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カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

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2011年04月03日 | Food

 

 

私がこよなく愛する国が、日本に温かい手を差し伸べてくれた。

都市部はここ数年の間に見違える程近代化したけれど、

沢山の貧しい人々が暮らす国だ。

その生きている事が不思議なくらいの貧しさを、

私はこの目で見続けてきた。

その国が精一杯の慈悲の心を日本に向けてくれている。

 

 

移民である私の知人が、家族で経営するレストランに、

今回の様々な支援に対するお礼に行って来た。

私達のお礼は言葉じゃない。

彼らの食文化を愛し、それに対してお金を使う事。

経済を廻すなんて野望は無いけれど、

お世話になった身近な人の商売繁盛を願う事は出来る。

メニューから出来るだけ値の張るものをオーダーして、

よいカスタマーであろうと一生懸命食べたぞ。

誰にお礼を言うとて、最も身近なかの国の人は彼らなのでね。


 

彼らは今までも常に私達を歓迎してくれ、

彼らの国に旅する際には様々なアドバイスをくれる。

今回の事も大変心配してくれている。

どこまでも暖かい人達だ。

私は絶対に彼らの国がしてくれた事を忘れない。


別な例では、私にはある国からの移民の友人がいる。

彼は収入のほとんどを国の家族に仕送りしているが、

それでも尚、ひとつのジャガイモを5人の家族で分ける昼食が精一杯。

病院に行きさえすれば治ってしまう病気で、

彼はまだ小さい時に母親を亡くしている。

病院に行くなどという日本では普通のことが夢のまた夢。

そんな彼が、震災直後に日本を心配して、

私達に「少ないけれど」と募金をして下さった。

私達は今後のビジネス取引について、

彼の勤務する会社を最優先にする事を決めた。

 

今回の事では、本当に様々な国の人達に力を貸してもらっている。

飢えや病気で毎日命が失われている国々さえ、

自国の事情を後回しにして手を差し伸べて下さっている。

日本復興の為、国内の経済立て直しはとても重要だけれど、

恩返しとしての、他国の繁栄を忘れるわけにはいかない。

世の中借りっ放し、貰いっぱなしは通用しない、

いただく事は一時だが、それを返して行くには一生かかる。

私はもう始めないと間に合わない。


*もしも鴨ちゃんが生きていたら、今回の事をなんて言ったんだろうな?