縞枯れか?立ち枯れか?

2010-10-01 07:23:51 | 山のアレコレ
八ヶ岳は”縞枯れ現象”で知られています。 縞枯山という名の山もあるほどです。

この縞枯れ、なぜ起きるのか?完全には解明されていません。

一般には「寿命のもとづく世代交代」と言われています。
だから心配することはない、というのが一般の定説です。

これが本当なら心配は要りませんよね。ところが縞枯れ現象が、

”緩慢に死につつある山の死、ではないか”

という指摘もあります。『立ち枯れる山』(宮下正次)です。 

この本は面白かったのですが、どうも、学説に対する反論を意識して書かれたようで、
論理の流れが悪く、すっと読むには邪魔な情報が多いのが少し残念でした。
学説対決は論文でやってもらいたいですねぇ・・・。

ただ指摘は面白く、今後の山登りに見所を追加できそうです。

縞枯れ説というのは仮定なので、仮説を覆す指摘がいくつかあります。

■ (縞枯れは正常)説の前提としていること vs 反論する指摘

・親木が枯れたら子供が育つ。 vs  子供が育っていない!
・しらびそ、オオシラビソの針葉樹に限って起こる。 vs ダケカンバなど広葉樹も同時に枯れている!
・北限、南限があり、地域限定的。  vs 北限が上昇中

何より大きな指摘は

①寿命というには若すぎる木が枯れている。
②子供が育っていないか枯れている。
③その結果森が消え、崩壊地が発生している


縞枯れというのは、溶岩席などの酸性でやせた土地の上にある森が、森全体の生命維持の
ため、やむを得ず行う、一種の森全体の維持活動と思われています。

ところが、幼樹も育っていなければ、世代は交代せず、土砂崩れがおき、岩が露出してしまいます。

30年間前の縞枯れ観察時の立ち枯れているシラビソは直径が大きく、人の胴ほどもある。
ところが、最近は人の手でつかめてしまうような細い直径の若木も縞枯れている。
という指摘です。 

縞枯れは、世代交代ではなく、山が徐々に死んでいく前兆だったのだという説。
これは酸性雨の影響ではないかと言われていますが、うーん、状況証拠ばかりなので
因果関係は立証されていません。

素人が見たら「縞枯れてるなぁ」も「立ち枯れてるなぁ」も同じ・・・そこがちょっと悲しい。

縞枯れていて、きょうもお山は元気に生きているのか、それとも、死につつあるのか?
縞枯れ山は笹も枯れ初めていて、末期がん症状、と指摘されていますが、本当に
そうなのでしょうか? 素人にはちょっとめ分かりません(汗) 

そこでできることは・・・

縞枯れを見たら・・・
1) その木の樹齢をチェック! → 寿命で死ぬには若すぎないか?
2) その下に子供が育っているかチェック! → 世代は交代しているのか?
3) 周辺に崩落地がないかチェック! → 山が崩壊? ただの礫地? 
4) 他の樹木は枯れているかチェック! 

この本によると、世界中で排気ガスにより、森林が衰退しているそうです。

うーん、本当なら、恐ろしいことだ。



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1 Comments

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はじめまして (扁平足)
2010-10-02 10:05:54
携帯のバレエのサイトからたどり着きました。先日長文でコメントしましたがNGでした。とても、参考になるバレエのブログなので、噛みしめて読んでいます。登山の話しもちょっと興味があり、今後も楽しみにしております。
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