自治体の収入が減るなかで、提供するサービスの質を下げることができれ辻褄はあう。
ところが商売の世界では、すでにお客さん一人ひとりのニーズに対応する”One to One”マーケティングサービスが普通になっている。旅の好み、ホテルの好みを把握、分析して、次はこんな旅はどうですかという「きめこまかな」サービスである。コンピュータ、インターネットがそれを可能にしている。
行政サービス、社会サービス . . . 本文を読む
(質問)市民参加の正当性をめぐっては、従来型モデルでは、国民の代表から構成される議会が法律や予算の議決を行うという図式が維持されることで、その関係から生み出される政策についての民主制が担保されるのに対して、パートナーシップ型モデルによる問題解決においては、制度上はこのようなルートで正当性を確保することができないのではないか。
従来型とパートナーシップ型のどちらかを選択するという究極の選択の問題 . . . 本文を読む
せっかくの出した提言は採用されない場合がある。この場合は、行政の背信が非難の対象になる。
逆に、提言を丸ごと採用される場合がある。この場合、民主的、市民的であるとして行政は賞賛される。
これでいいだろうか。
ある報告会で、会場にいた市民から、前に座っている委員会市民に対して、「彼らは何なんだ」という意見が出された。会場市民の言い分は、「私は彼らに信託したつもりはない」というのである。重要 . . . 本文を読む
提言した市民意見が、行政内部でそのまま採用されず、あるいは議会で修正を受けるということがある。
市民サイドにたつと、せっかく苦労してまとめたものを無視されたようで、行政や議会の無理解をなじりたくなる。その気持ちもよく分かるが、行政サイドから考えるとまた別の意見もある。
もし、提言内容が自分たちの事務分掌内に収まっていれば、かなりの意見を採用できる。
しかし、他セクションの事務分掌に属する . . . 本文を読む
今では、市民参加の委員会は公開が原則であるから、傍聴者がいることが原則となる。
会議に進行では、次のような段取りとなる。
まず、委員会の設置要綱で、公開されると決まっていれば特に議論を要せずに公開となる。この場合は、はじめから傍聴者が会場に座っている。
特段の取り決めがない場合は、委員会で決することになる。議事が始まる前に、座長が委員に諮って決定することになるが、結論は公開=傍聴を認めると . . . 本文を読む
昨夜、火事があった。自宅から1キロほど先に、20メートルほどの火柱となって燃え上がっていた。不謹慎であるが、暗闇のなかの火柱は、大文字焼きのようできれいだった。火付けは郷愁犯というが、少し、理解できたような気がした。
閑話休題。
市民参加を実効のあるものにするのは簡単ではない。検討会に出てくるような市民は、その見識や経験において、優れたところを持っている。こうした委員会では、私は「学識者 . . . 本文を読む
ついつい条例(政策)をつくることに夢中になっていると、肝心な点をすっぽり落としてしまうことがある。
表題のようなケースで、市民参加を進める条例をせいぜい2,3の市民が参加した検討会でつくってしまうようなことがおこってくる。
こうした失敗を起こさないようにするコツは、いくつかある。
一番は、進行役(推進役)とは別の視点でアドバイスする人をえることだろう。委員会で言えば、副座長さんに人を得る . . . 本文を読む
別の機会に、幾度となく述べているが、条例づくりと文章を書くことではない。その文章が、市民の合意、意向によって裏付けられていることが必要である。
もし条例づくりが単に条文をつくることならは、条例の検討期間は半年もあれば十分であろうが、条例が市民によって裏付けられていることを求めるなら、この半年の前の前走期間が必要になる。
そこで、条例づくりのスケジュールは、次のようになるのが好ましい。
ま . . . 本文を読む
現在、いくつかの自治体で、条例づくり委員会に参加している。
最近では、基本条例系の条例づくりは、市民参加でつくられるのがデュープロセスであるから、条例づくりは市民と協働というのは、もはや避けられない。
そして、参加する市民は、あて職か公募市民であるから、一定の見識はあり、条例のテーマにも関心はあるが、だからといって専門的知識を持っているわけではないという市民が大半であるから、こうした市民が参 . . . 本文を読む
自主研修を繰り返してくると、研修講師を頼まれることになる。私が最初に研修講師をやったのが何時なのかは覚えていないが、自主研修の成果として、いくつかの論文を書くようになってから、急速に多くなったのはたしかである。
自主研修ならば、憲法19条の思想信条のようなもので、外部との軋轢は少ないが、研修講師となると、表現の自由のようなもので、公共の福祉とのぶつかり合いが出てくる。
ここに軋轢の原因がある . . . 本文を読む
自治体職員による自主研修会が盛んである。この7月に北海道で、自治体法務の研究会があったが、100人を超える自治体職員が集まった。こうした自主研修の広がりが、自治体職員の政策づくりを立体的なものにしていくのは間違いない。
ところが、こうした自主研修会に出席していることは「秘密」という職員もいるとのことである。これを職場で知られるとイジメの対象となったり、人事に知られると、左遷の対象になるという . . . 本文を読む
よい政策をつくるコツの第一は、上司とのコンビネーションのよさである。これが悪ければ、話を上にあげていく段階で疲れ果てて、政策どころではなくなってしまう。
この上司との距離感は、うまく説明できないが、双方の個性・能力との相関に規定されることになる。
私がK部に異動したのは、その年の9月に条例化することは、すでに議会答弁済みなのに、いまだに作業が一向に進んでいないと6月1日であった。直属の上司 . . . 本文を読む
政策づくりの目標は、「豊かな」社会をつくることである。豊かな社会とは、わざわざ括弧書きしたように、経済的に豊かであるということではなく、心豊かに暮らせる社会の意味である。
では、私は、そういう社会づくりを常に頭に入れながら政策づくりを行ってきたといえるか。
考える前提として、「豊か」であるかどうかの指標を挙げてみよう。
①どんなにお客がいようとも、夕方の6時には店を閉めるかどうか。
ウ . . . 本文を読む
政策づくりの成功のコツは、上司との足並みが揃うことである。
特命事項を割り当てられ、しかも係長時代が長い私の場合、この上司との二人三脚は、仕事をうまく進める条件でもある。
いくつかの特命事項を何人かの上司と一緒に仕事をしたが、幸いにも、上司が大人だったか、私が大人だったか、双方とも大人だったか、あるいは私に自分というものがなかったか、いつの良好な関係を維持できた。
K課で一緒に仕事をした . . . 本文を読む
もっとも議論の精度が上がる反対論の相手方は、むろん市民団体である。
労働組合の場合は、なんだかんだいっても同じ職員であり、結局は「同じ土俵」のなかでの交渉になるが、市民団体の場合は、「同じ地平」に立つまでが難しいが、いったん、同じ地平に立てば、急速に、頼りになる仲間に変わる点が特徴である。
新たな政策づくりが始まると、まっさきにはじめるのが、市民団体の集会への参加である。横浜のような大都 . . . 本文を読む