まるぞう備忘録

無題のドキュメント

火山灰に埋もれた街。6。3つの覚悟。

2023-09-29 06:21:16 | 防災情報。

防災カレンダー

千葉県北西部





最初の決断。

富士山の噴火が発生した時、東京都市圏に住む私達はまず大きな選択をすることになります。それは

決断1:火山灰が流れてくる前に電車で、さいたま市以北に避難するか
決断2:自宅で約19日間サバイバルしたのち、復旧したJR鉄道で生活が出来る地域に避難するか



 今日の記事は決断2をした場合のサバイバルについて考察します。
 決断2を選択した方は、生き延びるために次の3つの覚悟をお願いします。



覚悟1:なんとしても生き延びる。

 まず19日間サバイバルをすると決断した場合は、約19日後には必ず火山灰に覆われた東京都市圏を脱出出来るから、それまではどんなことがあっても生き延びると心に強く決意すること。

 とにかく明日は助かるか、明日は助かるか、このまま本当に私達は大丈夫なのだろうか。という不安は心を弱くします。

 19日間はもう外には出られない。この家に閉じ込められていよう。
 でも約19日後は必ず助かる。
 と信じることで、気持ちを強く持つことが出来ます。



覚悟2:後半戦のサバイバル。

 自宅避難の後半戦に本当のサバイバルが起きるという覚悟。水が止まり、電気が止まり、備蓄食料も残り少ない。という状況で1週間以上過ごすことになる。という覚悟です。

 自宅避難を開始した最初はまだ水も電気もあります。この時に出来るだけ水を溜めておきます。お風呂の浴槽に満タン(これ以降自宅避難期間はお風呂は入れなくなります。貴重な貯水です)。家中の鍋や容器に水を入れて貯めて起きます。

 火山灰が降り積もり続けると、どこかのタイミングで電気は止まる。火山灰が濡れて碍子が漏電するか、火山灰の重みで電線が断線するか、倒木で断線するか、あるいは火力発電所が順番にダウンして供給が追いつかなくなるか。いずれにせよ、停電になるXデーは必ず来るという覚悟。

 そして水も止まります。浄水場の地域が停電になったのか、濾過池に備えた非常用シートが火山灰の重みに耐えられなくなったのか、そもそも浄水場に取り入れる取水の時点で水の濁度が基準を超えてしまうのか。

 電気が止まるXデーと水道が止まるXデー。これがいつ来るかは運次第です。
 降灰期間。降灰量。風向き。

 自宅避難開始数日後に来る可能性もあるし、1週間以上も水や水道が使える幸運な地域もあるかもしれません。

 いずれにせよ、電気が止まり、水が止まっていく時に、決してパニックにはならず「いよいよ本番サバイバルが始まりなすった」と心を強く保ってください。



冬眠の熊のように温存して過ごす。

 ここからはここは街中の自宅でありながら、街中の自宅ではありません。隔離された山小屋で、約2週間生き延びるのです。(自宅避難後半戦1週間と降灰終了から鉄道が再開するまでの5日間。という目安です。)

 登山遭難者は、水とマヨネーズだけで2週間生き抜いた人がおります。最近ではチョコレートと共にマヨネーズも登山の非常食として人気なようです。
・カロリーが高いこと。
・タンパク質が豊富なこと。
・酢酸が摂取できること。
など。
 マヨネーズを摂りすぎるマヨラーはメタボになりやすいですが、避難時はそれが味方になります。

 水が止まったら、お鍋や浴槽に貯めた水が少しずつ大切に飲水として使います。ギリギリ節約すると飲水として一人1日1リットルで生き延びられるそうです。
 もちろん水が止まればトイレも非常トイレに切り替えです。

 無駄なカロリーを浪費しないために、自宅でじっと動かず体力を温存します。ここは「山小屋」なのです。

 とにかく
・自宅避難前半1週間(水と電気あり)
・自宅避難後半1週間(水や電気が順次止まる)
・降灰終了後鉄道再開5日間

 この期間を自宅という「山小屋」で、ひたすら冬眠熊のように、水温存、食料温存、体力温存で。

 とにかく「水とマヨネーズだけで2週間生き延びる」を基準として。そうすると「まだあれもある。これもある。」という視点で自分の避難生活を見直すことが出来ます。



【小説】人類のこれまでの負の因子を昇華している真っ最中。

 運が悪ければ
・後半戦(水や電気が順次止まる)が長いかも。
・降灰期間が2週間よりもう少し長いかも。
・降灰終了後の鉄道再開は5日よりもう少し長いかも。

 300年前の江戸時代より、昇華すべきものが多かったのか。仕方ないね。人類の連帯責任だからな。という小説があるかもしれません。
 その時は、再度腹を括りなおして生き延びたいと思います。



覚悟3:住み慣れた自宅を離れる。

 降灰が終了して鉄道が再開したら、一旦はこの自宅を離れる。という覚悟です。その期間が数ヶ月なのか。数年になるのか。もうちょっと長いのか。
 思い出深いこの自宅でありますが、約19日後。サバイバル終了とともに、私達はこの家を去ることになる。という覚悟をお願いします。



最初に腹を括ることが、生き延びる確率を高める。

 とにかく避難生活の中で、希望を失うことが一番良くない。
・電気が止まってしまう。
・水が止まってしまう。
・本当に私達は助かるのだろうか。
・この家はどうなるのか。などなど。

 だから最初に、これらを手放す覚悟をして、でもそれでも生き延びるんだ。水とマヨネーズだけでも生き延びられる。冬眠熊のように自宅で巣ごもり。鉄道再開のその日を待ちましょう。この火山灰に埋もれた街から脱出できる日は必ず来ます。



つづく




おまけ(読者の方によって教えて頂いたこと)
==========
玲玲さん
・・・
記事違いですが、私の先祖は加賀藩からの入植者で、最初の入植者達は、浅間山の噴火で田畑の回復を加賀の浄土真宗門徒の百姓にさせることを加賀藩と笠間藩などで決めて手形をもらって入植が始まったと、富山県の資料で読みました。
火山灰が降り積もる田畑を開墾し直すことはどれぐらい大変なのか想像もつきません。
浄土真宗門徒は、茨城県の浄土真宗のお寺に入り、今で言う役所のようにお寺を頼って開墾し始めたそうです。
当時は電気も水道も無いので、森のそばで湧水が出やすい場所を探して、そこに家を建てて開墾したそうです。
井戸を掘ると言うより、何かを崖の下の方の土に刺して、水が出るか調べて住む場所を決めたのかしらと想像します。
私の先祖は最初の方では無く、後からの入植ですが、戸籍記録を見ると、24歳の若夫婦が祖父と父母、子供を連れて歩いて来たのだな、と想像しました。
面白いことに千葉や群馬栃木福島までの入植者の分布図を見ると、今農業で力がある地域ばかりでした。
さて、私は農家なので、作物を作り続けられるか?と降灰と軽油、物流問題もあるので、その時にある作物でなんとか出来るか、出来たら人助けが出来る環境だと頑張りたいと思いました。そうならなくても仕方ないですが。
私には先人達のような何も無い場所で生きる知恵が無いこともありますが、遺伝子を信じてなんとか出来る方向に進みたいです。

→ お話ありがとうございます。そうなのです。私達日本人もまたハングリーで生命力の勍い民族であります。だけど高度成長以降そのことが忘れ去られてしまっている懸念がある。振り子は必ず揺り戻す。

でも必ず大丈夫です。

==========


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7 コメント

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Unknown (Unknown)
2023-09-29 07:17:07
19日も耐え忍ぶくらいならば、さっさと関西にでも引っ越してしまう方が楽ちんだな~と個人的には思いました。
もちろん、引っ越しはカンタンに出来ることではないですけど。
まるぞうさんや、玲玲さんのように「体力に自信あり」の人以外は、引っ越せるなら引越しちゃいたくなるんじゃないかな~と思ってしまいました。
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Unknown (Unknown)
2023-09-29 09:23:01
今日は負けるかもと思いながら見ていましたがなんとかラグビー勝ちました。フィージーなどのアイランダーが日本の為に頑張ってくれて感謝しかありません。次戦も頑張れ!
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Unknown (Unknown)
2023-09-30 01:17:36
自宅避難とそのための各家庭における水・食料の備蓄は極めて重要だと思います。
降灰数cmの様に、家、工場、各種インフラの物理的破壊を伴わない場合はもちろん、コンクリート建築や高層建築の多い東京圏においては、地震や台風、津波時においても有効です。
返信する
Unknown (Unknown)
2023-09-30 01:43:20
自治体による食料備蓄量は東京都では全住民に対する1食分、埼玉・千葉・神奈川で0.5食分程度にすぎません。
コンビニやスーパー、配送センター等の市場在庫の方がよほど大量にありますがそれでも2日分程度が限界です。
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Unknown (Unknown)
2023-09-30 02:51:28
噴火はかならず2週間続くとは限らず、逆に2週間以上続く場合もあり得ます。
また、噴火期間中も連続して噴煙を出し続けるわけではありません。
さらに風向きや風力、噴煙の高さも一定ではありません。
従って、2週間にわたり毎日一定量で堆積厚が徐々に増えていくわけではありません。

例えば、東京直撃の最悪ケースのシミュレーション結果において、新宿の降灰の降灰量は、噴火後最初の2日間で15日間全体の8割程度に達します。
更にその後の降灰は3回だけと言う結果になっており、仮にこの場合だと、清掃や復旧作業は噴火後3日目から可能となります。

これは恣意的なものではなく、宝永噴火の事例に基づいたシミュレーションであり、また実際に多くの噴火事例において噴火初期が最も噴出量が多く、噴煙の高さも高くなっています(遠方まで届く→都内の降灰量が増える)。

とは言え、可能性は高くないものの、噴火が長期間続いたり、噴火期間後期に大量の噴出物を高高度まで噴き上げて、その時の風向きが東京方面であり強く吹いている可能性もあります(噴火期間後期に東京で被害が発生する可能性もあります)ので、備えは必要です。
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Unknown (Unknown)
2023-09-30 03:49:48
仮に断水することがあっても、タンク式トイレについては水(雨水でもok)さえあれば、普通に水洗で使用可能です。
衛生面でも精神面でも水の備蓄をして水洗トイレの利用をお勧めします。
使用済みペットボトルに水道水を入れて、庭やベランダに放置しておけばokです(ラベルは剥がさないと劣化する)。
よほど古いタイプでない限り、2Lペットボトル2本で大も流せます。
返信する
Unknown (Unknown)
2023-09-30 04:24:51
鉄道が復旧しているのであれば、停電も復旧している可能性が高い。
東京電力の電力の方がメッシュ網でバックアップ回線が豊富であること、保守要員が豊富であることから、首都圏のJRに限って言えば、逆に東京電力よりも復旧が遅れる可能性すらある。

なお停電だけでなく、JRが復旧していると言うことは、乗務員や駅員等を確保している事が前提になるため、その他の交通インフラや食料供給も一定程度復旧している可能性が高い。
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