松下啓一 自治・政策・まちづくり

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◇海上自衛隊音楽隊を聞きに行く(みなとみらい)

2012-10-13 | 5.同行二人
 海上自衛隊の音楽隊を聞きに行こうということになった。
 海上自衛隊には6つの音楽隊があり、それが一堂に会するということで、出かけてみることにした。場所は、みなとみらいのクイーンズスクエア。みなとみらいの地下駅のエスカレーターをあがったところである。自衛隊だから勇ましい音楽をやるのかと思ったら、それだけでなく銀河鉄道やゆずをやったりで、市民を意識した曲を選んでいた。聞くところによると、この音楽隊への入隊希望者はとても多いそうで、いまでは音大で専門的な勉強をやった人が受けているようだ。確かに公務員で、音楽の仕事ができるというのは恵まれた環境なのだろう。一般に音楽家はお金持ちというイメージがあるが(これは大学教授も同じ。事実は違う)、一流のオーケストラでも給料は驚くほど低い(大学教授のほうは決して高くないが、音楽家よりはずっと恵まれている)ので、自衛隊の音楽隊は、たしかに魅力的である。それが、演奏レベルの高さになっているのだろう。
 東北大震災では、自衛隊は大いに活躍した。20代の若者が、三陸の泥の中を這いまわって、被害者を探し、遺体を収容したが、そのご苦労には、頭が下がる。それが仕事だという意見もあるだろうが、もし自分がそれをやったらと考えると、その大変さが実感できるだろう。学生時代は、自衛隊は憲法論で、単純に整理できると考えていたが、家族を持ち、地域で暮らすようになると、物事は、そんな単純な議論で、答えが出ないことがよく分かる。
 それにもかかわらず、マスコミの論調は、どんな問題でも、あいかわらず単純な白黒論である(教育委員会はいつも黒)。しかし、単純な議論は勢いが良くて、分かりやすいが、おそらく現実と乖離するか、私たちを誤った方法へリードすることになるのだろう。単純な議論は前ツバということで(今度の自民党の総裁選挙でもそういう分かりやすい議論をした候補がいた)、まじめに議論すると、「それぞれよいところがある」というはっきりしない議論になるはずである。しかし、それでは、マスコミや市民から、「主張がはっきりしない」、「違いが分からない」と批判されてしまう。水戸黄門的な善人・悪人の二分論では、社会の問題は解決しないということを学ぶのが地方自治だと思う。まさに民主主義の学校である。
 相模原の南区にも自衛隊がいて、区ビジョンでは基地の撤去、移転方針と書いてあって、いわば負の資産であるが、これを検討した際には、自衛隊が現実にいること直視して、うまく付き合おうという議論が行われていた。自治というのは、こういうしたたかさが大事である。
 自衛隊の音楽隊であるが、私は、約束があって、途中に抜けて新横浜に行ったが、一緒に行った連れ合いは6音楽隊の最後まで聞いたとのことである。元気なのがなにより嬉しかった。
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