先日、先崎学九段の「うつ病九段」の内容を説明しながら、うつ病について書いた。
うつ病もそうだが、精神障害は、現代的な問題である。
種類には、統合失調症、気分障害(うつ病、躁病)、不安障害、などがある。
このうち、とくに問題となるのは、統合失調症である。
発症率は50~100人に1人、といわれる。
1学年3クラス、30余人の子どもがいると、
学年当たり1~2人の統合失調症の子がいることになる。
これだけの人数にひとり、となると、
学年に、とびぬけて成績の良い子がひとりいる、と言う感じで、
ありふれた病気だということになる。
症状としては、次のようなものがある。
幻聴(頭の中から声が聞こえてくる)、
何かによって体が支配されたような感じになる、
幻覚(目の前に像が浮かび上がる)、
自分の考えたことが、他人に伝わっているかのように思われる。
など。
治療は難しく、
精神科医や周囲の協力が必要になる。
かつては「分裂病」と呼ばれ、夏目漱石が罹患していた。
その診断や治療はたいへん難しく、
精神科以外のお医者さんにとってもハードルが高いそうだ。
さて、現代の世界に、精神障害者は4500万人いるといわれる。
また、生涯罹患率は4人に1人であり、
任意の成人年齢の10人に1人である。
世界の人の4人に1人がかかる病気、となると、
問題にせざるを得ない。
今後も、高齢化や社会の不安定化、競争の激化で、精神障害を患う人が増えることが予想される。
ひとごとと思わず、心して向き合いたい病気である。
身内や友人、知人にも罹患している人がいる可能性が高い。