小麦の政府買い付け価格が4月に30%値上げすると農水省が発表しました。これは35年ぶりの大幅改訂ということで,今後様々な食品の値上げが予想されます。
小麦、4月に30%値上げ=35年ぶりの大幅改定-農水省発表 (時事通信) - goo ニュース
食糧自給率を高めよう
小麦については,去年4月にすでに10%上がっています。この秋からパンや麺類が急に値段が上がってビックリした方も多いかと思いますが,今度は30%ということですから,この1年で実に1.4倍に上がってしまったということになります。
日本は,かつてはお米文化でしたが,戦後,学校給食でパン食を導入したり,洋食が一気に主流になってきたこと,さらにはスナック菓子天国になったことなどから,今では「小麦文化」になっています。っていうことは,小麦の値上げは,食卓に与える影響は計り知れないということになります。
さらに,乳製品も値上げしており,更に来年度の生乳買い付け価格も更に高騰することがほぼ確実となっており,そうなるとバターやチーズもますます高くなります。
したがって,パン,麺類,お菓子類はもちろんのこと,揚げ物やたこ焼きまで単純に考えても売価は1.5から2倍になるでしょう。つまり,家計の負担が単純に1.5倍増となってしまうのです。
これは,給料が小麦値上げ分以上伸びない限り,「実質給料ダウン」に等しいことを意味します。むしろ,先のGDPに反して給料が伸びる要素が乏しいことから,来年度の給料は多くの企業で現状維持になることが予想されます。とすると,やはり家計は相当な火の車になるのです。
なぜ小麦がそんなに値上げしたのでしょうか。これは,「ファンド」と「バイオエタノール」と言われています。すなわち,金融と環境ビジネスが小麦まで食い物にしてしまったというわけです。しかも,日本は小麦自給率が3割にも満たないため,この直撃弾を食らいやすいのです。
ただ,例外があります。それは「米」です。米だけは食料自給率がほぼ100%なので,ファンドやバイオエタノールの影響を受けませんでした。したがって,政府買い付け価格も基本的に安定しています。
とすると,これからは「米文化への復古」も考える必要があるでしょう。現に,一部企業では,「米粉のパンや麺」などの商品化に取り組んでいるようです。
しかし,米にも問題があります。それは「減反政策」です。つまり,米価安定のために,農家に対して「米を作るな」と指示しているのです。これはかれこれ30年近く続いています。
ただ,時代は変わりました。食料自給率をある程度高めなければ,日本の今後の食生活は危ういものになり,のみならず経済活動としても,国内経済が冷え込めば国際的な競争にも勝てないことになるため,ますます世界との格差が進み,「負のスパイラル」が発生しかねません。
そろそろ,減反政策を見直すべきでしょう。そして,様々な制約を農業政策という名目で課していましたが,これも大幅に見直し,「もっと農家が自由に農業ができる」環境と,「農業法人による大規模農業」も自由に行えるようにするべきでしょう。
農家が自由に農業ができる,こんなごく自然な光景を取り戻し,食料自給率を少しでも高めない限り,小麦高騰対策は困難を極めるでしょう。なにしろ,少なくともあと数年は小麦は値上げを続けますから。
もっとも,最大の問題点は,今の「士農工商」制度(政治システム)にありますが,これはまた別の機会に。
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食糧自給率を高めよう
小麦については,去年4月にすでに10%上がっています。この秋からパンや麺類が急に値段が上がってビックリした方も多いかと思いますが,今度は30%ということですから,この1年で実に1.4倍に上がってしまったということになります。
日本は,かつてはお米文化でしたが,戦後,学校給食でパン食を導入したり,洋食が一気に主流になってきたこと,さらにはスナック菓子天国になったことなどから,今では「小麦文化」になっています。っていうことは,小麦の値上げは,食卓に与える影響は計り知れないということになります。
さらに,乳製品も値上げしており,更に来年度の生乳買い付け価格も更に高騰することがほぼ確実となっており,そうなるとバターやチーズもますます高くなります。
したがって,パン,麺類,お菓子類はもちろんのこと,揚げ物やたこ焼きまで単純に考えても売価は1.5から2倍になるでしょう。つまり,家計の負担が単純に1.5倍増となってしまうのです。
これは,給料が小麦値上げ分以上伸びない限り,「実質給料ダウン」に等しいことを意味します。むしろ,先のGDPに反して給料が伸びる要素が乏しいことから,来年度の給料は多くの企業で現状維持になることが予想されます。とすると,やはり家計は相当な火の車になるのです。
なぜ小麦がそんなに値上げしたのでしょうか。これは,「ファンド」と「バイオエタノール」と言われています。すなわち,金融と環境ビジネスが小麦まで食い物にしてしまったというわけです。しかも,日本は小麦自給率が3割にも満たないため,この直撃弾を食らいやすいのです。
ただ,例外があります。それは「米」です。米だけは食料自給率がほぼ100%なので,ファンドやバイオエタノールの影響を受けませんでした。したがって,政府買い付け価格も基本的に安定しています。
とすると,これからは「米文化への復古」も考える必要があるでしょう。現に,一部企業では,「米粉のパンや麺」などの商品化に取り組んでいるようです。
しかし,米にも問題があります。それは「減反政策」です。つまり,米価安定のために,農家に対して「米を作るな」と指示しているのです。これはかれこれ30年近く続いています。
ただ,時代は変わりました。食料自給率をある程度高めなければ,日本の今後の食生活は危ういものになり,のみならず経済活動としても,国内経済が冷え込めば国際的な競争にも勝てないことになるため,ますます世界との格差が進み,「負のスパイラル」が発生しかねません。
そろそろ,減反政策を見直すべきでしょう。そして,様々な制約を農業政策という名目で課していましたが,これも大幅に見直し,「もっと農家が自由に農業ができる」環境と,「農業法人による大規模農業」も自由に行えるようにするべきでしょう。
農家が自由に農業ができる,こんなごく自然な光景を取り戻し,食料自給率を少しでも高めない限り,小麦高騰対策は困難を極めるでしょう。なにしろ,少なくともあと数年は小麦は値上げを続けますから。
もっとも,最大の問題点は,今の「士農工商」制度(政治システム)にありますが,これはまた別の機会に。
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ご指摘のように、米作文化の復興は、緊急の課題であり、都市から農村への人返しも含めて、あらゆる手だてを取っていくべきではないかと思います。
そのためにも、今の現状は、あまりに農家や農地への規制が強すぎますので、とにかく米作の向上につながるあらゆる政策が実施されることを願ってやみません。
> 米にも問題があります。それは「減反政策」です
後は農業人口への回帰政策をどうするか?とか、農業政策のために、必要な農”道”整備や耕地・区画整理事業とか、農業振興の具体的事業等へのお金の投入でございますな(要らん高速道路とか要らんハコモノおっ立て事業とは別にしたい汗)
つーことで、そろそろお風呂にございます(ぽっちゃーん汗)
グローバル化がいろんなことにしわ寄せが来ている気がしますね。
このままでは日本がつぶれてしまいそうですね?
無駄が少なく安心な地産地消をもっと充実させて欲しいものです。
パンも値上がりと好みが限られるのもあって、時々家で焼いてます。
粉も米粉でやってみようか考え中なのですが、価格見ててもまだまだ高い。米粉の価格を下げる為にもお米の生産をもっと増やせば変わってくるのでしょうね?
農業規制はある程度撤廃する必要がありますね。
ただ,もっというと「米作」だけでなく,多様な農作物の生産が可能となるようになればなおよいのですが。
ちなみに,最近では「田舎に帰ろう」という人たちも増えているようです。農業は新規参入が難しい反面,後継者不足で悩んでいる地域も多いため,この辺をうまく調整できれば一石二鳥かもしれません。
農業回帰政策,一歩間違えると「土建屋儲かる企画」に化けてしまうかもしれませんね。
天保の改革のような「人返し令」がだせるとおもしろいかもしれませんが・・。あ,あの政策は失敗だったんだっけ,水野忠邦さん!!
パン焼き機,結構重宝しそうですね。米の粉のパンが一体どんな味になるのか,興味深々なところです。
農作物だけでなく,マグロやサケ,カニなどもだんだん入手困難になるみたいです。ある程度食糧確保を本気で考えたほうがいいかもしれませんね。
確かに農地は減っています。しかし,一方で減反政策により「使っていない農地」や,生産緑地という名の下に「事実上使っていない農地」などが結構あります。
まずはこういう「遊休農地」の有効活用から考えることが大切かもしれません。
「農場整備」を前面に出すと,また土建政治家が喜んでしまいます。
ちょっとまた私のほうでも勉強して
ネタを一本書きたいと思います。
ところで、「米の問題」は、減反政策ではなく、
そもそもの需要の減少とそれと連動した価格の下落にあります!
ご指摘の事情によってコメの需要が回復すれば、必然価格の上昇が起こるわけで、ある程度生産農家は救われますから、それで十分です。減反政策を放棄すれば、よりコメ余りの事態を生み、価格の一層の下落を招くことになりますけど。
現状では、コメの生産が拡大しても、それを食べようとする人がいないのですから、自給率のアップにつながらないわけで。殊にコメについていえば、生産量が増えれば自給率が回復するわけではありません。
ちょっと説明不足ですみません。単純に「減反止めてすべて米」という意味ではなく,「農業の多様性」の意味も含まれていました。
もちろん,水田なので,実質は「米」だけになるかもしれませんが,二毛作を増やすなどで麦を作るとかも当然ありという前提です。
確かに,単純に米を増やしただけならば元の木阿弥です。だからこそ,例えば「米粉のパン」を普及させるなど,「米の需要を増やす」というサービス業側の努力も必要となってくるでしょう。
いわば「国上げて考える」時期なのです。