日本の果物は、まるでお砂糖がかかっているかの様に甘く、見目麗しく、
まさにフルーツの女王様ですね。
でもお値段も女王様級。 日本の果物は贅沢品です、私には。
ここでは一年中どんな果物でも手頃な値段で手に入ります。
毎朝、季節のフルーツとヨーグルトで作ったスムージーを朝食に頂くのが日課です。
冬の間は真夏の南半球から、これからはロコのフルーツが店頭に並びます。
日本の芸術品のような果物と比較すると、味も姿も大雑把。
私もこちらに来たばかりの頃は、日本のものと比べては文句ばかり言っていました。
ゴメンネ
今は大好きですよ。キッチンにお花を飾るように果物をいっぱい並べても、
お財布の心配をしなくても大丈夫です。
一年中どんなフルーツでも安定価格という事は、季節感がないように思われがちですが、
フルーツに貼ってある産地のステッカーを見ると、
”あー、フィリピン産のマンゴーだ”ですとか
”今年もまたテキサス産のグレープフルーツの季節ね”と、
それぞれのフルーツに、とびきり美味しい産地というのが有り、
注意していれば季節感はちゃんと有るのです。
今はイチゴの季節です。
以前よりはずいぶん少なくなりましたが、家の周囲には広大なイチゴ畑が残っています。
このほとんどは、日本人の移民の方々が開拓されたのですよ。
皆様仕事が丁寧で働き者でしたから、みるみる頭角を現し、
今では皆さんリタイヤされたり、経営をお譲りになられたりしましたが、
最初の農場主としてストロベリーファームにはちゃんとその方々の名字が残っています。
車で走りますと、所々にストロベリースタンドが有りまして、
すぐ脇のイチゴ畑から収穫されたばかりのイチゴを買うことが出来ます。
どこのスタンドも同じという訳ではないですよ。私にもごひいきのスタンドが有ります。
この季節にしか焼かないストロベリーロールケーキを焼きました。
これを待ちこがれていて下さる方も居ます。そんなに喜んで頂けるのなら、
イチゴは一年中手に入るのですから、もっと頻繁に焼けば良いのかもしれませんが、
私はその季節にしか会えないものを残しておきたいのです。
イチゴが元気に育って美味しくなってくれた事、私が元気でケーキを焼ける事、
笑顔で食べてくれる人がいてくれる事。。。。
その全てが特別で、嬉しくて、感謝したくなるのです。
ここはフルーツパラダイス。
もうしばらくするとチェリーとピーチの季節が始まります。