UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 334P

2023-12-05 23:05:04 | 日記
(お前……何を言い出すんだ?)
 
 アースの言葉に野々野足軽はそう返す。だって相手は悪魔である。字面……というかこれまで生きてきた中で野々野足軽が悪魔に含んでる感情ははっきり言って悪い。なにせそれは悪魔だからだ。
 これがきっと小悪魔って言われてたら、野々野足軽は女性の悪魔……そこまで恐ろしくない、むしろいたずらっ子的なかわいい悪魔を思い浮かべてただろう。けど悪魔と言われたから、まがまがしい感じになってしまってる。実際、本当に今見えてる悪魔の姿は、野々野足軽の心情風景が入ってると思う。
 とても恐ろしい、悪魔の姿。そこまではっきり見えるわけじゃない。黒い影に角と翼がある感じ。でもそんなんだからこそ、人の脳は勝手に補完するというか……
 
(こいつは危険だ)
 
 そういう風に野々野足軽は感じてる。こんな簡単に人を操る……もしもこれが無制限にこんなことが出来るのなら、人類なんてとっくに滅んでておかしくない。信じる心……そんなのを悪魔はあざ笑うかのように塗りつぶしてる。まさに悪魔と言われてしっくりとくるというか……納得感しかなかった。だからこそ……危険だと野々野足軽は訴えてる。
 
『大丈夫ですよ。あなたにとってはただの雑魚です。今だって、悪魔の抵抗をかんじてますか?』
(それは……)
 
 アースの言葉に野々野足軽は自身の力を感じる。確かにさっきから悪魔は野々野足軽の力から抜け出さそうと色々とやってる。けどそれは叶ってない。それってつまりは野々野足軽の力の方が悪魔の力よりも強い……という事だろう。
 そういわれたら、どうにでも出来ると思えてちょっと心に余裕が出てくる。
 
(けどこいつが危険なのは変わりないだろ? そもそも、ここで消さずにどうするんだ?)
 
 そこである。アースはこの悪魔を消し去ることを止めた。でもこいつはそのままにしておくなんてできない。そうなると一体どうするというのか野々野足軽は疑問だった。
 
『そんなの簡単です』
(簡単?)
『あなたの中に入れておけば万事解決じゃないですか』
「どこがだよ!?」
 
 頭で会話してたのに、そのあまりの提案に思わず野々野足軽はその場で突っ込んでしまった。そのせいでちょっとだけ注目を集めてしまう野々野足軽。
 けど幸いにも仮面の男達には気づかれることはなかったみたいだ。それは運が良かったと言えるだろう。彼らは自分たちの世界に入ってる。
 特に仮面の男は両手に可愛い女性を侍らせててめっちゃいちゃんちゃとしてる。こんな公衆の面前でよくやれる――と野々野足軽は思うほどだ。
 そしてそんな仮面の男を見てるとちょっとイラッとしてくる野々野足軽。さっきのとんでもないアースの言葉も、今のあの仮面の男をギャフンと言わせられるのなら……と考えるとちょっと考える事ができる。
 
(今、悪魔を俺の中に捕らえれば女性たちは正気に戻る事になるよな。そうなったらあいつはただのセクハラ野郎になる?)
『そうですね』
(ちなみに聞くけど、俺に悪魔の影響は?)
『あると思いますか?』
 
 そんなことなんで聞くの? って感じで言ってくるアース。そこに嘘やら虚言は感じない。なにせそんなのする必要がないからだ。なにも影響が出ないのなら、それもアリかもしれないと思い直す野野々野足軽。なにせ悪魔という存在はかなり希少らしいし。確かにこのまま消すのはもったいないかも知れない。
 
(どうやって悪魔をこっちに移動させればいいんだ?)
『力で悪魔を包みん込んで自身の中に移動するようなイメージをすればいいでしょう。彼らには実態はありません。認識の問題です。そしてそれを行えるのは強いほう。
 彼らには強制力が働きます』
 
 はっきり言ってあんまりアースの言うことはわかんなかった野々野足軽だ。けど、やってみることにした。だってつまりは力で包んで『移動しろ』と思うだけである。
 ならまずは考える前にやってみる。それに『力』はだいたい野々野足軽に答えてくれるのだ

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 971

2023-12-05 22:58:40 | 日記
「うおおおおおおおおお!!」
 
 俺は真剣を向けて勇者に斬りかかる。訓練してたとあって俺は上半身裸で、向こうはきっちりとした白い服をきてる。その服を砂まみれにしてやろう。そんな思いだった。
 
 素早く近づく。そしてまずは走る途中で片手に砂を掴んでたそれを勇者の顔面にぶちまける。周囲からは「最低!」「なんてことやってんのよ!」とかいう女たちの文句が飛んでくる。けどそんなの気にしない。
 この男が無様なところを見せつけようとしてるんだ。そんな非難は甘んじてうける。そもそもあんな周囲のモブみたいな奴に何を言われようとどうでもいい。ここでこの勇者を負かしてその噂を街中に拡散させてこいつの評判を落とすのが目的なんだ。勝てなくても一発入れて無様な姿を見せて女どもの目を覚まさせてやる。
 
 俺の砂の攻撃に勇者は思わず目を閉じた。狙い通り。ここだああああああああああああああああ!! と俺は真剣を振り抜いた。確実に殺った――とそう思った。いや実際なんとかすると思ってたかも知れない。なにせ奴は……勇者は隔絶した強さを有してると聞いてたからだ。
 まあもちろん俺よりも強くイケメンなんて殺れるものなら殺っておきたい……その思いがなかったか? といえば嘘になる。だからこそ思い切って俺は剣を振っていた。訓練に使う刃をつぶした剣じゃない。
 俺の愛用となった剣での一撃。それにこの新しい剣は素晴らしい切れ味をしてる。まだ砂獣相手に使ったことはないが、それでも伝え聞くところによると、砂獣の硬い甲殻を一撃の元に切り裂くことだって出来るらしい。
 それも……だ。それも別に訓練とかしてない一般人が使ったとしてもそうらしい。なら俺が使ったらどうなるか? 気に入らないやつの建物とか切れそうだ。
 そしてそれだけの切れ味があるからこそ、こんなふうに抵抗がなかった……と考えることも出来る。なにせ気持ちいいくらいに振り切る事ができた。さっきの目潰しで相手が避ける事ができたとも思えなかった。
 だから俺はあの英雄を殺ってしまったかもしれない。けどそう思うと、後悔よりもやっぱり興奮の方が押し寄せてくる。
 
「くははっ……ははははははははは!」
 
 そんな笑いがでる。けどその直後だった。
 
「戦闘中に油断するのは感心しないな」
「おごっ!?」
 
 次の瞬間、腹に伝わってきた衝撃。俺は数メートルは吹っ飛んでそのままゴロゴロと転がって、更には腹の中のものをぶちまけた。
 
「ああいうのじゃなく、ちゃんとした訓練の成果を見せてほしいんだよね? 出来る?」
 
 その口調は優しい。この訓練を担当してるクソ野郎どもとはまるで違う。だが……その雰囲気はそうじゃなかった。有無を言わさない圧力……そんなのを俺は感じてた。それだけで、俺のなんのプライドもなん……自尊心しか無いような心はへし折れてしまった。
 
「ご、ごめなさい……こころさないで」
 
 そう言って震えるだけになってしまった俺には訓練を続けることなんてできなかった。