている。こうした手法は、要らざる不安や恐怖を増幅するだけでなく、嫌が上にも「アメリカ帝国への注目」を集めてしまう。そこで総統が「派手にパフォーマンス」を披露することで、自然に総統の動向に関心が集まり、支持者を広げていくだけでなく「期待感」をも抱かせてしまう。メディア批判をしなかせら、メデイアを「操り人形」のように駆使する。知らず知らずの内に「ジョーカーのスパイラル」に世界が踊らされている現状は、非常に危うい土俵際に立たされているとも言える。こうした巧妙な「負のスパイラル」から抜け出すことこそ、今の世界に求められている冷静な判断なのかも知れない。