6月26日 国立代々木競技場第一体育館。
今回のチケットには、座席番号がプリントされておらず、
当日受付で、座席券が発券されるシステムだった。
それは、ミステリー・ツアーのようで、
まさか、過去へまで遡って行くことになろうとは、
音が鳴るまでは、思ってもみなかった。
今回は、浜省50歳代最後のツアーである。
チケット発売時から、
3時間半ほどの長いステージになるとの
予告があり、開演はこれまでにないほど早い、
16時30分からだった。
いつもより長時間聴いていられることを、
単純に喜んだが、
メインステージとセンターステージの移動、
各映像等、盛りだくさんの内容に、
細々とした段取りやタイムスケジュールが
大変だっただろうなと思う。
それほどに、パフォーマンスだけでなく、
目に見えないたくさんのスタッフの存在が
感じられる、完成度の高い空間だった。
始まりから癒しムード。
3月の震災から非常事態を
皆で共有していることや、
あの日から始まっている、
これまでにない体験をしている(進行形)ことを、
浜省さんの言葉で確認した。
日常生活で閉じ込めている
モヤモヤしている気持ちを、
みんなが持っていてあたりまえだと
気付かせてもらえた。
それだけでも、気持ちが軽くなる。
”忘れるのではなく、
その思いをを抱えて”
という言葉がとても印象的だった。
誠実な言葉の選び方だと。
”また明日から元気に過ごしていけるよう、
英気を養ってほしい”と。
被災した方々への祈りとして選ばれた曲は、
「悲しみは雪のように」。
東北(宮城)の公演があいにく
延期になってしまったこともあり、
そちらから遠征のファンもいらっしゃる、
との紹介があった。
その方々にとっては、さらに心に深く残るステージに
なったかと思う。
また、「HELLO ROCK & ROLL CITY」、
「裸の王達」、「詩人の鐘」
等では、矛盾を突きつけられたり、
選択を迫られたり。
このツアータイトルの曲、
The Last Weekend=「僕と彼女と週末に」。
”いつか子供たちにこの時代を伝えたい
どんなふうに人が希望(ゆめ)をつないできたか”
の後のメロディーが
もう…素晴らしくて…ツボ。
ドラマティック、かつ強烈なメッセージ曲。
音楽監督の、星勝氏が指揮をした、
ストリングスとバンドの協演。
まず曲紹介があり、そのうちの「BLOOD LINE」が
浜省&観客との熱唱ではなく、
instrumentalなのには、意外だったが、
聴いてみるとこれも、一味違った味わいがあった。
いま、作られたかのような、
時代にシンクロしてしまった、
歌の数々…。
あの時 危惧していたことが、見過ごせない現在。
終始突きつけられるメッセージ。
どの曲もよかったが、
こんなに印象的な「J.BOY」は初めて。
一緒にいった友人も同じ意見だった。
ああ、すごい!
感動した、と。
スクリーンに、「J.BOY」の
アルバムジャケットが映し出され、
その頃の時代背景が語られる。
忘れていた出来事が蘇る。
好景気もまだまだこれから続いていく時。
「J…」という言葉が次々と生まれていった頃。
これは、初めてトップをとったアルバムだ。
悔いのないようにと、応えて歌った。
きっとだれもかれもが完全燃焼したに違いない。
タイムマシーンに乗った。
会場全体でウェイブを回した。
熱唱、大合唱、踊り、促されてJAMPした。
爽快な3時間半あまり。
後半、浜省からの質問に
観客が拍手でこたえる場面。
”この日、初めてコンサートに
来てくれた人は?”の
問いに、結構反応あり。
年代も尋ねられる。
その結果、
10代未満から、60歳代以上の
幅広い層が参加していることがわかった。
”○○代の人は?”と問われ、
該当する人達が拍手でリアクションするたびに、
他のジェネレーションが
お互いをたたえるように
拍手しあえたのには、大変感動した。
各世代が共有した優しい時間。
このツアーは、先にも書いたとおり、
東北(宮城)の2日間がまだ空白であり、
予定の10月が来ても、終わらない。
ON THE ROAD 2011が無事に
幕を引くことを祈り、見守りたいと思う。

トラックの後部を記念撮影
追記:
宮城公演は2012年5月に催されました。