前回の記事は速報的なものかつかなりアドレナリンがでた状態でしたが,ある程度大勢が判明し若干冷静になってきたため,それを踏まえて少しポジティブな観点から分析したいと思います。
(9月13日追記:更に分析記事ができました。よろしければこちらをクリックしてください。その記事に飛びます。)
1 牛丼屋選挙VSファミレス選挙
2 浮動票が都市部で自民党に流れた意味
1 牛丼屋選挙VSファミレス選挙
こんなことを言っている人は私以外にはいないと思います。独自の理論です。
今回の選挙は,自民党は「郵政民営化」一本に争点を絞りました。一応120の公約はあるものの,選挙の際には「郵政民営化に賛成ですか,反対ですか」だけに絞って選挙を戦いました。
これは,牛丼屋なんですね。すなわち,牛丼屋では「並,大盛り」しか選択肢がないわけですから,牛丼屋のコンセプトとしては,「あなた牛丼食べますか,食べませんか」というところにあるわけです。
一方,民主党は,争点を多様に持ってきました。年金問題,少子化対策,税制改革など。
これは,メニューが豊富にある,ファミレスなんです。すなわち,ファミレスに行けばハンバーグも,カレーライスも,ステーキも,もちろん牛丼もあるわけですから,ファミレスとしては「何食べますか。うちのメニューはどれもおいしいものばかりですよ」という点にあるわけです。
このように,今回は,牛丼屋選挙vsファミレス選挙になったわけです。
私としては,開票までは,「国民の舌も目も情報も肥えているから,いくら何でも牛丼屋一本では勝負は難しいのかなあ」と分析していました。しかし,結果は逆で,むしろ「個性のないファミレスならば,味が期待できる牛丼屋に行こう」という選択をしたわけです。そういう意味では,国民は決してバカ舌ではなかったのかもしれません。
もう少し正しくいうと,ファミレス選挙が本来の選挙としては正当な手法なのですが,メニューがありすぎたために,一体うまいまずいをどうやって判断したらよいのか悩んでしまったのではないでしょうか。更に言うと,民主党のプレゼン不足=蝋細工の見本がなかったという点が,最大の失敗だったでしょう。
さて,今後も牛丼屋選挙でずーっとやっていけるでしょうか。答えはNOです。やはり,基本は多様なメニューから選択させるというファミレス選挙が基本になると思います。ただし,憲法改正等重要な案件による選挙となった場合は,牛丼屋選挙という手法もありかもしれません。
2 浮動票が都市部で自民党に流れた意味
自民党は基本的に組織票によって当選しています。そして,政権与党に批判的である浮動票は,野党に票が流れるという傾向があります。
従来,組織率の弱い都市部では,浮動票は基本的は政権与党に批判的であることから,野党第一党たる民主党に票が流れていきました。
しかし,今回はなぜ自民党に流れたのでしょうか。
それは,浮動票は単に批判しているだけではなく,今後に対する強い期待を投じているに過ぎません。つまり,「期待票」なのです。
では,なぜそれが政権与党に流れたのでしょうか。理由は,日本が変わる改革の期待が自民党にあると判断したからです。もっというと,牛丼屋選挙によって,郵政民営化が実現すれば,次々に大きな改革が実現でき,自分たちの生活もよくなるのではという期待を込めた票であったといえるでしょう。
したがって,自民党幹部が注意しなければならないのは,今回の大勝は別に小泉政権を支持したというわけではなく,小泉政権に対して大きな期待を持っているという程度に過ぎないということです。言い方を変えると,今度の4年間でいい加減なことをやった場合,即座にこの浮動票は自民党から離れていきます。
一方,民主党はどうするべきだったのでしょうか。やはり,改革に対する具体的なイメージがわくような説明をするべきでした。しかも,これは選挙前からずーっと行うべきだったのです。
ターニングポイントは,春先の「審議拒否」です。あそこは残念ながら真意が国民に伝わっていませんでした。むしろ,あそこで真っ向から勝負して玉砕した方が,改革に対する意気込みを国民は感じ,期待票も増えたことでしょう。
民主党は,これから4年間は,いつ選挙になってもよいように,日々自分達の考え方を国民に伝える努力をする必要があります。
3 今後の展開(予想)
まず,郵政民営化は可決成立します。
今回の衆議院は戦後2回目の解散しない議会になります。
続いて農協と商工中金民営化を手がけようとします。
小泉政権は1年後で終わり,約束どおり首相が替わります(安倍首相が誕生します)。
安倍首相は,まず税制改革を手がけます(サラリーマン増税と消費税増税が実現します。)が,安倍首相なら国民は納得します(プレゼンの勝負)
安倍首相は,憲法9条の改正を行います。
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1 牛丼屋選挙VSファミレス選挙
2 浮動票が都市部で自民党に流れた意味
1 牛丼屋選挙VSファミレス選挙
こんなことを言っている人は私以外にはいないと思います。独自の理論です。
今回の選挙は,自民党は「郵政民営化」一本に争点を絞りました。一応120の公約はあるものの,選挙の際には「郵政民営化に賛成ですか,反対ですか」だけに絞って選挙を戦いました。
これは,牛丼屋なんですね。すなわち,牛丼屋では「並,大盛り」しか選択肢がないわけですから,牛丼屋のコンセプトとしては,「あなた牛丼食べますか,食べませんか」というところにあるわけです。
一方,民主党は,争点を多様に持ってきました。年金問題,少子化対策,税制改革など。
これは,メニューが豊富にある,ファミレスなんです。すなわち,ファミレスに行けばハンバーグも,カレーライスも,ステーキも,もちろん牛丼もあるわけですから,ファミレスとしては「何食べますか。うちのメニューはどれもおいしいものばかりですよ」という点にあるわけです。
このように,今回は,牛丼屋選挙vsファミレス選挙になったわけです。
私としては,開票までは,「国民の舌も目も情報も肥えているから,いくら何でも牛丼屋一本では勝負は難しいのかなあ」と分析していました。しかし,結果は逆で,むしろ「個性のないファミレスならば,味が期待できる牛丼屋に行こう」という選択をしたわけです。そういう意味では,国民は決してバカ舌ではなかったのかもしれません。
もう少し正しくいうと,ファミレス選挙が本来の選挙としては正当な手法なのですが,メニューがありすぎたために,一体うまいまずいをどうやって判断したらよいのか悩んでしまったのではないでしょうか。更に言うと,民主党のプレゼン不足=蝋細工の見本がなかったという点が,最大の失敗だったでしょう。
さて,今後も牛丼屋選挙でずーっとやっていけるでしょうか。答えはNOです。やはり,基本は多様なメニューから選択させるというファミレス選挙が基本になると思います。ただし,憲法改正等重要な案件による選挙となった場合は,牛丼屋選挙という手法もありかもしれません。
2 浮動票が都市部で自民党に流れた意味
自民党は基本的に組織票によって当選しています。そして,政権与党に批判的である浮動票は,野党に票が流れるという傾向があります。
従来,組織率の弱い都市部では,浮動票は基本的は政権与党に批判的であることから,野党第一党たる民主党に票が流れていきました。
しかし,今回はなぜ自民党に流れたのでしょうか。
それは,浮動票は単に批判しているだけではなく,今後に対する強い期待を投じているに過ぎません。つまり,「期待票」なのです。
では,なぜそれが政権与党に流れたのでしょうか。理由は,日本が変わる改革の期待が自民党にあると判断したからです。もっというと,牛丼屋選挙によって,郵政民営化が実現すれば,次々に大きな改革が実現でき,自分たちの生活もよくなるのではという期待を込めた票であったといえるでしょう。
したがって,自民党幹部が注意しなければならないのは,今回の大勝は別に小泉政権を支持したというわけではなく,小泉政権に対して大きな期待を持っているという程度に過ぎないということです。言い方を変えると,今度の4年間でいい加減なことをやった場合,即座にこの浮動票は自民党から離れていきます。
一方,民主党はどうするべきだったのでしょうか。やはり,改革に対する具体的なイメージがわくような説明をするべきでした。しかも,これは選挙前からずーっと行うべきだったのです。
ターニングポイントは,春先の「審議拒否」です。あそこは残念ながら真意が国民に伝わっていませんでした。むしろ,あそこで真っ向から勝負して玉砕した方が,改革に対する意気込みを国民は感じ,期待票も増えたことでしょう。
民主党は,これから4年間は,いつ選挙になってもよいように,日々自分達の考え方を国民に伝える努力をする必要があります。
3 今後の展開(予想)
まず,郵政民営化は可決成立します。
今回の衆議院は戦後2回目の解散しない議会になります。
続いて農協と商工中金民営化を手がけようとします。
小泉政権は1年後で終わり,約束どおり首相が替わります(安倍首相が誕生します)。
安倍首相は,まず税制改革を手がけます(サラリーマン増税と消費税増税が実現します。)が,安倍首相なら国民は納得します(プレゼンの勝負)
安倍首相は,憲法9条の改正を行います。
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