以前,通貨を変造して手品の道具にしようしたマジシャンが有罪になったとの記事がありましたが(こちらの「マジック目的でもお金を壊してはいけません」を参照してください。),その一連の報道の関連して,関係ない手品の種まで報じたことで,手品の種の価値が下がったとしてプロアマのマジシャン49人が,この報道をした日本テレビとテレビ朝日を相手に損害賠償を請求する訴えを東京地裁に提起しました。
「必要以上に種明かしされた」手品師49人がTV局提訴(朝日新聞) - goo ニュース
ネタばらし番組も多いですが
最近では,手品の種をばらすという番組がかなり増えてきました。20年位前には,手品の種をばらす番組を作っただけで,マジック協会から大クレームがきて,種を暴露したマジシャンが除名処分になるというようなことになっていただけに,時代が変わったなあ,っていう感じを覚えたものです。
さて,今回の裁判,マジシャン側の言い分としては,事件で直接使われたギミックコイン以外の手品の種をいくつか暴露されてしまったために,他のギミックコインの価値が大幅に下がってしまったということから,その損害を求めるというものです。
確かに,筋は通っています。ただ,法律論として問題なのは,「それがマジシャンの損害に直結しているのか」という点です。おそらく,この辺りが裁判での争点となるでしょう。もっというと,「ネタばらしによってその手品が使えなくなった。それにより営業が減ったか,または別の手品道具を買うことを余儀なくされた。」ということが立証される必要があるといえます。
一見,マジシャンの言い分は正論のようにも思えます。しかし,一方で最近ネタ晴らしをしているマジシャンが共通していっているのは,「ネタをばらすことで手品への興味を持たせる。その上で,より進化した手品を見せることで,もっと驚いてもらう。マジシャンは日々進化が必要である。」ということです。すなわち,ベタな手品のネタばかりやっていては進化はなく,客も飽きてしまうということです。
そう考えると,今回のニュースによるネタばらしは,必ずしも悪いことではなかったのでは,という気もします。
もちろん,ニュースによるネタばらしは,先ほどのマジシャンによるネタばらしと異なり,「ただおもしろいから」という視点がメインにあり,おそらく「マジシャンを育てるため」などという目的は全くなかったといえます。とすると,「報道だから何でもあり」という態度も少々乱暴だったのではないでしょうか。
いずれにせよ,この問題は法廷で争われることになりました。はたして,マジシャンは裁判官を騙せる,いや納得させることができるでしょうか。種も仕掛けもない法廷で果たして裁判官はどんなマジック判決を出すのか,こうご期待です。
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http://blog.livedoor.jp/yswebsite/archives/51547255.html
http://a007mark.fruitblog.net/?4637ca86dcdb4
http://selgae.exblog.jp/5316614
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最近では,手品の種をばらすという番組がかなり増えてきました。20年位前には,手品の種をばらす番組を作っただけで,マジック協会から大クレームがきて,種を暴露したマジシャンが除名処分になるというようなことになっていただけに,時代が変わったなあ,っていう感じを覚えたものです。
さて,今回の裁判,マジシャン側の言い分としては,事件で直接使われたギミックコイン以外の手品の種をいくつか暴露されてしまったために,他のギミックコインの価値が大幅に下がってしまったということから,その損害を求めるというものです。
確かに,筋は通っています。ただ,法律論として問題なのは,「それがマジシャンの損害に直結しているのか」という点です。おそらく,この辺りが裁判での争点となるでしょう。もっというと,「ネタばらしによってその手品が使えなくなった。それにより営業が減ったか,または別の手品道具を買うことを余儀なくされた。」ということが立証される必要があるといえます。
一見,マジシャンの言い分は正論のようにも思えます。しかし,一方で最近ネタ晴らしをしているマジシャンが共通していっているのは,「ネタをばらすことで手品への興味を持たせる。その上で,より進化した手品を見せることで,もっと驚いてもらう。マジシャンは日々進化が必要である。」ということです。すなわち,ベタな手品のネタばかりやっていては進化はなく,客も飽きてしまうということです。
そう考えると,今回のニュースによるネタばらしは,必ずしも悪いことではなかったのでは,という気もします。
もちろん,ニュースによるネタばらしは,先ほどのマジシャンによるネタばらしと異なり,「ただおもしろいから」という視点がメインにあり,おそらく「マジシャンを育てるため」などという目的は全くなかったといえます。とすると,「報道だから何でもあり」という態度も少々乱暴だったのではないでしょうか。
いずれにせよ,この問題は法廷で争われることになりました。はたして,マジシャンは裁判官を騙せる,いや納得させることができるでしょうか。種も仕掛けもない法廷で果たして裁判官はどんなマジック判決を出すのか,こうご期待です。
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以前嫌な思いをしたことがあって、マッジックバーって最近でもあるのですが、最初から表示していないお店の場合、無理矢理見せられた上にチップよこせって言われたことがありました。
別に見たくもないのに.
もちろん支払う義務もないわけで...。
奢りすぎなんですよね、ある程度の度を超えた連中って。ごく一部だと思いたいですが...。
地元のボランティア的なマジシャンの方は,結構気さくにいろいろな手品を見せてくれます。テレビで見るようなものすごいことはもちろんできませんが,「すげー」って思える程度のことはやれます。しかし,絶対にそれを鼻にかけたりしません。あくまでも趣味だからでしょうか。
マジックバーの場合は,それが商売だけに,変にプライドのある人たちが多いのかもしれませんね。
ちなみに,マジックショップで手品セット(もちろん,市販品)を買いに行ったとき,そのショップの人はマジシャンだったのですが,「ふん,素人が」的な対応をされて結構むかっとしたことがありました。
それを、テレビ局だからって勝手に掟破り。おかにゃんさんのおっしゃる「報道だから何でもあり」という態度が許せないわけで。
それに、基本中の基本のベタなタネをばらされると、その原理を応用したマジックすべてがつまらなくなる。進化しようがなくなるんです。
損害賠償というより、こういうことが二度と起こらないように訴訟してるんだと思いますけどね。
TVのネタばらしにしても、「自分の局だけではないから」的な変な理屈を付けてくるのが目に浮かびます。
マジックで生計を立てているのであれば、「メシの食い上げ状態」をTV番組が作ったことになりますし、例えそうでなくても1番最初にそのマジックを編みだした人のことまで考えると、TV局サイドは謝罪+慰謝料+新ネタ提供までいかなければいけないかもしれません。
TVの番組は、何もマジックのネタばらしだけに限りません。とすると、今回はマジシャン側が有利なのではないかと思います。
確かに,ネタばらしは,マジック業界ではタブーになっていますね。知人も趣味で手品をやっていますが,絶対に種だけは教えてくれません(知りたければ弟子になれ,と冗談のような本気のようなことを言われます。)。
ただ,やはり種を知りたいのは人情でして,大物マジシャンのネタばらし番組はつい見てしまいます。ただ,その後にもっとすごいマジックをやると,「な,何で??」という状態になり,結果的に大物マジシャンやテレビ局の思惑どおりの視聴者となってしまいます。
ただ,この「べたな手品のネタばらし」も,実はかなり業界にとっては危険な行為な訳ですね。確かに,複雑なマジックも基本の応用に過ぎないと説明していますからねえ。
いずれにせよ,この訴訟,お金というよりもプライドをかけた裁判になるのかなあ,って私も思います。
今回のネタばらし,何が問題かというと,「普通のニュースで事件に関係ないネタまでばらした」という部分だと思います。本文でも書きましたが,「報道何でもあり」という姿勢にマジシャンサイドが腹を立てた,という点もあるのではないでしょうか。
新しいマジックを編み出せるのはごくわずかな一流マジシャンだけで,多くのマジシャンは,あるマジックをいかに自分の物にできるのか日夜特訓をしている,という状態でしょう。とすると,せっかく特訓をして自分の物になったネタが,この報道一つでパーになる可能性すらあるということになります。
あとは,こうならないためにマジシャンは日夜新たなネタをどんどん仕入れる責務があるのか,それともこのようなマジシャンを保護するべきなのかというのが,この訴訟の裏争点になるかもしれませんね。