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左下にアコと過ごしたマンションが見える。
もう直ぐ、アコの誕生日だね。
あの頃、世間では、出産には父親が付き添えということが言われ始めていた。
お母さんが入院したと聞いて、出金したばかりだったけど、お父さんは会社の休みをとって、病院に駆けつけた。
病室に入ろうとしたら、おばあちゃん(お母さんの母)がいて、
「出産くらいで男がおたおたするもんじゃない。会社に行きなさい!」
「男は仕事がある。出張とかで不在のときにどうする。あんたがいないと娘は出産しない事だっ
てある。顔を見せちゃ駄目!」
と病室にも入れてもらえずに追い返された
その頃は、そうした時代だった。
今更、会社に帰るわけにもいかず、ひとり誰もいない家に帰った。
あの高台から関門海峡を眺めているとひとりぼっちが淋しかった。
おまえの誕生日の歌を作った。メロディーもだよ。
“梅雨空晴れて 夏が来て
おいらに可愛い 娘ができた
おまえとパパは 恋人同士
パパとママで How do you
how do you How do you,do”
メロディも覚えているよ。
下手だね。
あの日の海峡の姿や対岸の彦島が小雨に煙っていた。
まだ、梅雨の真っ最中なのにおかしいね。
夏が来たら、海に行こう。
公園を散歩しよう。
あれこれ、想像してとても幸せだった。