あれは,あれで良いのかなPART2

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管制の改革

2006年03月22日 02時04分46秒 | 裁判・犯罪
livedoor ニュース


2001年に起こった航空管制官の指示ミスによるニアミス事故により乗客が負傷した事件について,業務上過失傷害に問われた管制官2名に対する裁判が東京地裁で行われ,両名に対し,無罪判決となったようです。

まあ,個人責任は仕方ないかなあ

まず,大前提として,どんなことであれ,管制官の指示ミスは大事故につながります。したがって,管制官の責任は非常に大きいということは事実としてあります。
また,新聞中に,同僚管制官のコメントとして「単なる言い間違いだけで刑事責任を問われたらたまったもんじゃない」旨の発言が載っていましたが,しかし単なる言い間違いによって,下手すると飛行機が正面衝突し,多数の死傷者が発生しうる大惨事につながりかねないわけですから,そのような認識は極めて軽率と言わざるを得ません。もっと,自分の仕事に責任と危機感を持って臨んでほしいと思います。

でも,なぜ,今回の判決を仕方がないと私が考えたのでしょうか。
これは,前述の同僚の発言にもあるように,「仕方がない」では済まないものの,絶対に言い間違いは発生します。このようなヒューマンエラーを回避するための様々な方策を講じてこなかった航空管制局側自体に問題があり,そこで働いている職員(今回の被告人など)だけの責任とはいえないからです。
もっとも,現在では,この事故を受けて,管制塔の指示とTCASとの指示が相反した場合は,TCASを優先するなど一定のルールができあがったようなので,多少はニアミス事故も防げるのではないかと思います。
しかし,機械も万能ではありませんし,これに過信するとどうなるのかは,昨年の福知山線の事故などで明らかになっています。
したがって,管制官のスキル向上はもちろんのこと,より様々なヒューマンエラー防止策を講じ,空の安全を守ってほしいと思います。

ただ,航空管制局にとって同情できる内容もあります。
それは,「空が狭い」ことです。
事故当時話題になりましたが,関東地方の制空権は,その大半を「米軍」が掌握しています。具体的には,横田基地や厚木基地などで,関東地方のほぼ半分くらいを押さえているのです。
したがって,JALやANA等が飛べる場所はものすごく限られています。そして,事故が発生した相模湾上空付近は,ちょうど日本側が制空権を持っている数少ない場所であることから,超過密遅滞となっているのです。
このような事故を減らす一番大切なことは,管制官の負担を軽減させること,すなわち「制空権を多少なりとも日本に戻すこと」といえるでしょう。
現在,この運動を本格的にやっているのは,東京都知事くらいです。もちろん,国土交通省もいろんな活動はしているのでしょうが,日本は独立国家であるわけですし,何よりも乗客の安全を最優先に考えるのであれば,制空権について,もっと真剣に議論し,アメリカと交渉することが大事でしょう。
そして,これこそが,ブッシュ大統領と大変仲の良い小泉首相のやれるお仕事だと考えます。

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