衆院選は、下馬票どおり自公圧勝となりました。おそらく3分の2を超えるとみられていますが、全体的には前回議席より微増となります。
一方、野党は民主党が微増となった代わりに、維新の党が激減するなど第三極といわれる政党がかなり議席を失いました。その分、共産党が三倍以上議席を伸ばす展開となっています。
なお,投票率は52%台で戦後最低となる見込みのようです。
今回は「野党自滅選挙」
今回の総選挙は「大義なし」などと言われていますが,それよりなにより,特に野党においては「政策ふなっしー」でした。これが風が吹かない要素といえます。
一方,自民党は,「アベノミクス解散」と銘打ちましたが,消費税増税を行うのに圧勝するというこれまた前代未聞な結果となりました。過去,増税公約で勝ったことは稀有といえます。
この結果を受けて,一部では「安倍政権の暴走が始まる」,「軍国主義の復活」などと言われておりますが,この選挙結果を踏まえると必ずしもそうとも言えないと思われます。
まだ,これを書いているときは全部のふたが開いていませんので確定的なことは言えませんが,出口調査及び開票状況の動きを見る限り,下馬評で言われた「自民党単独3分の2」には遠く及ばず,また自公で獲得した議席は,前回より微増程度に留まりそうです。これは,ちょっと微妙ですね。
今回の選挙,投票率は戦後最低となりました。となると,組織投票になるため,組織率の高い自公が圧勝するのは当然の法理です。ところが,今回の結果は,圧勝ではあるものの,前回とそんなに変わらないということになると,実は「伸び悩み」とも言えるのではないでしょうか。
だとすると,世論はまだまだ批判票が多いともいえます。
また,再来年2016年7月には参院選が控えています。仮にここで暴走したら,この参院選で自民党は惨敗するというリスクもあります。だとすると,まずは参院選が終わるまでは暴走できず,かつ世論の批判票をもう少しかわす必要があるはずなのです。
一方,野党は本当にふがいないものでした。今回の自民党圧勝の結果の最大の要素は「ほかに入れる政党がないから」にほかなりません。野党が野党として機能していなかったからです。
もちろん,各党言い訳があり,それは事情としてよーく分かります。しかし,有権者は経過より結果を重視します。ところが,野党ではまず候補者がまともに出せなかったこともありますし,何よりも公約の中身がよくわからないものが多かったです。もっと端的に言うと,「将来に向けたビジョンが見えない」というものでした。
民主党はかつて政権を担った政党なのですから,政権時代の経験を踏まえ,より具体的かつ根拠をもったものを示すべきなのですが,残念ながらむかーしの政権持たない頃の民主党とそんなに変わりませんでした。これでは,なんでかつて政権を持ったのかどうか分かりません。
維新の党が大きく議席を減らしたのは,大阪府内でいろいろやっていたものの,それが国政にどう反映するのか,もっというと大阪以外の議員がどこまできっちり活動してきたのか,それが全く見えなかったからという点が大きいといえます。
さらに,みんなの党解党は痛手でした。この時期に解党するのは,まさに野党屋台骨を揺るがしたといっても仕方ありません。
今回,野党が選挙区調整を行いましたが,そもそもそうした小手先だけのテクニック以前に,「政策がなんだ」「なぜ自公政権の政策がけしからんのか」ということをもっともっとはっきりと,かつ分かりやすく国民に伝えることが重要でした。ここがまさに野党連合として「だめよ~ダメダメ」な部分だったのです。
ところで,この野党のふがいない票がどこに行ったのかというと,ほとんどが共産党でした。共産党が一気に3倍に議席を増やしましたが,大きく票の動きをみると,維新や第三極の議席のほとんどが共産党に回った,っていう感じになっています。
都知事選の時もそうですが,今,共産党が野党としての受け皿になりつつあります。おそらく,良い意味でも悪い意味でもぶれないという姿勢が評価されていると思われますが,一方で,共産党も組織票が強いので,投票率が低いということの裏返しとして議席を伸ばしている可能性も高いです。
さあ,今後どう政局が動くでしょうか。
前述のとおり,消費税増税は既定路線として進みますが,とりあえず再来年の夏までは大きなばくちは打ってこないはずです。とはいえ,地味にいろいろ政策を進めていくことは間違いありません。
野党としては,まず確実な立て直しが必要です。この際,やはり重要なのは「政策」です。永田町ゲームの理論で話を進めていっても,国民は全く見向きもしません。逆に言うと,ここに国民の心をつかむようなものをきっちり打ち出せば,カリスマ的代表でなくとも,ある程度野党としての力が増してくるのではないかと思います。
しかし,そのための時間はわずかです。具体的には次回の参院選までです。ここで野党が勝てなければ,憲法改正も余裕でできるようになりますので,もはや手の打ちようがなくなります。
一方,自民党は,圧勝で踏ん反り替えってはいけません。かつて,これで失敗したのがいわゆる「小泉チルドレン」です。かつて自民党は「あなたの隣に自民党」という感じで,実はきちんとどぶ板選挙,政治活動を繰り広げてきました。今回,世論は自民党万々歳ではありませんから,絶対に天狗にならず,こうした政治家としての基本的な活動を行い,きっちり民の声を聴いてもらいたいと思います。
こう考えると,参議院の役割って意外と大きいものなのです。
あとは,有権者の考え方ですね。国民の半分が白紙委任しているということは,非常に恥ずかしいと言わざるを得ません。政治不信の原因を作っているのは,実はこうした有権者の無関心にある,っていうことはきちんと自覚してほしいと思います。国の行方を決めるのは,官僚でも政治家でもない,私たち有権者なのであります!
以上,今回の選挙の概括でした。個別的な話はツイッターで呟きたいと思います。
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一方、野党は民主党が微増となった代わりに、維新の党が激減するなど第三極といわれる政党がかなり議席を失いました。その分、共産党が三倍以上議席を伸ばす展開となっています。
なお,投票率は52%台で戦後最低となる見込みのようです。
今回は「野党自滅選挙」
今回の総選挙は「大義なし」などと言われていますが,それよりなにより,特に野党においては「政策ふなっしー」でした。これが風が吹かない要素といえます。
一方,自民党は,「アベノミクス解散」と銘打ちましたが,消費税増税を行うのに圧勝するというこれまた前代未聞な結果となりました。過去,増税公約で勝ったことは稀有といえます。
この結果を受けて,一部では「安倍政権の暴走が始まる」,「軍国主義の復活」などと言われておりますが,この選挙結果を踏まえると必ずしもそうとも言えないと思われます。
まだ,これを書いているときは全部のふたが開いていませんので確定的なことは言えませんが,出口調査及び開票状況の動きを見る限り,下馬評で言われた「自民党単独3分の2」には遠く及ばず,また自公で獲得した議席は,前回より微増程度に留まりそうです。これは,ちょっと微妙ですね。
今回の選挙,投票率は戦後最低となりました。となると,組織投票になるため,組織率の高い自公が圧勝するのは当然の法理です。ところが,今回の結果は,圧勝ではあるものの,前回とそんなに変わらないということになると,実は「伸び悩み」とも言えるのではないでしょうか。
だとすると,世論はまだまだ批判票が多いともいえます。
また,再来年2016年7月には参院選が控えています。仮にここで暴走したら,この参院選で自民党は惨敗するというリスクもあります。だとすると,まずは参院選が終わるまでは暴走できず,かつ世論の批判票をもう少しかわす必要があるはずなのです。
一方,野党は本当にふがいないものでした。今回の自民党圧勝の結果の最大の要素は「ほかに入れる政党がないから」にほかなりません。野党が野党として機能していなかったからです。
もちろん,各党言い訳があり,それは事情としてよーく分かります。しかし,有権者は経過より結果を重視します。ところが,野党ではまず候補者がまともに出せなかったこともありますし,何よりも公約の中身がよくわからないものが多かったです。もっと端的に言うと,「将来に向けたビジョンが見えない」というものでした。
民主党はかつて政権を担った政党なのですから,政権時代の経験を踏まえ,より具体的かつ根拠をもったものを示すべきなのですが,残念ながらむかーしの政権持たない頃の民主党とそんなに変わりませんでした。これでは,なんでかつて政権を持ったのかどうか分かりません。
維新の党が大きく議席を減らしたのは,大阪府内でいろいろやっていたものの,それが国政にどう反映するのか,もっというと大阪以外の議員がどこまできっちり活動してきたのか,それが全く見えなかったからという点が大きいといえます。
さらに,みんなの党解党は痛手でした。この時期に解党するのは,まさに野党屋台骨を揺るがしたといっても仕方ありません。
今回,野党が選挙区調整を行いましたが,そもそもそうした小手先だけのテクニック以前に,「政策がなんだ」「なぜ自公政権の政策がけしからんのか」ということをもっともっとはっきりと,かつ分かりやすく国民に伝えることが重要でした。ここがまさに野党連合として「だめよ~ダメダメ」な部分だったのです。
ところで,この野党のふがいない票がどこに行ったのかというと,ほとんどが共産党でした。共産党が一気に3倍に議席を増やしましたが,大きく票の動きをみると,維新や第三極の議席のほとんどが共産党に回った,っていう感じになっています。
都知事選の時もそうですが,今,共産党が野党としての受け皿になりつつあります。おそらく,良い意味でも悪い意味でもぶれないという姿勢が評価されていると思われますが,一方で,共産党も組織票が強いので,投票率が低いということの裏返しとして議席を伸ばしている可能性も高いです。
さあ,今後どう政局が動くでしょうか。
前述のとおり,消費税増税は既定路線として進みますが,とりあえず再来年の夏までは大きなばくちは打ってこないはずです。とはいえ,地味にいろいろ政策を進めていくことは間違いありません。
野党としては,まず確実な立て直しが必要です。この際,やはり重要なのは「政策」です。永田町ゲームの理論で話を進めていっても,国民は全く見向きもしません。逆に言うと,ここに国民の心をつかむようなものをきっちり打ち出せば,カリスマ的代表でなくとも,ある程度野党としての力が増してくるのではないかと思います。
しかし,そのための時間はわずかです。具体的には次回の参院選までです。ここで野党が勝てなければ,憲法改正も余裕でできるようになりますので,もはや手の打ちようがなくなります。
一方,自民党は,圧勝で踏ん反り替えってはいけません。かつて,これで失敗したのがいわゆる「小泉チルドレン」です。かつて自民党は「あなたの隣に自民党」という感じで,実はきちんとどぶ板選挙,政治活動を繰り広げてきました。今回,世論は自民党万々歳ではありませんから,絶対に天狗にならず,こうした政治家としての基本的な活動を行い,きっちり民の声を聴いてもらいたいと思います。
こう考えると,参議院の役割って意外と大きいものなのです。
あとは,有権者の考え方ですね。国民の半分が白紙委任しているということは,非常に恥ずかしいと言わざるを得ません。政治不信の原因を作っているのは,実はこうした有権者の無関心にある,っていうことはきちんと自覚してほしいと思います。国の行方を決めるのは,官僚でも政治家でもない,私たち有権者なのであります!
以上,今回の選挙の概括でした。個別的な話はツイッターで呟きたいと思います。
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