私がこよなく愛する国が、日本に温かい手を差し伸べてくれた。
都市部はここ数年の間に見違える程近代化したけれど、
沢山の貧しい人々が暮らす国だ。
その生きている事が不思議なくらいの貧しさを、
私はこの目で見続けてきた。
その国が精一杯の慈悲の心を日本に向けてくれている。
移民である私の知人が、家族で経営するレストランに、
今回の様々な支援に対するお礼に行って来た。
私達のお礼は言葉じゃない。
彼らの食文化を愛し、それに対してお金を使う事。
経済を廻すなんて野望は無いけれど、
お世話になった身近な人の商売繁盛を願う事は出来る。
メニューから出来るだけ値の張るものをオーダーして、
よいカスタマーであろうと一生懸命食べたぞ。
誰にお礼を言うとて、最も身近なかの国の人は彼らなのでね。
彼らは今までも常に私達を歓迎してくれ、
彼らの国に旅する際には様々なアドバイスをくれる。
今回の事も大変心配してくれている。
どこまでも暖かい人達だ。
私は絶対に彼らの国がしてくれた事を忘れない。
別な例では、私にはある国からの移民の友人がいる。
彼は収入のほとんどを国の家族に仕送りしているが、
それでも尚、ひとつのジャガイモを5人の家族で分ける昼食が精一杯。
病院に行きさえすれば治ってしまう病気で、
彼はまだ小さい時に母親を亡くしている。
病院に行くなどという日本では普通のことが夢のまた夢。
そんな彼が、震災直後に日本を心配して、
私達に「少ないけれど」と募金をして下さった。
私達は今後のビジネス取引について、
彼の勤務する会社を最優先にする事を決めた。
今回の事では、本当に様々な国の人達に力を貸してもらっている。
飢えや病気で毎日命が失われている国々さえ、
自国の事情を後回しにして手を差し伸べて下さっている。
日本復興の為、国内の経済立て直しはとても重要だけれど、
恩返しとしての、他国の繁栄を忘れるわけにはいかない。
世の中借りっ放し、貰いっぱなしは通用しない、
いただく事は一時だが、それを返して行くには一生かかる。
私はもう始めないと間に合わない。
*もしも鴨ちゃんが生きていたら、今回の事をなんて言ったんだろうな?