そろそろ梅雨明けだろうか。
きょうは朝から晴れているけれど、夕方の今はどんよりした曇り空。
この風に誘われて日記を繰ってみた。
この日記はお前に「別れよう」と決心していた頃の日記だ。
2009年6月20日付け。
深酒だった。
きょうは朝から晴れているけれど、夕方の今はどんよりした曇り空。
この風に誘われて日記を繰ってみた。
この日記はお前に「別れよう」と決心していた頃の日記だ。
2009年6月20日付け。
深酒だった。
『きょうは珍しくいい天気だった。
金もない。明後日は金を振り込まなくてはならない。
「たいへんだねえ」
他人が云ってくれたって何になる。
誰にだって話せるものか。
大変なのはおれ自身で、おれが解決するしかない。
「後輩や先輩が、いい、いいって言ってくれるのはお世辞だよ」
由布子はそう言った。
そうだね、気に掛けておかないと、と思った。
13年前に甘い言葉に魅せられたのは紛れもない自分自身だった。
今宵、したたかに酒を呑んで15分の夜道を歩いて帰った。
「由布子、お前に逢いたい。愛しているよ」
独り言しかならない夜空に向かって、何度も何度も、心に叫んだ。
そんなことが、今更何になる、くだらない。
我慢しきれずに路地の電柱に隠れて立ちションをやった。
なんてみっともないことやってんだ!
己に腹が立った。
涙も出なかった。
もうお終いか。
友も去っていった。
誰の所為でもない。己の所為だ。
この日記も、もう何ヶ月も書いてはない。
酔いの覚めぬ内に寝よう。
おやすみ、愛し子よ。不甲斐ないこの父を許しておくれ。』