マリンでもう一色忘れてはならないのが赤でしょうか。
白、赤、紺のトリコロールカラーですね。
ファッション的には赤の分量を最小限に抑えて行こうかと思っている次第です。
例えば白と紺のお洋服に、極小の赤い珊瑚のピアスを使うとか、そういう事です。
陶芸では、ちょっとスペインを意識した存在感のある赤いゴブレットをば。
スペインを意識したと言いながら、イメージした赤は日本の誇る漆でございます。
日本に置ける漆の基本色はご存知のように赤と黒かと思います。
黒は漆黒と呼ばれるように色にそれほどの違いはありませんが、
漆の赤には色々な種類が有ります。
その中に『うるみ』と呼ばれる赤がありまして、それがこちら。
この赤に関しては黄味が強めですが、”うるみ”は本来もう少し黒を感じる赤です。
ご覧の通り、この素地は木ではありません。土です。
焼き物に漆を塗った片口でございます。ちなみに私の作品ではありません。
ワタクシもこの赤を、釉薬にて出してみたいと思っておりました。
そして作りましたのがこちらです。
夏のゴブレット ”うるみ”
黒みの強い赤を出す為に、素地の土にダークブラウンを使いました。
こちらのゴブレットにもエンブレムが付いておりまして、
エンブレムを作った土は磁土ですので、
そこの部分だけ釉薬の色出しが明るくなっています。
この赤は、許容範囲の広い赤とでも申しますか、
漆器を料理に使う際も『古代朱』と呼ばれる朱肉のような赤と比べて、
お料理を選ばない懐の深さを感じます。
庭から切って来たブーゲンビリアのフューシャピンクが、
むしろ葉もののグリーンを使わない事で、この『うるみ』の赤と
お互いを引き立て合うように感じますが、いかがでしょう?
こちらのゴブレット、我が家のバーテンダーはサングリアを飲むのに使うそうです。
それでは、料理担当の私はタパス料理でも作る事にいたしましょう。
Hasuta Luego