あれは,あれで良いのかなPART2

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サラ金業者,結局高利貸し状態かも

2006年06月26日 00時26分23秒 | 法律問題
自民党金融調査会は,サラ金業者の金利が利息制限法より高利であることを事実上認めていた,いわゆる貸金業法における「グレーゾーン」金利を撤廃して利息制限法と同じ15%~20%にしようという法改正を,秋の臨時国会で議員立法として提出する見込みとのことです。

上限金利は15~20% 灰色金利を撤廃へ (朝日新聞) - goo ニュース


気を付けよう,よく見てみたらオチがある

与党サイドは,いわゆる貸金業者から多額の献金を受けているため,そんな安易に法改正をしないだろうと思っていたのですが,やはり最高裁判決も出たことや世の中の貸金業者に対する対応などを踏まえると,法改正せざるを得なかったのだろうなあといえるため,この動き自体には非常に賛同できます。
しかし,記事をよく読んでみると,「例外として50万円以下の貸付には適用しない」ということを考えているとのことでした。
そうです,やはり逃げ道を考えていたのです。
今,多重債務者と呼ばれる人たちは,何も1社から何百万円も借りているわけではありません。数社からの累計で何百万円にもなっているのです。
しかも,新規借り入れは通常上限50万円程度の場合が多いです。とすると,やはりサラ金から借りる客のほとんどは,新法が施行されても例外措置として「高金利」となってしまうのです。しかも,新法によって逆に業者は50万円以上の貸付を行わなくなり,結果複数業者から50万円を借りまくるというこれまでと同じ状態になってしまうわけです。
っていうことは,この例外によって,結局のところグレーゾーン問題は何ら解決されず,むしろ逆に中途半端な法律を作ったことによって,最高裁判例を逃れようとする脱法的措置を講じたに過ぎないということにもなりかねません。

幸い,今のところまだ単なる試案程度に過ぎません。この点については,是非とも国会においてしっかりと審議してほしいと思います。決して,この法律では多重債務者が救済されないこと,そしてグレーゾーンが残り続けることを認識してほしいものです。

ただ,もっといえば,そもそもそんな高利貸しから借りなくても良いシステム,すなわち銀行が本来的な機能をもっと持つような制度,これをしっかりと考えるべきなのではないでしょうか。銀行が個人や中小企業に融資をせずに,自分で作ったサラ金業者に融資してそこから利益を得るというのは,明らかに本末転倒でしょうし,実質的には「銀行自身が高利貸し」という状態に他ならないということを,もっと認識するべきでしょう。

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