あれは,あれで良いのかなPART2

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教科書の美しさならクラス1

2006年05月12日 23時47分49秒 | 教育問題
タイトルは,昔小学館の「小学*年生」とかいう雑誌に載っていた川柳ですが,意味としては「教科書を全く使っていないくらい勉強していないよ」ということで,子供心に妙に共感できる内容でしたので記憶に残っていました。
ところが,どうやらこの川柳,笑い話にならない可能性が出てきました。
財務省は,財政難を理由に,小中学校の教科書無償制度を改めて有償制にするか,または貸与方式とし,汚損した場合は買い取るなどという制度を検討するよう文部科学省に申し入れたそうです。もちろん,文部科学省は猛反対しています。

貸与って使い回し?

教科書に関する予算は年間約400億円です。教科書の予算75年分と米軍移転費用がほぼ一致します。教科書は基礎教育の要になるため,ここをけちって果たして人材育成が可能なのか疑問があります。
財務省は「先進国で無償なのは日本とイタリアくらい」と主張していますが,大切なのは外国がやっているやっていないということではなく,日本の教育を考える上で教科書をどのように位置づけるか,という点にあるといえます。
仮に,教科書の無償かが困難であるとしても,有償制にするならばともかく,貸与制は非常に問題があります。なぜなら,教科書に書き込みが一切できないからです。当然,アンダーラインとかは禁止,ひげを核などの落書きはもってのほかです。
教科書に書き込みができないということは,「教科書が使えない」に等しいことになります。これで,基礎学力の低下を本当に阻止できるのでしょうか。また,汚損した場合は買い取るという方法をとると説明していますが,それこそ「金持ちは教科書に書き込んで勉強できるが,貧乏人はじっと教科書を眺めるだけでいろ」という教育格差社会が発生しかねません。
現実的な話として,誰でも経験したように,教科書にはみな多少の落書きをします。「私は教科書に一切落書きをしなかった」という方がいましたら,本当に勉強好きだったのでしょう。少なくとも,私はひげやしわを書く程度の落書きはしていました。
そんな感じですから,子供はみな落書きをするわけで,そうなると「貸与教科書を汚したから買い取れ」となるわけです。これは,事実上「有償制度」に等しいと言えるでしょう

私は,無償制度は維持するべきだと思いますが,仮に有償制度にするのであれば,その代償措置として,「就学援助の枠を拡大」する必要があると考えます。すなわち,教科書を購入するのが困難な家庭のために,市町村がフォローすることになります。そして,その原資は,国家予算で浮いた400億円です。すなわち,国から市町村に財源委譲するわけです。むしろそうしなければ,市町村に過度の負担が及ぶだけになってしまいます。
以上から考えると,結局教科書を有償化しても,国家財政はあまり影響ないということになります。ならばやはり無償制度を維持したら,ということになります

今回の考え方については,与党側も同意しているようですが,単純に「教科書を有償にしたから国の無駄遣いが減った。」と考えているのであれば,それは大きな間違いであるという点を十分認識してほしいと思います。そして,何よりも「何のための,誰のための教育化」という原点を見直して,政策を十分検討してほしいです

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