やっち@十月祭とビール好きの部屋

町田の老舗麦酒屋さんを畳んだ店主のその後奮闘記です(笑)

母からの電話

2014-05-11 19:42:13 | 日記
木曜日休んだお陰で、金曜も、そして土曜のゲリラ営業も何の疲れも残らず、日曜日は爽やかに目覚め、溜まったビデオ観ていた。

そこに電話。

実家の母からだった。
恐らく、母の日のプレゼント届いたって事なんだろう。

“はい”
“やっちゃん、届いたよ”
“うん”
“とても美味しかったよ”
“そう”

昔から何をあげても喜んで使っていた試しがない、そのうち消えてなくなる菓子類ばかりを贈るようになった。
勿体無いとかそういう理由なんだろうけど、昔の人は表現が下手なんだよね。

今回は、おばさん同士の会合に使えるように、あられの詰め合わせにした。
私と違って、同性の友達が多く、茶飲み友達もたくさんいる人だから。

“元気にしてる?”
“うん、ママは?”
“元気よ。お店は上手くやってる?”
“うん、いつも暇だけど、何とかやれてる。”

うちの店の状況なんか、私が求めているコミュニケーションなんか、分かるわけないわな。
母は分かりやすい幸せしか理解しない。

儲かっている。
借金返した。
2店舗目出す。
これ以外は成功とは認めない。

“何か事務的やね”
“年取ると何か変わったことなんかないのよ。ママはあるの?”
“ないよ”

そうなんだ。
段々、自分のイベントがなくなっていく。
自分の変化は老化だけ。
いつも誰かの世話ばかり、いつも誰かのお祝いばかり。

それが年をとると言うこと。

母も自分のこと何も言えない。
私も自分のこと何も言えない。

哀しい母娘…。

“あんた身体弱いんだから無理しなさんなや。病院行ってるの?”

年老いた親に心配されてるし…。

“大丈夫だよ。たまに行ってるから”

これじゃ、18連勤の話なんか出来やしない。
お母さん、無理しないで自営業は出来ないんだよ。

“それじゃね”
“何か早く切りたそうやね”
“そうじゃないけど…”

母娘の会話は2分も続かなかった。

でもね、感謝しているんだ。
ママにそっくりな顔。
ちっとも美人じゃないけどさ。
気の強そうな瞳、小さい鼻と口、好きだよ。
左だけ短い小指も含めて、指も爪も。
いつまでも黒くて綺麗な直毛。
華奢な手足。

全部ママがくれた。

母の希望通り、何でもやってきた。
習い事も、美大生になることも、就職して、結婚して、家買って…。

それが母が認める女の幸せだから。

頑張ったよ。

でもね、分かったの。
私は人が簡単に掴むものを掴むことが困難な人みたい。

私の幸せはこの世にはありません。

ごめんなさい…


女に生まれて。

友人の赤ちゃん自慢、子供自慢され続けた十数年。
写真つき年賀状、まともに見れなかったなぁ。
やっと気にならなくなったのに、今度は母の日に、一生“ありがとう”と言われない辛さを背負うのか…

ま、それもあと十数年。

何もかも、時が解決してくれる。

辛いのは私だけじゃない。
自分が一番辛いんじゃない。


娘に障害がある、普通の幸せ掴めない、幸せ感じられない。

親の思いはいかばかりか…

とにかく、母には申し訳なく思うばかり…

こんな娘でゴメンナサイ。

せめていつまでもお元気で。


寂しいからって来るよーな場所ではないが、愛想悪い場末感半端ないラーメン屋にて。