あれは,あれで良いのかなPART2

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「不景気に街金は儲かる」神話まで崩壊する不景気

2009年02月24日 00時53分19秒 | 経済全般
いわゆる中小企業に対する貸付を主な業務にしていた業界大手SFCG(旧商工ファンド)が民事再生法の適用を東京地裁に申立て,事実上倒産しました。負債金額は3380億円で,今後再生計画を策定し,会社再建を図るつもりのようです。

旧商工ファンドが民事再生法=負債3380億円で今年最大-東証1部のSFCG(時事通信) - goo ニュース

金貸しも厳しい景気

SFCGは,過去にかなり厳しい取立が問題となり,それを受けて取立の見直しなどを行うなど,一時期落ち着いてきました。しかし,一昨年あたりから,繰り上げ一括返済を求めるなど,いわゆる「貸し剥がし」を進めてきました。
今回,皮肉にも,会社自身が「貸し渋り」「貸し剥がし」にあってしまい,経営破綻してしまいました。
ところで,不景気の時は,銀行が貸し渋りをすることから,いわゆる街金の業績はかなり伸びます。事実,数年前までの高額納税者の上位には,大手街金業者経営者が名前を連ねていました。
しかし,予想以上の不景気のため,金主さん自身がかなり危ない状態になってきてしまい,「投資金の引き上げ」を進めるようになりました。また,2006年の最高裁判例で「グレーゾーン金利は違法なので,返還を求められる」となってから,一気に過払い利息返還訴訟が続出し,また貸出金利も一気に40%から15%にまで減少させてしまったことから,街金業者も相当資金繰りに苦労しているようです。
今回のSFCGも,金主の1人にリーマンがいたことから,投資金額の返還を求められてしまい,一気にキャッシュフローが行き詰まったようです。

これは自業自得だよ」っていう声も聞こえてきそうですが,実は手放しでSFCGの破綻を喜べない部分があります。それは,「ここが破綻すると,経営難の中小企業に融資をする金融機関がなくなる」っていうことです。つまり,「倒産件数がかなり増える」ことが懸念されます。
もちろん,銀行融資を断られた時点で,会社の先行きはかなり不透明となり,街金に手を出す段階で,かなりの確率で倒産しやすいっていう事情は否めません。
しかし,一方で,「中小企業の最後のよりどころ」になっていたことは事実であり,この融資で立ち直った企業もかなりあります。
このような街金(しかも大手)が新規融資を制限するとなると,このような経営難の中小企業は,もはや「早期倒産」か「闇金」に手を出すしかなくなります。つまり,「どっちころんでも倒産」っていう中小企業が急増することになるのです。
「じゃあ,銀行が融資を増やせ」という意見もあり,一見正論に思えますが,かつて不良債権が増えて銀行経営が破綻した事情は,「過剰融資」にあるので,安易に融資枠の拡大はできません。
あとは,「国や自治体の融資制度を使いやすくする」ということで回避するしかないでしょう。ただし,「新銀行東京」のように,そうした理念だけが先行した結果,いい加減な融資が横行して結果赤字経営となったり,政治家の口利きというハイエナのエサになってしまうなどの事例もあります。特に,ハイエナ政治家の横行だけは絶対に阻止しなければなりません。

今回のSFCGの経営破綻は,今後ほかの街金にも影響を及ぼすかもしれません。かつては栄華を誇った街金も,この不景気を儲けるチャンスにはならないどころか,連鎖破綻の怖さを秘めているのかもしれませんね。

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